STAP細胞とはStimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency刺激惹起性多能性獲得(STAP)のことです。このSTAP細胞はreprogram初期化された細胞(どんな細胞にも分化し得るー多能性を持つ)だが増殖性がない。しかしACTHを含む培養液で培養すると増殖性が出現する。このような増殖性のある細胞をSTAP幹細胞というというわけです。つまり、多能性が証明された細胞をSTAP細胞というわけで、Oct-GFPが仕組まれた動物から採取して酸浴したら緑に光った細胞、あるいは多能性細胞に特有の多くの遺伝子マーカー(Sox2、 SSEA1、Nanogなど)を発現しただけの細胞は、多能性が証明されていないかぎりSTAP細胞とはいいません。
したがって、検証実験では、多能性が疑われたので、酸浴あるいはATP浴したできた細胞(塊)をとりあえず「STAP 様細胞(塊)」とよび、明確に区別しています。
ここまでが、多くの科学者、研究者の一致した見解だと思います。
擁護=素人の方々は、この緑に光っただけの細胞が得られたことをもってSTAP細胞があるとしていますが、検証実験では自家蛍光と区別しがたいとされ、Oct-GFP細胞での蛍光発光がOctの発現を示しているかどうかすら明らかではありません。つまり、緑に光っただけでは、自家蛍光と区別し難く、初期化関連遺伝子であるOctの発現も定かではありません。丹羽氏の検証実験では、ATP浴でOct3/4 タンパク質の発現の検討を行ったところ少数例で発現が見られた。さらに丹羽氏論文Investigation of the cellular reprogramming phenomenon referred to as stimulus-triggered acquisition of pluripotency (STAP) Sci Rep. 2016; 6 では多能性関連タンパクの発現を検討し、幾つかの例(some proportion of cells in the aggregates express pluripotency-associated genes at comparable levels to those of ES cells.)で発現がみられた。しかしながら、キメラの作成はできなかった。つまり、これら初期化あるいは多能性に関連するタンパクが酸あるいはATP浴で発現する場合があるものの、これらの発現が多能性を獲得したとの証明にはなってないことが示されたということですね。
相澤氏の再現実験Results of an attempt to reproduce the STAP phenomenon F1000Res. 2016; 5: 1056. でも小保方氏が作成したにも関わらず、Oct-GFPマウスを使って蛍光を発する細胞をカウントした結果は、撤回された論文の1/10程度であり、キメラは作成できなかったわけです。
論文は撤回された、小保方氏が参加した検証実験でも再現できなかった、他の誰も再現できてない、桂調査委員会で残されたSTAP幹細胞やキメラを調べた結果、これらはES細胞由来だったと証明され、科学的な素養のある方々はSTAP細胞、STAP現象とやらはなかったという結論に達しています。しかし、記者会見の言動や都合良いところだけが書かれた私小説に騙された科学的素養のない方々だけが、STAP細胞あるある、STAPが潰されたのは陰謀だと騒いだわけです。
さて、8年も経過している現在も、科学的な素養のある方々、研究者では上記のような結論に何の変化もないわけですが、学とみ子はため息さんが定義するSTAP細胞は、学とみ子の定義するSTAP細胞と違っていて良いのよ。と、まずSTAP細胞の定義からして、「学とみ子のSTAP細胞」は違うから、当方の言うことは学とみ子には通じないと言うわけです。
では、学とみ子のSTAP細胞とはどのような細胞なんでしょうか?聞いても答えは返ってきませんので、学とみ子の発現から推測するしかありません。学とみ子の言う「STAP細胞」は上記のような当初の論文著者の定義とは異なると思われますので、ここでは学とみ子のSTAP細胞を「STAPもどき細胞」あるいは「もどき細胞」とします。混乱しますからね。
学とみ子は小保方氏は、分化細胞が初期化に向けて動き出す初期の現象を発見し、と言っています。「STAPもどき細胞」は「動き出す」のだから「将来初期化されるはずの細胞」ということになります。小保方氏は初期化された細胞を発見したのではなく、初期化される予定の細胞を発見したということになります。若山氏がこの細胞がES並み細胞になる現象があることを証明して見せたのだそうです。ES細胞並というのは、多能性と増殖性を備えた細胞ということと思われます。当初の論文ではES細胞並どころか胎盤にまで分化しうるので全能性というほうが主張にそっていますが、ま、ここではいいことにします。
発表後、若山氏は論文の撤回に走ったので、学とみ子は「その若山氏が、ES並み細胞の出現を否定した」としています。学とみ子は「分化細胞からES並み細胞にするのは、今の技術では無理です。」というわけですから、この若山氏の「ES細胞並にすることはできなかった」ということを支持しているわけです。つまり、分化した細胞から、多能性と増殖性を持つ細胞は、酸浴あるいはATP浴ではできないというのが学とみ子の考えです。
>学とみ子:ここまで①はよろしいでしょうか。
ES細胞並の細胞はできないわけで、桂調査委員会報告書の「小保方氏冷凍庫に残されたサンプル等の解析結果からSTAP幹細胞、キメラ、テラトーマはES細胞由来である」という結論も学とみ子は認めているわけです。ただし、ES細胞の混入は、誰かが意図したものではなく、事故で混入したとしているわけです。
>学とみ子:ここまで②はよろしいでしょうか。
いいとして先に進みます。違うのなら返事をください。以下の推測を訂正しますから。
学とみ子の主張は:「小保方氏は、分化細胞が初期化に向けて動き出す初期の現象を発見した」ということですので、この初期化に向けて動き出した細胞がSTAPもどき細胞です。しかし、この酸あるいはATP浴を受けた細胞は分化細胞からES並み細胞にするのは、今の技術では無理ということなので、STAPもどき細胞は初期化され増殖能を持つには至らないということになります。STAPもどき細胞は初期化の第一歩を踏み出したが初期化には至らないということのようです。矛盾した表現ですが、学とみ子の言い分はこのようになります。③ちがうのでしょうか?
[ 追記 ]2022.12.10 学とみ子の「STAPもどき細胞」の定義は:
「一部初期化した分化細胞(STAP)」という表現も学とみ子はしています。上記と同じで、酸浴等の刺激を受け「ちょっぴり初期化した(意味不明ですが)分化した細胞」ということのようです。
とすると、学とみ子に言わせると、小保方氏は何を発見したのでしょ?分化した細胞は酸浴するとOct4を始めとする初期化関連遺伝子が発現する場合があるが、初期化されるわけではない、増殖能もなくなったまま、ということですね。医学、生物学においてどのような意義のある細胞なんでしょうかね?④新規科学のどのような意義のある新発見なんでしょうか?
①〜④までお応え願えると、学とみ子ブログの読者に、学とみ子の主張に同意している方がいないという現実が変化するかもしれません。
さざんか