お嬢さんの博士論文のテラトーマ

アノ姐さんからコメントをいただいて、どう思う?と聞かれたので…コメント欄に返そうと思ったのですが、長くなっちゃったので。
おかしなところがあったらコメントくださいな。
テラトーマですが、11jigenさんのページ(http://stapcells.blogspot.jp/)にある博士論文のテラトーマの図(Fig.14)の legend は「Figure 14 Teratoma like mass from bone marow spheres …」となっていますので、「あの日」の55ページの「組織工学の技術をつかってテラトーマに似た組織を作ることができた」と記述は一致しています。博士論文本文にテラトーマができたという記述があるかどうかはわかりません(後述のように本文に記載がないのかもしれません)。早稲田大学の博士論文の調査(下記)ではテラトーマと記載されていてテラトーマ様組織(細胞塊)とテラトーマの区別はできていません。
この博論の図14をNature Article 論文 Nature 505, 641–647, 2014)のFig.2eの免疫染色の下段3枚に流用したわけで、Nature のこの図の legend では「Teratoma formation assay of day 7 clusters of Oct4-GFP+ cells.」とあり、こちらは骨髄と脾臓という由来の違いの他にも「like 様」がないという大嘘つきだったわけです。
さて、「あの日」によると、Vacanti 研究室では「テラトーマに似た組織」しかできず、PNASに投稿した論文はrejectされたわけですね。キメラを作れと言われ、2010年7月に当時理研の若山氏とキメラの相談のため面会したわけです。この日から同年12月の博士論文を作成するまでの間、さらにキメラができる2011年11月(CDB 自己点検の検証について http://www3.riken.jp/stap/j/c13document14.pdf)までテラトーマの実験を行ったとの記述はどこにもないようです。この間はキメラ作成に集中していたと思われます。博士論文の提出は2011年2月です。
次にテラトーマについて話題になっているのは、STAP細胞を使った実験で、博士号取得後の理研で行ったものですね。2011年12月27日に移植、2012年1月24日に取り出した実験です。例の実験ノートの漫画のやつです。そして2012年2月末ころ免疫染色をおこなった(画像Bの?)そして6月に写真撮影した(画像B)というのがあります。
理研調査委員会がテラトーマはES細胞だったと判定したのは、この2011年12月以降に、理研で作成した標本ですね。
「あの日」の62ページには、若山氏に面会に行く前の大和氏の発言として「こちらにはES細胞とかそういう研究分野の専門家はいないし、みたこともない…」とあるので、早稲田、東京女子医科大学、Vacanti研究室にはES細胞はなかったことになります。つまり博論のテラトーマ(様細胞塊)はES細胞ではないことになります。[ 追記 2016.5.30 ]下記コメントにありますようにES細胞だった可能性があります。TE論文に本当にES細胞を使ったとしたら大和氏の発言がデタラメか、お嬢さんが大和氏の発言を創作したことになります。
早稲田大学の調査書(大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会 平成 26 年 7 月 17 日 http://www.waseda.jp/jp/news14/data/140717_committee_report.pdf)でのテラトーマについては、22ページに

本件博士論文本文には、この画像に対応する記載は存在せず、また問題箇所⑪に記載された説明文によっても、さらにその他の本件博士論文に記載された本文、図等によってさえも、問題箇所⑪(Fig. 14 の上段の 3 枚の写真)の意味を理解することができない。よって、意味不明な記載といえる。

のほかには提出論文とスライド発表の図との差異等についての記載はあるものの、テラトーマ実験がどのようになされたかの議論はないですね。実験ノートはVacanti研究室にあるので提出できないという主張がなされたわけで、どのような実験でこの図が得られたのかを裏付けるものは示されていなようです。
さて、以上のことを考えると、博士論文のテラトーマ(様細胞塊)はなんだったんでしょ?
(1)スフェア細胞を移植した結果だ。
(2)培養筋細胞の写真とかをどっかのページからコピペしてきたのと同様に盗作だ。
(3)「あの日」によると、培養皿では、一つの培養皿に混在しているわけではないが、培養皿によって3つの胚葉のどれか由来の細胞に分化した(?すでに各組織の幹細胞に分化した細胞が混在して増殖したのかも)ようなので、この培養細胞の免疫染色の図を流用した。凍結切片の免疫染色だと組織構造がはっきりしないからね。HE染色は、違う部分をパラフィン切片でつくるから組織の形態が違ってもわからないし。
(1)だったらいいんですけどね。なんせ、信用されてないし、これを裏付けるデータは、ハーバードが公開しないからとかいって示してないからね。
若山氏にキメラをお願いするときに、印刷した博士論文を提示したわけではないでしょ。なんせ大学に提出する2部しか製本しないで、自分自身も持っていないという状況ですからね。若山氏への説明はお得意のパワポのプレゼンだったんでしょうね。どうやらパワポの使い方は素晴らしいようですから。
テラトーマができたと言われたら、やってもいいかなと思うでしょうね。
お嬢さんの頭のなかで「テラトーマ様(つまりテラトーマとは判定できない物)」がだんだん「テラトーマ」になったのでは?
テラトーマができるのは真実なので、この真実に合うデータがあるべきで、だからデータがあったのでは?

Light Box 系のプラグインが動かない

ブログ記事の写真をクリックすると拡大して表示することができるプラグインがある。いわゆるLight Box 系のやつでこれはjqueryというjavaとコンフリクトするらしい。jqueryを$に置き換えて動作するのだが、ほかの、例えばテーマとかプラグインも同じ$を変数として使うからのようだ。
chrome-extension://fmcdfigcdfkdghdklblbbpacikcchbbh/jquery-2.1.0.min.js:2 Uncaught TypeError: Cannot read property ‘slice’ of null
と、すべてのプラグインを止めても、このブログを表示するとエラーになる。エラーにqueryという言葉があるのだからこいつのせいなんだろ。まだ良くわかっていない。
というわけで、テーマをかえちゃったりしているのです。すみません。

Webページ作成.app(サムネイル付きの写真をアップする)

スポーツフェスティバルとかがあって(管理者は参加しなかったけど)そのとき撮影したスナップ写真を学生に配布したいがどうしたらいい?と相談があった。いまどきのコンパクトカメラは解像度がよくてファイルが大きい。それが何枚もあると、配布するのが大変だ。
専用サイトがあるのはわかっているけど、学生に実習資料とかを配布するサイトがあるので、ここにアップして学生が勝手に落とせばいいということになった。
しかし、写真なので、サムネイルで表示し、選択してフルサイズの絵がでてくる・ダウンロードできるとするのがのぞましい。数十枚あるとこれをつくるのは結構たいへんだ。どっかにフリーのソフトがあるに違いない、というわけで探したら、なんとMacでは最初からWeb掲載用のページができるソフトがあった。
20160525webpageapp
アプリケーションにあるのではなく、/システム/ライブラリ/Image Capture/Automatic Tasks/Webページ作成.app というのが隠されていたのだ。
このアプリに、画像が詰まったフォルダをドラッグ&ドロップすると出来あがる。フォルダの名前が日本語になっていたりして、アップロードしたときにふさわしいフォルダ名にならない。フォルダ名(directory名)をアルファベット名に変更して、最初のページ(index.htmlができる)のdirectory名を置換すれば一発でできる。
サムネールの絵が並んだページ(index.html)と、フルサイズの写真が掲載されるページが自動的にできるから、これらをアップロードしたらおしまい。凝ったサイトをつくるわけではないので便利だ。

1年生の実習レポート

1年生に生理学実習のレポートを書かせるようになったわけだ。最初は統計計算の演習のようなものだったのだが、いよいよ、機器を使って測定し、レポートを書かせるような実習になってきた。
なにせ、高校時代はレポートを書いたことがないわけで、目的ー方法ー結果ー考察ー引用文献とセットになったレポートをいきなり書くのは無理である。最初のうちは、表とかグラフには単位があること、軸の説明があること、表、グラフにはタイトルがあることなどができていればいいことになる。1年かかって、考察までものにできればいいという方針なのだ。
しかし、中年Hに任せているコースでは、中年Hはそれでは満足できず、例えば引用文献(文献といっても教科書だが)がないと30点減点するとか学生に宣言するのだ。
学生は、びびっちゃって、先生の言うとおりのフォーマットでないといけないわけで、戦々恐々なのだ。結果とか考察が十分まだ書けないのに文献引用がなくて30点も減点されちゃうと、最終的に20点とかの評価になっちゃう。一生懸命努力した結果が20点だったら学生はやる気をなくす。0点の時もある。
だから、最終成績が60点を超えない学生がごろごろ出てきちゃうわけで、それでは、まずいので最終的に下駄をはかせることになる。そんな方法はやめろというのだが、変わらない。
こっちは、最初のうちは、いくつか不備があって、指摘はするけど、そんなに減点にはしない。満点になるようなレポートを見つけてこれを基準に点数をつけるのだ。だから、毎回満点のレポートが数通できるが、本当の意味での満点ではない。年度最後になって本当の満点レポートがでてくるようになればいいのだ。
考察に、気の利いたことが書いてあったら、かりに誤りであっても、考えて書いてあったら、加点するのだ。100点を超えちゃってもいい。通年で平均したら100点を超えることはないからな。ほめてあげないとね。

またphpが動いていない

OSXサーバで、また、php で構成したページ(ownCloudとかWebメールのroundcubeなど)が動いていない。CGI は問題ない。OSをアップデートしたからだ。
/Library/Server/Web/Config/apache2 の
httpd_server_app.conf の110行目の
LoadModule php5_module modules/libphp5.so
がコメントアウトされている(#が頭に付いている)からだ。この# を削除すればいい。apache が php モジュールを読み込んでないからだ。削除して
$ /usr/sbin/apachectl restart でapachを再起動しておしまい。
もう何回目かなこのトラブルは。どうやって直したか、覚えていないんだよね。
ちゃんと記録してあってよかったね。毎回このメモを見るんだよな。なさけない。

WinのHDがこけた

HDがコケたのでそのリカバリーを朝からやっているんだけど、終わらない。外付けHDに回復させ、一時的に使う古いデスクトップでファイルを読んで作業したいのだ。処理する必要のあるマークシートの束が2部たまっているのだ。
コケたPCはHDを取り換えてリカバリーDVDで新しく構築できるはずなのに、何回か電源を入れたり切ったりしてたらモニターに何も出てこなくなっちゃった。なので新規のWin機を発注したから、これが来るまでだから、ジャンクPCを使って外付けHDに回復させておいて、新規のPCへはあとでコピーするつもりなのだ。
同じことをすでに何回かやっているので、マイドキュメントにはprevious win とかいうフォルダが入れ子のになって存在する。ダブっているファイルがいくつもあるのだけど、いつもHDがコケたときは、何か仕事があるわけで、整理していないんだよね。HDが安いからね。2Tで1万円を切る。初めて研究費で購入したMacに外付けHD20MBを用意したときHDは20万円だった。1MB /1万円だったんだよ。信じられる?
しょうがない、別のノートにスキャナとマークシートリーダーのアプリをインストールして実施するしかない。こっちのインストールも、アップデートなんかがあってすぐに終了してくれない。
別のノートにインストールして起動して終わった…  30分もあればマークシートをスキャンしてエクセルで採点できるんだよね。

Typical results

あらま、小保方氏のSTAP HOPE PAGETypical Resultの図
20160519typicalresult

STAP cell cluster derived from Oct4-GFP mice Bright field (left), Oct4-GFP (middle), Autofluorescence (right) These photos were taken during the STAP verification experiment in Riken CDB

と説明では、理研の検証実験の結果と表示されているんだけど、Facebook「STAP細胞を語る会 小保方さん擁護派も批判派も越智武義氏(20165月19日 15:18の投稿)によると、

理研より得られた回答は、
① Typical Resultで示された写真3枚は、理研に存在しない。
② 類似のものも(理研が)調べた限り、見当たらない。

とのことだ。
そうだろうな。理研の検証実験の結果だったら、理研の許可無しに公開することはできないだろう。ハーバードの実験結果を調査委員会に提出しなかったのはハーバードの許可がないからという主張だったのだから、理研の結果を許可なしに公開するのはおかしいことになる。しかし理研の所有物ではなく「小保方氏の創作?」だから公開してもいいわけだ。
この真中の緑のやつ、Photoshopで作ってみるかな。
20160519typicalresultfakeanalysis-1
どうだろ?ちと大きいか?新規レイヤーにして、緑を選び、左の明視野の細胞の塊の上で6ptのブラシでぐるぐると描いたあとぼかしを入れ、真ん中の写真に移動して、画像を統合にしたらおしまいだ。
あの電気泳動のレーンを切り取り引き伸ばして貼り付けたことから判断すると、もし小保方氏が捏造したのだったらこんな程度の創作しかできないだろという想定だ。捏造だと言っているわけじゃないよ。こいつを解析してみる。まずは、STAP事件でちと有名になった画像解析ソフトLPixel / LP-exam Ver.1.03だ。全部は上の図を使ってだれでも解析でるだろ。Schrödingerの狸さんもやっているのよ。

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小保方氏の緑のボールと、管理者が手抜きで作成した緑のボールに差があったりなかったりだな。創作ボールの真ん中がちと黒いな。

次に、捏造でないと主張している 白鳥は鳥にあらず というブログを公開している方の方法、「Photoshopで、彩度を最低にして、フィルターで「表現手法>輪郭抽出」を実行する」と
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と小保方氏の緑の玉と、管理者が手抜きで作成した緑の玉に、これまた差が見られない。
単純に中央の写真の輪郭抽出を行い、拡大して画面のハードコピーを取ると
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どこがちがうだろ?ちがいはきっと、ぼかしの程度に依存するようだ。もっと手抜きしてぼかしをかけるのを少なくしたらもっと似たのになるのではないかな。
手作りだと断定しているわけではないですよ。同じようなのが作れるよと言っているだけですね。誤解しないでちょうだい。
なんでこんな暇なことやっているかというと、一昨日、PCのHDDがコケたのだ。でバックアップからデータの回復を試みているのだ。なぜか、去年の11月以降の変更が反映されていない。コケたPCより古いWindows機でともかく仕事をしないといけないので回復を試みているのだが、昨日は授業や会議があったし…時間がとれない。回復動作を開始させておいてうっちゃっておけばいいのだが、必ず途中で、このファイルは「なんちゃら」なのでできないとか言ってきて進まないので、近くにいて実施する必要がある。夜動作させて朝みても途中で止まっていて進まないのだ。だから、暇つぶしにMacの方でこんなことをやっているのだ。Macが仕事のメインマシンなんだから「Macで仕事しろと」いわないでね。Winのマシンも、事務書類がWinでないとだめなんでWin が動かないとまずいのだ。また、普通紙マークシートで学生の毎週の小テストとかアンケートを実施しているのだ。スキャナの方はWin/Mac どっちでもいいのだがマークを読み取るアプリにMacで対応しているのがなさそうなのでWinも使わないといけないのだ。
だからWindows回復が優先なのだ。ジャンクのPCなんで、とりあえずの仕事ができるようにして、バックアップファイルを外付けのHDに復活させておいて、新しいWin 機がくるまで我慢なのだ。またPCを購入しないといけない。とほほ。コケたのは5年以上経過した化石だから買い替えの良い口実なのだ。
というわけで、来週からはいやでもWin10、Office2016 なのだ。いやなんだよね、ジジイだから新しいのについていくのが辛いんだよね。

平衡状態

科学誌印刷業者さんから、浸透圧実習での平衡状態についてのコメントをいただいた。平衡状態という概念を学生がどこまで理解しているかわからないわけです。
そこで、ちとひらめいたデモ実験は;
用意するもの:2 Lペットボトル2本、網、発泡スチロールボール(網の目を通る大きさ、網の目を通らない大きさの2種類、それぞれ色が付いているといいのだが、白しかなければ色を付ける。水溶性アクリルスプレーがいいのでは?)
ペットボトルの底を切り取り、網をはさむようにしてくっつける。中に入れるボールを取り出したりするので、網はフレームをつけてとりはずせるように工夫する必要があるだろう。
20160514osmoticpressure-1
大きさが同じ色の異なる小さいボールを、それぞれうボトルのほうに入れ、激しく振る。色の違うボールが混ざるが、高さはかわらないだろう。出入りがあるが全体としては変わらないという平衡状態が理解できるか?
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さらに、片側に網目を通らない大きなボールと一方の色の小さなボール、反対側には異なった色の小さなボールを入れ、高さを等しくしておく。これを激しく振ると大きなボールのある方の高さが増える。色の異なる小さいボールは混在するだろう。浸透圧が理解できるか?
20160514osmoticpressure-3
机上だけのアイデアだけど、うまくいくかな?浸透圧のシミレーションとして正しいのかしらん?
[ 追記 ] 2016.5.15
上の浸透圧のシミレーション、高さを揃えて、左側に大きなボールのみ右側に小さいボールのみを入れ振ると、小さいボールが左側に一方的に移動し、高さに違いがでてくるだろう。ボールの大小の比が極端に異なり、小さいボールが小さすぎると、はっきりとした高さの違いがでてこないだろう。
追記はここまで。
大小大きさの異なる発泡スチロールのボールは東急ハンズとかホームセンターで売っているはず。色違いはあるかどうかわからない。水性アクリルスプレーだったら発泡スチロールは溶けないだろう。単なる水性塗料だとうまく色がつかないだろう。発泡スチロールのボールは糸でぶら下げて薄くペイントする。塗料が変な形でくっついて球形が保たれないとだめだろう。
うまくボールを選別してくれるような網目の大きさのネット(網)があるだろうか?網をペットボトルの底に接着剤等で固定するわけに行かない。ボールを出し入れすることになるから、篩のような枠があって、うまくペットボトルがはまり込むようにする必要があるだろう。ペットボトルの口は使えないだろう。
[ 追記2 ]
http://www.geocities.jp/kajitadani/newpage39.htm では大小の発泡スチロールボールではなく、大きいほうは小さいのを幾つか接着しているな。アミを通す・通らないというのは同じ発想だ。
浸透圧説明アイテム♪・・・失敗 2010-04-27  でも同じ発想のようだけど、在米ポスドクさんの指摘のように、静電気で失敗したようだ。 うーん。やってみないとわからないもんだな。