金太郎飴と赤いボールペン

学生実習のレポートの採点はつらい。一番つらいのは、金太郎飴だからだ。学生同士相談するのはいいが、だれかが間違えた事を、あるいは間違えた測定方法、検定方法を使うと、全員が右へ倣えということになっちゃう。文献引用も同じになっちゃう。
まず、全員のをざっと見て、それから採点というのが本来取るべき姿だが、時間がないので、頭から見て行く。コメントを赤ボールペンで書く訳だが、最初の方でコメントすると、最後まで同じコメントを書かないといけない。不公平になるからな。
ハンコでコメントを伝えたいのだが、実習毎にコメントはちがうので、ハンコを発注するわけにはいかない。したがって、赤いボールペンのインクがどんどんなくなっちゃう。
ブラザーがパソコンでハンコを作るセットを売っている。SC-370pcというやつだ。3万円で、ハンコ自体が千円から千八百円だ。これ買うかな。しかし、ハンコは実習課題毎に幾つか作らないといけないので、実習項目x3ないし4ヶとするとえらい高いものにつく。来年も使えればいいが、毎年、金太郎飴の模様は異なるからやっかいだ。
すでに、レポートの採点結果はスタンプで押している。すばらしい!、やったね!、がんばったね、もっとよく考えて の4パターンだ。最初の3つは、ゾウ、ライオン、ブタのマークもついている。当然、もっとよく考えて というのが一番押されている。こいつが最初に壊れそうだ。
金太郎飴でなく、たとえ間違ったことを書いていても、それなりに、自分で考えた筋の通った文章をかいていたら良い点をあげることにしている。しかし、往々にして、そのような自分で考えた文章は、主語と述語の関係が一致しないとか、用語の使い方が間違えている。筋の通ったわかり易い文章だなと思うと、教科書等からの引用をそのままコピペした結果だ。
100通のレポートを採点するのはつらい。しかし、それが仕事だからな。しょうがない。

鍋の季節になりましたなぁ

そこで;

意地と愚痴 しっかり煮込んだ おでんかな
おでんは煮込む程美味しくなりますが…
すき焼きに すだれ牛肉 貧乏人
向こうが透けて見えるような牛肉しか買えない。とほほ….
ストレスを 練り込み作った つくね鍋
ストレス解消法の1つです。
寄せ鍋に こんがり焼いた 餅を入れ
普通は焼きませんからね、言いたいことはわかりますよ、でもほどほどが…
馬鹿上司 食わせてやりたい だし昆布
偉い上司は誰かが寄そってくれるまで食べないので、入れてやれ、だし昆布を。
闇鍋に チョコを入れる あほ学生
いたんだよね。昔。何も食べられなくなっちゃったよ。
貧乏人 いくら集めても 野菜だけ
一人1品持ちより鍋をやったら、肉を持って来た奴は誰もいなかった。
糖尿病 でも食べたい ちゃんこ鍋
糖尿病予備軍を含めると日本人の1/3は危ないのでは?
雪見鍋 いくら探しても おろしだけ
鍋の底が見えないと、いくら探してもないものはない。
上司には 唐辛子ならぬ ハバネロを
薬味にハバネロを使って食わせてやれ。
しゃぶしゃぶの 残った食材 野菜だけ
しゃぶしゃぶは肉から始めますからね。
キムチ鍋 まずいキムチは 白菜鍋
キムチがまずいと単なる白菜だけになっちゃう。
土手鍋に 入れた牡蠣は 小豆(あずき)なみ
牡蠣は煮詰めてはいけませんな。
アンコウは 骨があるので 食わぬやつ
骨の無い魚しか食べられない若者がいるんだよね。
鯵干物 泳いでいても 生き延びる
干物はやっぱし焼かないと。遅れて来たやつだけが食べるんだろうな。
鍋奉行 二人いると 喧嘩鍋
よく職場の宴会でありますね。
すき焼きに 枚数制限 つけるなよ
貧乏人同士では、こうしないと不公平ですからな。
仕事でも ちゃんと仕切れよ 鍋奉行
鍋奉行となる人がなんでも仕切れるわけではありません。
一人鍋 ああ一人鍋 一人鍋
さみしいです。
鍋だから 眼鏡はずして コンタクト
眼鏡はハンデです。
つつくのは 鍋にしてくれ ばれた嘘
ぐちぐち言われると、おいしい鍋もまずくなる。
それ俺の 主張は通らぬ 職場でも
鍋の中のちょうど良く煮えた肉を他人にとられちゃうことがしばしばありますな。
デブ同士 喧嘩のもとは 餅か飯
最後の〆は炭水化物。スープが美味しいですからね。餅にするかご飯でおじやにするか麺でも…デブになる原因なんですけど。
湯豆腐に なにが泳ぐ よその家(うち)
湯豆腐とは豆腐だけかと信じているのですが、よそ様でごちそうになったときタラが泳いでいて驚いたことがあります。京都の豆腐で有名な南禅寺あたりの湯豆腐を食わせるとこでは、いろいろな物が泳いでいます。豆腐だけだと単価が安すぎて商売にならないからですな。
忘年会 うるさい上司は 蟹鍋で
うるさく、ねちねちしゃべる上司が加わった宴会でには蟹鍋がいいです。蟹の身を出しているときはしゃべらないので。
二人して、外で食べたい 鍋料理
最初のデートに鍋料理は選ばれない。鍋料理を、外でもいいから、二人だけで食べるくらい親密になりたいな。

トイレットペーパー考

トイレットペーパー及びそのホルダー等の考察は沢山ある。何故かというとトイレ内では考える対象が限られているからだ。ほとんどのトイレの個室は座ると正面に壁あるいはドアがあり、左右どちらかにトイレットペーパがあるのみで、眼につく対象がトイレットペーパーしかないからだ、後ろ側には様々な者が設置されているが、それらは見えないからだ。必然的に、壁について考察するよりトイレットペーパーについて考察することになる。他にすることは本来の目的の一つだけで、これには大脳皮質の関与がほとんどないからな。
日本ではトイレットペーパーはシングルとダブルの2種類がある。3枚4枚というのはあるかもしれないが、寡聞にして見た事がない。関西はシングル、関東はダブルが多いらしい。米国でも議論は盛んなようで、紙の向き—切り端が上になるか下になるか—の議論があるようだ。日本ではこのような議論はない。トイレットペーパー・フォルダーに必ず蓋があって、この蓋のエッジを使って切り取るからだ。必然的にトイレットペーパーの向きは上向きになるからだ。そういえば、米国留学中の借りていたアパートのトイレットペーパーを置くところは芯を支える横の丸棒だけがあって、蓋がなかった。米国では蓋がないのが普通(だった?)なので、トイレットペーパーの向きが問題になる。連れ合いとトイレットペーパーの向きで喧嘩したこともある。たしか、そのアパートのトイレットペーパーを保持する部分の構造からいって、下向きにしたほうがロールが回転しやすかったのだ。管理者は日本流に上向きに置くべきだと主張して負けたのだ。どちら向きでも、米国人は利き手で紙を持ち、非利き手でロールを抑えて回転しないようにして、紙を引きちぎるのが正式な作法なのだ。
ひるがえって、日本では蓋があるのが普通なので、紙を切るためには、蓋のエッジを非利き手で抑えて、利き手でエッジを利用して切ることになる。エッジが鋸の歯のようになっている蓋も珍しくない。
もっとも、ミシン目が入っていれば、エッジを使わずひっぱればミシン目から切れる。ダブルの場合、1枚目と2枚目のミシン目は一致していないといけないわけだが、ときどき1枚目だけ切り取ってしまうと2枚のミシン目の位置と一致しなくなるので、一致するように再設定しないといけないのが厄介だ。一般に、ダブルのほうが高価でミシン目があるほうがより高価だ。したがって、公共のトイレでトイレットペーパーが準備されているところでは、シングル、ミシン目無しが普通だ。
シングル・ミシン目無しのトイレットペーパーを蓋のエッジで切るとき(他に方法があるとしたら米国風に引きちぎるしかない)、エッジをフルに使って切断してはいけない、紙の切断された部分が蓋の内側に隠れてしまい、次の紙を引き出すのに苦労するからだ。トイレットペーパーは薄いのでロールに巻かれてしまうと切断した部分を探しにくい。したがって紙を切断するのにちょっとしたテクニックが必要だ、2/3くらいエッジで切ったら、エッジを使わないで引っ張るように動作する。そうすると、残った紙の切り口は直線ではなく、端が三角になって残る。この三角部分を引っ張れば次の紙を取り出し易くなる。これがシングルが用意されているトイレットの正しい使いかたなのだ。次の人を思いやる正しいマナーなのだ。
しかし、このマナーはまだ普及していない。多くの場合、前者が使った後は、切り口が見えず、ロールを回転させて切り口を探さないといけない状況になったままだ。ホテルなどでは、切り口がわかり易いように三角に折ってある。ちゃんと掃除しましたよという表現でもある。三角に折って次の人に備えることは要求できないだろう。紙をちぎった後、行う動作はきまっており、さっさと個室から出て行くことが最優先事項だからだ。座ったままトイレットペーパーを折るような余裕のあるヒトを管理者は知らない。まずいないだろう。
片手の機能が何らかの理由で不自由だと、トイレットペーパーを切るのが難しくなる。腕を骨折して三角巾で首から吊っている状況ではトイレットペーパーの切断が、米国式だろうと日本のように蓋が有ろうと関係なく難しい。多分、市井の発明家と称する好き者はトイレットペーパー自動切断機なるトイレットペーパー・フォルダーを考案しているに違いない。初めに述べたようにトイレ内では暇だからだ。このような発明家の片手が一時にしろ不自由になった確率はかなり高い。だから考案されているに違いない。しかし普及しているとはきいたことがない。多分何らかの動力を必要とするに違いないし、高価なフォルダーになるに決まっているからだ。作成しても需要がほとんどないからだ。片手が不自由になることを予想してあらかじめトイレットペーパー・フォルダーを設置するような人はまずいないからな。最大の問題は何cmの長さに切断するかの設定が難しいからだ。トイレットペーパーを何cmで切断するかの統計はどっかにあるだろうが、個人差が激しいに違いない。家族の中でもばらばらだ。もっとも、昔は落とし紙といって一定の大きさの紙(新聞紙だったりしたこともある)が積んであったのだからかまわないかもしれないが。設定するのが簡単でないといけないことになるが、その仕組みを考案するのはかなり困難だ。ロールの回転数では決まらない、1回転で繰り出される紙の長さはロールの消費状況で変化するからな。考案自体は難しくないが、数百円で売っているフォルダーに対抗するような価格ではつくれないだろう。
ありゃ、もう2時だ。前半の生理学実習が予想より早く終わってしまったので、こんなことを書いて時間を無断に使ってしまった。何故、今年のこの実習(反応速度測定)はさっさと学生は終えてしまったのだろうか。今年は測定項目が昨年より1つ多いのに昨年よりはるかに早く終わってしまった。マニュアルと説明の要領が改善されたからだろうか。