実験に使う電気機器を作ることになって電源スイッチを探した。いままでは、秋月電気という店が秋葉原にあって通販もやっていて便利だから利用していた。しかし送料が500円かかる。アマゾンには映画が見たいのが半分でプライム会員になったのだが会員になると送料が無料になる。注文する回数を考えると会費を払った方が得である。アマゾンがないときは秋月電気だったのがアマゾンでも販売しているので電気部品についても利用し始めたのだ。種類、数は圧倒的に多いのだが、中国製が多い。購入者の評価をみると、大抵欠品だとか壊れているとかの瑕疵がある。それでも安ければということで購入することになる。
100VAC電源スイッチ、ロッカーあるいは波動型というのを探したわけだが、スイッチの仕様などが、アマゾンのページではよくわからない。電源スイッチは単純だから使える電圧と許容できる電流値しか問題にならず、国産のスイッチと大抵は似たりよったりである。耐久性が問題になるが、そんな資料は中国製にはない。
問題はスイッチ端子が3P、4P、6Pがあって、照明付きの場合、どうなっているかがわからないのだ。スイッチの構造はほとんど共通なので、メーカや型名が異なっていても多分同じだろう。購入しても説明書など付いてこない。
内部のスイッチ接点の構造は下図のようになっていて、支点の上に金属板があり両端に接点がある(片方だけのもある)。この金属板が波状に曲がっていて、上からスプリングで押さえつけられている。このスプリングの押さえつける位置が図の支点の左右に変わることにより、金属片がシーソーのように変化し、どちらかの接点がコンタクトするわけだ。
3P(3端子)のスイッチはこの図の通りで、2P(2端子)のスイッチは片方の接点と端子がないということになる。4P(4端子)のスイッチは2端子のスイッチが並んでいて、6P(6端子)のスイッチは3端子のスイッチが並んでいることになり、それぞれは独立していることになる。
スイッチに照明が付いているタイプがある。この場合照明が完全に独立しているのはLED照明タイプで、スイッチする回路とは別に端子が出ていることになる。LEDには直列に抵抗がある・ないの場合があるようで、DC電源電圧に応じてLEDには10〜20 mA程度の電流を流すように直列の抵抗の値を決めればいい。もう抵抗が内蔵してあるのもある。アマゾンのページをみると、このタイプのスイッチはあまりなく、あっても価格は高い。
問題は照明付きだが照明用の端子がないタイプのものだ。テーブルタップで各口に独立した照明付きスイッチが付いているのがある。このような電源スイッチは照明用の端子がない。コストを下げるためである。
照明はLEDの場合とネオン管の場合がある。ネオン管のパイロットランプというのは多分戦前からある?やつで一番安価なんだろうな。
3端子の照明付きロッカースイッチ(波動スイッチ)の中身は下図のようでネオン管かLEDになっている。ネオン管の場合はAC100Vで使うと照明もできる。ネオン管だとDC電源のスイッチとして使えるが光らない。LEDタイプの方はAC100Vで使うと抵抗とLEDが大抵焼き切れる。調べた物はLEDに2 kΩの抵抗が直列に入っているだけでだから交流100Vは使えない。車やバイクはDC12Vなんでこっちに使うのが目的のようだ。問題はこのLEDタイプのスイッチには16A 250V AC、20A 125V AC という表記と、 DC12-24V という表記の両方があるのだ。だから混乱する。前者の交流の表記はプラスチックの成形のときの金型にあるわけで、LEDタイプのスイッチの場合これを流用しているのだが消してないのだ。後から直流電圧をスタンプで押したりしている。
3p(3端子)の場合、電源と照明の関係は下図のようになっている
配線は下図のようにする。常時点灯というのはあまり意味がないかもしれないができるということだ。スイッチがONのときはっきりとONであることがわかるような器具(照明器具)とかで、スイッチの存在場所を明らかにするときに使うのだろう。
例えばmxuteuk 8個12Vブルーライト点灯スナップインボートロッカースイッチトグル電源SPST ON-Off 3ピンAC 250V 6A 125V 10A、カーオートボート用 KCD1-101NBU-MY はAC でも使えるような表示だが、AC100Vのスイッチはできるが接続すると内蔵の抵抗とLEDは焼き切れるだろう。使うと、最初に焼ききれて、スイッチとしての機能は問題がないが光らないということになる。
4p(4端子)のスイッチの場合は2つ並列にスイッチがある。つまり2回路の ON−OFF スイッチなわけだ。構成は下図のようである。ネオン管タイプとLEDタイプは同じで、ネオン管と(LED+抵抗)が入れ替わるだけだ。しかしLEDタイプの場合、DC電源のプラス・マイナスの表示がどこかにあると期待できるが…ない。10V位だったら逆に接続してもLEDは壊れないから調べられるだろう。
このネオン管タイプのスイッチの配線は下図のようになる。
例えばKiligen 4個 12V-24VDC/20Aボートロッカースイッチトグル スイッチLEDインジケータ付き、オン/オフ 4ピン(赤/黄/青/緑)、自動車用オートボート家電用はLEDに直列に接続してあった抵抗は 2 kΩだった。こいつはDC電源でしか使えない。
mxuteuk 5個AC100V/110Vロッカースイッチレッドライト点灯スナップインボートロッカースイッチトグル電源DPST オン/オフ 4ピン、家電用MXU1-4-201NR はアマゾンのページでは「ライトはAC 110 -220Vに接続するだけで、点灯することができます。」とあるからネオン管タイプだと思われる。色が違うのは、ネオン管の場合は色違いができないからケースのプラスチックの色が違うだけなんだろう。
6P(6端子)のスイッチは3P(3端子)スイッチが2回路独立して存在するわけだ。構成は下図のようになる。こちらはLEDタイプのものはあまりないのではないだろうか。
配線は下図のようになり、これを使うとOFF時にのみ点灯させることができる
(ハドソン) ロッカースイッチON-OFF 開 閉 DPST 6端子緑の色ライト16A 125VAC, 16A 250 VAC Heschen がこのタイプである。ネオン管は100 Vでは暗い。220 Vだったらいいのかもしれない。
というわけで、AC 100 V をスイッチする電源スイッチは、照明付きを選ぶのなら、LED用の端子が独立していないのならネオン管を選びしかないが、中国製は200Vでも使えるとあったら、100Vでは暗いのでよろしくない。LEDタイプでLED用の独立した端子がないのはDC電源のスイッチにしか使えない。AC100Vのスイッチングに使うとLEDが壊れる。LED照明の場合は独立した回路になっているのが、AC100VでもDCでもいい。
オルタネート型プッシュスイッチ(青) 青色LEDは中国製で3A/250VVとなっているから使えそうだ。単価¥650(税込)
デザイン違いの電源マーク照光式プッシュスイッチ オルタネイト(ロック式)緑LAS2-16F-P-GRも3A 250VACとなっている。 単価¥1,694(税込)
多分、同じ中国製で、秋月のはLEDに抵抗がすでにあると書いてあるから、どっちも同じなんだろ。
Ulincos 押しボタンスイッチ U16F5 オルタネート 防水スイッチ 切り替え IP67 ブルー LED 1NO1NC SPDT ON/OFF シルバー ステンレススチール 12V 16mm IP67防水 カプラー付き は電流電圧定格:5A/250VAC, 5A/30VDC LEDの定格値:15mA, AC/DC 12V となっていてスイッチとLEDの回路は独立しているようだ。単価¥1,200 (税込)ただしLEDの定格値がAC/DCとなっているのはよくわからない。AC12Vでも半波整流になって使えるだろうけど邪道だな。大抵の電気計測器は直流で動作させるし、この直流電圧を作るためトランスで電圧を落とすというのは最近はあまりなく、スイッチング電源にするからLEDダイオードの順方向の直流電圧にするのが普通だろう。LEDもダイオードだから逆電圧が加わっても電流が流れないだけだけど、普通の整流ダイオードとはちがい逆電圧の耐性は低いはず。
スイッチとパイロットランプが別になっているというのが従来の方式で、スイッチにパイロットランプが仕込まれているというのが現代的である。
だから、アマゾンで見つけた「押しボタンスイッチ U16F5」を手に入れて、テストすることにする。ロッカー型ではないけどね。
[ 参考 ] AC100VでLEDを点灯させる方法は電灯線(AC100V)で高輝度LEDを駆動する簡単回路にある。フィルムコンデンサがでかいからスイッチの中には収まらない。
Ulincos 押しボタンスイッチ U16F5 オルタネート 防水スイッチ 切り替え IP67 ブルー LED 1NO1NC SPDT ON/OFF シルバー ステンレススチール 12V 16mm IP67防水 カプラー付き を購入したら配線図が付属していた。
スイッチの3接点は C NO NC とある。C はcommon、NO はNormally Open、NC はNormally Close の略で、 Normally とはスイッチが OFF のときという意味だ。つまりスイッチを ON にすると、C と NO がつながるという意味だ。
スイッチの定格:5A/250V AC, 5A/30V DC
LEDぼ定格値:15mA/1V AC, 15mA/12V DC
とあってスイッチと内臓LEDはそれぞれ独立した回路 とある。
AC 100 Vをスイッチして、15 VのDC電源アダプタを使うからDC15VでLEDを光らせればいいはず。LEDでの電圧降下を青色ダイオードなんで 3 V と仮定すると 15 mAということなので(12-3)/15=0.6 kΩ 位の抵抗が内蔵されていると思われる。抵抗の系列から考えると0.68 kΩでしょう。とするとダイオードの電圧降下は1.8 Vだと計算できる。DC 15 V で点灯させるとすると(15-1.8)/15-0.68=0.2 だから200 Ωの抵抗を直列に繋げれば良い計算だ。
15 V の電源アダプタはスイッチング電源だから、100 Vを ON にしてもDC 15 Vが出力されるのに遅れがでてくる。だからこの電源スイッチを使うと、ON にしたのに点灯するのが一瞬遅れるだろう。電源アダプタにはAc 100 V を繋ぎっぱなしにして出力のDC 15 V をスイッチするのがいいかも。