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何を勉強しているのやら…

試験のシーズンだ。語群から適当な単語を選び[   ]内を埋めよ。
昨年度の試験問題は

末梢神経は軸索の太さ/伝導速度と機能から分類される。分類方法には2つあり、求心性情報を担うという観点から、GI〜GIV(グループI〜グループIV)という分類と、遠心性情報を担うという観点からA〜Cという分類がある。GI〜GIVの中で最も伝導速度の速いグループは、筋紡錘に発し筋の[ 1 ] 情報を伝える[ 2 ] 線維と、腱近傍にある受容器であるゴルジ器官に発し筋に加わる[ 3 ]の情報を伝える [ 4 ] 線維がある。A〜C と分類される線維のうち、A線維のグループはさらにAα〜Aδ線維に分けられる。錘外筋を支配するのが[ 5 ] 線維、錘内筋を支配するのが[ 6 ] 線維である。
語群
太さ 容積 長さ 角度 速度 重さ 力 温度
GIa GIb GII GIII GIV Aα Aβ Aγ Aδ B C

[ 1 ] 長さ (68.4%)
[ 2 ] GIa (89.8%)
[ 3 ] 力 (59.2%)
[ 4 ] GIb (71.4%)
[ 5 ] Aα (58.2.8%)
[ 6 ] Aγ (55.1%)
が正解で、( )内が正解率だ。
今年は順番を変えた

末梢神経の分類方法は2つある。主に遠心性の機能を中心にして A線維〜C線維に分ける方法と、主に求心性の機能を中心にしてGI線維〜GIV線維に分ける方法である。筋の本体である錘外筋を支配するのが [ 1 ]線維で、筋紡錘内の錘内筋を支配するのが[ 2 ]線維である。一方、筋に関する感覚神経には、筋紡錘に発する筋の[ 3 ]情報を中枢へ伝える [ 4 ]線維、腱の近傍にある受容器であるゴルジ器官に発し筋に加わる[ 5 ]の情報を伝える[ 6 ]線維がある。
語群
Aα Aβ Aγ Aδ B C GIa GIb GII GIII GIV
太さ 容積 長さ 角度 速度 重さ 力 温度

正解と正解率は
[ 1 ] Aα (25%)、 GIa と誤った答えを選んだのが 58%。
[ 2 ] Aγ (17%)、 GIb と誤った答えを選んだのが 49%。
[ 3 ] 長さ (54%)、しかし 力(ちから)が15%、太さが8%、角度が8%、なんと温度を選んだやつが一人いる。
[ 4 ] GIa (GIIも正解だが)(46%)いて、何故か[ 1 ]の両方にGIaを選んだのが99名中19名もいる。うーん、矛盾を感じないのか、理解不能だ。
[ 5 ] 力(ちから) (58%)、[ 5 ] に重さを選んだのが21%もいる。力と重さの違いがわかっていないようだ。
[ 6 ] GIb (48%)
実習で末梢神経を電気刺激する筋電図に2つの波形(H波、M波)が発生するという実習を行った。この実習結果を全員の前で発表するということも行った。実習時とは異なったメンバーで新たに発表班を構成して発表させたのだ。この実習以外の発表もあるので1班5名で構成し2クラスあるから、このH波M波の実習の発表担当者は99名中10名いたことになる。どうして2種類の筋電図(筋収縮)が一回の電気刺激で発生するのかは運動ニューロンであるAα線維と筋紡錘の感覚神経であるGIa線維のことを知らないと理解できない。発表するのであるから、実習のときの個別のレポートは友人まかせでも、発表のときはその友人がいないから勉強したはずである。この10名の中の3名が [ 1 ]線維も[ 4 ]線維もGIa線維であると答えた19名の中にいる。発表の準備も人任せなんだな。
なんてこった。あれだけ講義でも説明したし実習ではH波M波発生機序の説明文書も配り、何回も説明したのに、がっかりするね。
昨年度の学生は同様の過去問がなく、勉強して理解していたから正解率が50%を超えていたが、今年は、理解したわけではなく、昨年の過去問の答えの順番を憶えただけなので、問題の順番を変えたらできなかったわけだ。

シラバス改訂

どこの大学でもやっていることで、講義や実習の内容を公開し、学生に供与しなければならない。シラバスというわけだ。毎年、今頃になると来年度のシラバスを書けということになる。内容はそんなに変わるわけがないから、今年度のコピーが予め入力されているページにアクセスして加筆訂正すればいいのだ。
シラバスを書け、指定教科書があるのなら大学で手配するからその手続きを行えという文書がきた。メールではない。
どのサイトにアクセスしたらいいのか、文書にないのだ。で事務連絡等のサイトのxx部署のxx項目に行けとあるだけなのだ。でそのサイトに行くと、シラバス入力マニュアルというpdfが置いてあって、これをダウンロードし開いてようやくどこに行って入力すればいいのかが分かる。
先の事務連絡でも書いたけど、どうして一発でわかるように指示してくれないのかな。
文科省の指示でシラバスを在学生のみならず一般にも公開することになっている。学生には勿論シラバスのあるところが明示されている(のだろう)。学生に聞いてもシラバスを読んだという学生はいない。

STAP現象再現の論文?

Takumi Takeuchi,1 Akiko Tonooka,2 Yumiko Okuno,1 Mami Hattori-Kato,1 and Koji Mikami1, Oct4B, CD90, and CD73 are upregulated in bladder tissue following electro-resection of the bladder, J Stem Cells Regen Med. 2016; 12(1): 10–15. という論文がでた。
Introduction の冒頭に「In 2014, Obokata et al., reported …… pluripotency (STAP).」とあるので擁護する方々が大喜びのようだ。勿論、この後に誰も再現できなかったけれどアイデアには検討する価値があるとするわけだ。序の文章だからね。
膀胱がん患者で、内視鏡手術である経尿道的膀胱腫瘍電気切除術(transurethral electro resection of bladder tumor:TUR-Bt)によりがんの部分を取り除いた後、再度手術部位から組織(がんは含まれていない)を切り取り、免疫組織化学染色を行ったら8例中4例でOct4B(Oct4Aのほうが多能性を示すものでOct4Bはちがうらしい)を発現する細胞が、すべてで間葉系間質細胞(MSCs )を示すCD90と CD73を発現する細胞があり、白血球由来であることを示すCD45を発現する細胞はなかった、という結果です。
膀胱に与えた電気刺激が間葉系間質細胞を集め活性化し膀胱修復に参加したのであろう、というのが考察です。
Not pluripotent stem cells, but the more downstream MSCs may be mainly involved in tissue repair of the bladder. 多能性幹細胞ができたわけではなく、それより分化した間葉系間質細胞が膀胱修復に関与しているのだろう」という結論です。
つまりSTAP現象の再現でもなんでもないです。引用していないけど Multilineage-differentiateing Stress Enduring (Muse)細胞に近いのではないでしょうか?
ちなみにSTAP細胞の引用は例のNatureの論文ではなく、再現できなかったよというAlejandro De Los Angeles,…..& Q. Daley, Failure to replicate the STAP cell phenomenon, Nature 525, E6–E9 (24 September 2015) doi:10.1038 の方です。これからみても、この論文の著者等はSTAP現象の再現だなんて思っていないでしょうね。例のNatureや博士論文では電気刺激はなかったはずだし。
なんでSTAP細胞を序にもってきたんでしょ?MUSE細胞のほうがよかったのでは?でもMUSE細胞と同じかと言われちゃうから引用しなかったのかな?

ワトソンさんも相変わらずのようで

小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会は木星さんが沈殿してどうなることかと思っていたら相変わらずのようですね。
2016年12月13日 STAP事件の正しい理解とは-科学啓蒙についてーのコメント欄では

217. 南青山 2017年01月10日 19:04
しかも、この3年の間に、STAP細胞、STAP現象の実在を傍証する有力な研究発表が相次いでいます。
①アメリカ・テキサス大学キンガ博士らによる「損傷誘導性による筋肉由来の幹細胞様細胞(iMuSCs)」論文(「2015年11月27日)
②ドイツ・ハイデルベルク大学の研究グループによる「JurkatT細胞を用いたSTAP細胞再現実験」論文(2016年3月10日)。
③兵庫医科大の研究グループが、脳梗塞の組織の中に神経細胞を作る細胞(「iSC細胞(虚血誘導性多能性幹細胞)」)があることを発見(2017年1月5日新聞報道)。

「STAP現象が再現された、兵庫医科大学でも明らかにされた」なんて相変わらずです。木星氏や大宅なんちゃらが書いたデタラメ記事を信じているようです。ちなみに①と②はSTAP現象ではないと散々いわれてきてたところですが③が加わった様です。
①とは
Kinga Vojnits, HaiYing Pan, Xiaodong Mu & Yong Li, Characterization of an Injury Induced Population of Muscle-Derived Stem Cell-Like Cells, Scientific Reports 5, Article number: 17355 (2015), doi:10.1038/srep17355
のことで、この論文にSTAPのSの字もでてこない。Obokata, H. et al. The potential of stem cells in adult tissues representative of the three germ layers. Tissue Eng Part A 17, 607–615 (2011).を引用しているが、引用したのはDiscussion の冒頭の「The existence of pluripotent-like cells in adult tissues has been a matter of debate for years, since inconsistent results have been reported by various groups9,10,11,12,13,14,15」で、要するに成体の組織に多能性細胞が存在するか否かは何年も議論になっているという一例で引用しているだけだ。骨格筋が外傷を受けると多能性様の細胞muscle-derived stem cell-like cells (iMuSCs) ができたという論文だ。STAPの証明だといったらKinga Vojnits等は怒るだろう。
②とは
Jee Young Kim , Xinlai Cheng , Hamed Alborzinia , Stefan Wölfl, Modified STAP conditions facilitate bivalent fate decision between pluripotency and apoptosis in Jurkat T-lymphocytes, Biochemical and Biophysical Research Communications Volume 472, Issue 4, 15 April 2016, Pages 585–591
のことで、タイトルにSTAPとあるが、ひと目を引くために使った感が否めず、内容はがん細胞の継代培養LineであるJurkat T-lymphocytesを酸処理したら多能性マーカーである alkaline phosphatase (AP) が発現されたけど、 OCT4 は出てこなかったよという論文で体細胞がストレスで初期化されたわけでもないのでSTAP現象が出現したわけでもないですな。
③とは兵庫医科大学の脳神経外科学 助教 髙木俊範氏の論文で
Nakagomi T, Nakano-Doi A, Narita A, Matsuyama T. Concise Review: Are Stimulated Somatic Cells Truly Reprogrammed into ES/iPS-like Pluripotent State? Better Understanding by Ischemia-induced Multipotent Stem Cells in a Mouse Model of Cerebral Infarction. Stem Cells International, Volume 2015, Article ID 630693, 2015.
などの論文で、脳梗塞で発生するような低酸素に晒すと虚血誘導性多能性幹細胞:iSCs(ischemia-induced multipotent stem cells)が出現し神経細胞やグリア細胞が再生してくるという論文です。当然のことながら、この論文やNakagomi T, Nakano-Doi A, Narita A, Matsuyama T. でPub Med で検索される関連するもう2つの論文にSTAPのS もObokata の文字列もありませんな。STAP現象の再現だなんて言ったら髙木俊範氏は怒るでしょうな。撤回された論文を引用するわけがないですからな。

227. 南青山 2017年01月11日 00:37
無知につける薬はないということですね。
STAP細胞、STAP現象を否定しようとするのはこの手の輩ばかり。
現実を直視できず、自分の頭の中の妄想世界に浸り込んでいるだけ。

んが、現実を直視できない、妄想だけとは自分のことを言っているのか?
久しぶりにあのコメディアン・ワトソン氏がでてきたよ。

212. J・ワトソン 2017年01月10日 13:22
「バカンティ研が独り占め」と言ったのですよ。

おお、さすがワトソン氏、バカンティの発言、“I will go to my grave still being absolutely certain that it’s correct,”(私はまだそれが正しいことを絶対に確信しているから私の墓まで持っていくだろう)をちゃんと憶えていらっしゃるようですな。

バカンティ教授が宣誓供述書提出

栗原潔 氏のバカンティ教授が宣誓供述書提出という記事があった。例の特許の申請だが、とりあえず却下され、これに対する申請者Vacantiからの反論だ。この1月が反論の締め切りだそうで、これに合わせた反論を宣誓供述書として提出したらしい。栗原氏の記事と重なるところがあるけれど、これを読んでみた感想を、成人の日という休日で暇なので書いてみよう。
「結論ありき」…  ブログの2017年01月07日 STAP細胞特許のステータス更新にアクセス方法が書いてある。
The United States Patent and Trademark Office に入って絵にある文字列を入力して「14/397080」を検索し、Image File Wrapperのタブの「01-06-2017 AF/D.132 Affidavit-traversing rejectns or objectns rule 132」がそうだ。Affidavit が 宣誓供述書 という法律用語だ。8ページに渡る文書(imageになっている)だが栗原潔氏がpdfにまとめてアップしているからこれを利用したほうがいい。
1ページからの第1項はVacanti氏自身のキャリアの自己紹介だ。

1. That I Dr.Charles A. Vacanti received a B.A. at Creighton University, and completed his medical training at the University of Nebraska College of Medicne in 1975.

から始まる。自己のキャリアの紹介なので文の主語は I であるべきなのだが、最初の文から his medical training だって。my medical training だろうが。以下、ほとんどの文は I が主語なのだが、ところどころ、「He retired as Professor Emeritus at Harvard on January 1, 2016.」(どうやらハーバードは去年の1月退職したようだ)とか「by his lab」、「In addition, his work ….」など混在していて、この人大丈夫?なんて心配しちゃうところだ。
第3項では、「確かに私はNature論文の撤回にサインをしたが、殆どの著者は(STAP現象の)概念はいまだ有効であると思っている」さらに「私はNatureから、Natureは数人の全員ではないということらしい)著者からの第1著者(小保方)が行ったエラーと潜在的(potential issue)な剽窃(plagiarism)と何枚かの写真のコンピュータによる強調(enhancement)のせいで論文を撤回することになったという宣言を、表明すると言われた。(つまり「Natureから、小保方が不正を行ったと著者らが言っていることを公開すると言われた。」ということだ。)Natureはまた、共著者の多くが(若山氏を除いた著者たちはのことらしい)公開されたデータは信頼できるものであると表明することに承諾した。」と表明している。
わかりにくいけど、Vacanti は小保方のせいだと直接は言っていない。Natureは他の複数の著者が小保方が不正をしたから撤回したといっているのだと言いたいらしい。potential issue of plagiarism とはなんだ?剽窃を柔らかく表現しただけだろ?
第4項では、「実は、項目3に述べたNatureの表明は正しくなく、7人の共著者の一人(若山氏)がデータに信頼がおけないと言っているから、すべての著者はSTAP現象を疑いなく現実に生じたものと言うことはできないとNatureは表明したのである。」と書いてあって若山氏が一人疑っているから撤回しただけだと言いたいらしい。共著者とは第1著者以外の7人だろ?
第5項では、「8人の著者のうちの6人(若山氏と誰かを除く6名だけどもう一人は誰だ?)の見方は論文撤回の理由は論文作成のエラーであって提示されたデータのエラーではないということである。」とあくまでも論文作成時のエラーで、データそのものに誤りはないと主張している。誰かとは、第1著者自身が不正を認めているから第1著者のこと?明らかにVacantiはこの6人の内の一人だろ。[ 追記 20170110 ] 笹井氏という考えもあるようだ(http://blog.livedoor.jp/peter_cetera/archives/11569947.html#comments 26. 一旅人)。笹井氏は捏造だったという再現実験の結果が出る前に発言できなくなったので、また石井委員会のときはエラーだと主張していたから、笹井氏というのは違うと思うけど。あるいはVacantiの間違えで「7人の共著者(筆頭著者を除く7名)のうちの一人=若山氏」と第4項と同じと言いたかったのかもね。
第9項以下では、「human foreskin fibroblasts(HFF cells)を使って、彼の研究室では機械的あるいは低酸素やATPによる酸のストレスでstress-produced stem cellを作ることに成功した」と主張している。
だから、この特許は成立すべきものだと主張しているのだ。
ひどい主張ですな。まともに自分のキャリアを説明できず、論文の撤回は、論文作成時の誤りのせいであって、実験結果に不正はなく、ヒトの細胞を使っての再現実験に成功していると主張するわけだ。
脊髄損傷サルがSTAP細胞で動けるようになったなどと言ったりする、いい加減な男ですな。こういういい加減な男のところで研究したヘンチクリンがこんな大騒ぎを引き起こしたということですね。早稲田、東京女子医、バカンティ研、理研と渡り歩くときに、どっかで引っかかってしかるべきところが、どういうわけかすりぬけちゃったわけで、最初のフィルターである早稲田、東京女子医でひっかかっていたら、PhDでもないボスの研究室でなかったら…とタラレバになっちゃうことになりますな。
[ 追記 ] 2017.1.10
Vacanti の主張が通らないのは;
1)Nature が公表した撤回理由書(Published online 02 July 2014 Corrected online 23 July 2014)に何の異議も申し立ててなく、特許の反論期限になって、あのNatureの発表はおかしい、当時Natureから言われたこととちがう、などと言っている。何故、2014年7月に異議を唱えなかったのか。
2)論文にもなっていない実験結果を根拠にするな。脊髄損傷サルで実験しているなんてことほざいていたよね。
3)理研の桂委員会の報告、検証実験の失敗を無視するのかよ。

記憶にない

管理者のようなジジイのとっては「記憶にない」というのはしょっちゅうだ。酒を飲んだときは……当然ですな。
20代、30代の諸君にあっては、このようなことはあってはならぬこと、たとえ宴会でアルコールがあっても、ならぬことです。と酔っぱらいは若者に説教するわけですな。別に説教しなくても20代、30代では残っているもので、関係ないですな。
で若者は、「うるせいジジイだ、おまえらの年金は俺たちが支えているんだ、文句を言うな」というわけですな。
ま、文句を言うのならちゃんと年金を納めてから言えと、ジジイは反論するわけだが…  多分、多くのジジイ、ババアはあと余命何年あるかわからないけど、その余命分とはいわないけどかなりの部分の年金を国に収めているのではないでしょうか。きっと1500万円位は年金とした国におさめているはずで、定年後10年分位は払っているのではないかと愚考するわけだ。それ以上は….
ま、そういう暗い話は別にして、理研のいわゆる桂報告書を読んでいたら、細胞増殖率測定のグラフの件で筆頭著者は「ES 細胞については、記憶がない(p17)」だそうで、つまりSTAP幹細胞の増殖速度を調べるのに参照としてES細胞も調べたわけで、30歳そこそこで実験した記憶がないとはどういうことだ? かの、有名な実験ノートにも記載がないわけで、どう考えたって、筆頭著者の行動からみると、「わかっていることは新たに実験しない」ということなんだろうね。
いつ実験した?ときかれて「記憶にない」て、管理者のようなジジイならいざしらず、30歳前後の記憶障害のない方の発言て、かなり恥ずかしいことではないでしょうか。

あけおめことよろ

さって、新年早々だから、アルコールの勢いを借りて喚くわけです。あ、アケオメコトヨロね。
なんでニューイヤー駅伝のTV番組が7時半からなのに、スタートは9時なんだ、だまされた、なんていいつつ、お屠蘇と称する薬ではない日本酒を飲んでいるわけですな。あ、日本酒(とは限らずアルコールですが)を飲むと直後に血圧はきちんと下がりますので高血圧症の方には薬かもね。
どうやらSTAP問題は「ES細胞だった」で結論がついたかと思いきや、そして木星こと上田氏がリタイアしたのにもかかわらず、相変わらず、「若山氏が小保方氏がら渡されたSTAP細胞をES細胞にすり替えたのだ」と主張される方々がいて、極めてlocalに騒いでいますね。
小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会2016年12月13日STAP事件の正しい理解とは-科学啓蒙についてー

108. 南青山 2016年12月31日 23:03
①小保方氏は、多能性細胞特異的分子マーカーの発現したSTAP様細胞塊を作製した。
②若山氏は、①から胎児と胎盤を作製した。
③若山氏は、①からSTAP幹細胞とFI幹細胞を作製した。
ここまでがSTAP細胞論文2報で述べられていることです。
①に関しては、Tissue誌の論文や、理研の検証実験、「STAP HOPE PAGE」などの資料によってほぼ事実と認定できます。

というのが最近の擁護派の主たる主張で、要するに「小保方氏はSTAP細胞を作成した。そのあとのことは若山氏が行ったことだから、STAP幹細胞がES細胞だったとすると、それは若山氏の操作の結果だ。」というわけですな。
あああ!どじった。ローストビーフ作成にオーブンレンジを使い始めちゃったので、

お燗ができない。ま、冷でもいいや。この肉塊の中心部の温度が40度になったらオーブンから出すのね。そうすると、30〜50分後(肉の大きさによって違う)に最大の60度になるのさ。その後冷えていいくので冷えてから切って、召し上がっていただくのね。冷えないと薄く切れないからね。詳細は別記事ね。
で、擁護派としては、ES細胞であったという桂委員会報告を認めると、若山氏が混入・入れ替えを行ったとしか主張するしかないわけです。報告は科学でないと主張して認めないとする方もいるようですけど、それはいいがかりで、調査報告書は科学論文ではないですから論文と同じようにはいかないですな。どうして、こうなったかはわからないけど、こうだったと報告するしかないですな。どうしてが報告されていないと言われても、それが目的じゃないので、文句はいいがかりですな。
桂報告書はでたらめだという方もいるようで、このような方の議論の根拠は「あの日」なのですな。第三者の報告書でなくご当人の著作が正しいという主張には、共鳴箱にいる方にしか通用しないでしょ。
ご本人が検証実験で思うようなデータが出ず理研の職員としてSTAP現象に再現がなかったことを「困惑している」と公式に否定している(2014.12.19)のに、私小説では「緑に光った細胞を見てもう一度この子に会えた(あの日218ページ、2016.1.28)」「私のパートのSRAP現象は確認できた(同220ページ)」なんて言うのはどうなってんでしょね。ここで私のパートは出来ていた、再現したなんて書くもんだから「あの日」を聖書としている方々は信念を曲げないのでしょうね。
上記の南青山さん(こいつが、あのブログの消しゴム役の一人で、自分の意見と異なる意見をすぐ削除しアク禁にするやつだ。そのくせ、ツイッターでは「沈黙はファシズムの承認」なんて名乗っている。異なる意見を排除しておいて沈黙とはなんだ??てめーがファッショそのものだろうが!)は、小保方氏はSTAP細胞を作ることができたというのが当初からの主張で、最近は若山犯人説を強調しているようです。Tissue誌の論文のいい加減さの指摘を認めることもなく、理研の検証実験ではできなかったという公式結論を認めることもなく、「あの日」の記述を信じて疑うこともなく、「STAP HOPE PAGE」 を信じているんですな。小保方氏のNature論文以前の論文のデタラメさも認識できていないかわいそうな方です。
一方、この南青山と意見を同じにする 闇祓い 黒いカウンセラー さんは当初は、(微笑、(苦笑、など語尾につけて上から目線でコメントをしてました。この方の主張は、結局なんだかわからない、言葉のお遊びに終始していたのですが、最近は、もろに擁護の意見を述べているようです。結局、なんだかんだと言っていますが、この方も、結局だまされたかわいそうな方なのではないでしょうか。

出勤しちゃいけない

さって、年末年始の休暇に突入したわけですが、なんと、管理者の勤務する大学では29日〜4日は大学に来てはいけないといわれました。怠け者の管理者にとっては、当然と思うところですが、会社ではなく大学なんだからと研究者・教員の仮面を急遽かぶることにして、大学に来て研究や講義・実習の準備してもいいじゃん と思ったりするところです。
年末の冬休みになって御用納めの28日までの数日は大学に来ないから有給届けを提出たら、学部長に笑われたのは数年前でしたな。
それ以来、管理者の性向から当然のごとく行動は安易な方にどんどん流れていくわけで、年末年始の休暇は、カレンダー以上の長さに設定するわけですな。
それでも、貧乏人根性は変わらないので、誰も来ない大学に出勤して仕事をするのですが、個別暖房を誰も使わないもんで、建物が冷え切っちゃって、お燗した酒の消費量が増えるわけです。
なんでこんなことを書くかというと、今日29日から年明けの4日まで、毎晩は勿論、朝も酒びたりになるつらい日々になるからで、今日はその第1日の夜で、酒びたりだからですな。
それでは、皆様、良いお年を!
我が肝臓も頑張れ!

ちと考える問題を出したら

普通の大学は講義は90分単位でおこなわれる。うちの学生は90分もたない。今年の学生は30分位経過すると半分は寝ている。1限目の講義で、昼休み直後の講義ではないので、お腹が一杯になったからではない。例年、こんなに寝る学生はいなかった。今年だけだ。来年もかも。
実習レポートの考察部分のみメールに添付して提出しなさいとしている。レポートのコピペを判定するソフトを使うために電子ファイルが必要だからだ。その締め切りは講義前日の21時だ。以前は24時だったので、真夜中にメールをしてきたわけで、これでは翌日の1限目が眠くなるだろうからと21時にしたのだ。それでもよく寝ている。締め切りが24時のときより寝ている学生が多い。
講義終了時に小テストを実施している。その講義のポイントとなる10問を4肢選択のマークシートで答えるのだ。ついでに講義のアンケートも実施する。今回の講義は興味をもてたか?次回の講義は楽しみか?などだ。そのうちの一つに、成績に関係しないから正直に答えてちょうだい。講義中寝た?の答えが下図だ。

ま、そうだろな。講義中の観察結果とほぼ一致している。管理者のようなジジイの講義は内容はともかくつまらないのだ。全く同じ内容を若い教員が行うと、こんなに多くの寝る学生はでてこない。
講義はパワポで実施するわけで、板書より情報量が多くできるからで、パワポのスライドと同じ図を配布資料にしないとまずいわけだ。配布資料には文書を少なくし、図の余白などに講義中書き込んでもらいたいわけだ。そのため、ゆっくり、繰り返し喋るわけね。
今回はホルモンの講義で、甲状腺ホルモンの作用については、配布資料には、代謝活動を高める、その結果体温上昇が生じると書いておいた。で、小テストで、国試でよく出される問題を改変して;

甲状腺ホルモンは
1.体温を上げる
2.代謝活動を抑える
3.酸素消費量を上げる
4.1と3

どれでしょ?
4が正解なわけなのだが、正解率は12%。資料には選択肢1の記載があるから、寝ていた学生でも資料を見ながら答えていいので、1を選択した学生(55%)が多いのはうなずけるけど、2を選択した論外の学生も28%もいるのね。3はあえて講義では説明しなかったのだが、代謝活動を高めるということから推測してほしかったのだ。うちの学生はこんなもんなのだから、あえて解説しなかった項目を選択した正解者が12%もいたことを喜ぶべきなのだ。
推察できること・派生することまで講義で述べると、情報量が多すぎてだめだし、教えたって憶えていないのに、触れないと国試に出るのに教えなかったと言われるし… どうしたもんだろ。
4年生は、1年生のときに配布された資料を見ているというから、教科書代わりにいいとおもっているんだろね。入学時の「勉強の仕方」という大学にはあるまじき講義があって、その際、配布されたプリントは見開きノートの左側のページに貼り付け、右側のページは空白でもいい、講義での解説、自分で調べたこと、疑問点等を書くのだ と教えた。講義は国試の過去問もある程度考慮して行っているので、もし、この方法を実行していれば4年次の国試対策のときに、教科書となって便利になるはずなのだが。

ガンガンに抑制された反射

前庭動眼反射という反射がある。前庭器官の1つの三半規管は頭の回転(正確には回転加速度)を検知している。
我々人間は、五感のうち視覚情報に最も依存している。網膜に来る光情報が意識して生活しているときに最も重要なのだ。網膜の解像度は均一ではなく特定の部分、中心窩と呼ばれる部分が最も高い。ここの解像度が、検眼のときの視力になる。ちょっと外れた網膜での視力は1/10とかになってしまう。しかし我々は全視野が同じような解像度で見えているように認識している。それは、目がキョロキョロ動き、外界にある物体の位置関係を頭の中で再構築しているからである。実は中心窩を外れた部分へ到達した光の情報はぼやけてるわけだが、目玉がキョロキョロ動き視野周辺の物体を認識して頭の中で再構築しているから、視野の周辺の物体に視線を向けなくても(過去に向けていたことがあったから)その物体が何であるかが認識できているのだ。
ということは、注目すべき物体は常に網膜の中心窩に結像している必要がある。ところが、頭はしょっちゅう動くわけで、頭が動くと注目すべき物体の像はすぐ中心窩からずれてしまうわけだ。これでは、困るので、頭が動いたら、それとは反対方向に素早く眼球を動かすことによって注目すべき物体の像が中心窩から動かないようにしている。これが前庭動眼反射だ。眼球は頭蓋に比べ小さく軽いのですばやく動かすことができるのだ。
頭が右に回転すると、頭の骨に埋没している三半規管が同じ回転となり、その回転を三半規管が検知し、この情報で眼球の回転を行う外眼筋を反射性に収縮・弛緩させて眼球を左に同じ角度だけ回転させるわけだ。脳幹に中枢があり、反射で無意識に常に行われているわけだ。
最近は誰でもスマホを持っており、スマホには動画撮影機能があるから、視聴者情報とかいって、素人さんの撮影したスマホ動画がTVニュースに頻繁に出てくる。事件現場にニュース撮影スタッフが居ることはめったにないからな。そのような動画は、手で持ったスマホがぐらつくので、画面がグラグラ揺れて不快である。しかし肉眼で見ているときはグラグラ揺れることはない。前庭動眼反射のおかげだ。カメラにはそんな機能がないからな。せいぜいほんの少しの動きをキャンセルすることができる手ブレ防止機能だけだ。だからプロのカメラマンはカメラを動かす必要があるときはものすごくゆっくりと動かすのだ。画面が揺れると何故か不快な感情になるんだよね。
この前庭動眼反射は、他の反射同様、上位中枢からの影響を受け、抑制されたり、より正確に動作したりすることになる。その例がこれだ。

EOGで(頭蓋内の)眼球の回転を検出するわけだ。図の縦軸は+(上方向)が眼球が右回転、ー(下方向)が左に回転したことを示している。
横軸は時間である。被験者は自分で首を水平に左右20度程度、この図の左端より前から右端まで、繰り返して振っている(頭を左右に回転させている)。このとき、ストローのような軽い真っ直ぐな棒を口に加える。ストローの先端には「まち針」が立っており、この「まち針の頭」注視しているのだ。つまり頭の左右の繰り返し回転と注視すべき標的は全く同じ回転を繰り返しているのだ。
頭が回転するが、まち針の頭も同じ回転をしているので、まち針の頭を注視するためには眼球は(頭蓋内で)回転してはいけない。しかし、前庭動眼反射は状況に関係なく頭が回転したら眼球は反対方向に回転するように動作しているのだ。つまり、まち針の頭を注視するという上位中枢からの命令とは、この前庭動眼反射が生じないように抑制することなのだ。
これが見事に示された例が上の図だ。実習のある班のデータだ。左半分は開眼してまち針の頭を注視している状況だ。眼球は大まかにはほとんどうごいていない。しかし、細かくギザギサに動いている。このこまかなギザギサは斜め上に上がって急に下がるあるいは逆の形の三角形の二辺の形である。この急に変化した部分でそれぞれの三角形の二辺を切り取り隣り合わせに貼り合わせると赤矢印で示したような波になる。つまり眼球は前庭動眼反射でちょっと回転するがすぐもどに戻されていることがわかる。
全ての例でこのようなギザギザが連続して出るわけではない。中にはほとんど見えない例もあるが、時々、この三角形が見えたりしている。
ここで目を閉じたのが右半分で、もはや注視する標的がないので前庭動眼反射がもろに出現し、頭の左右の回転とは逆の回転が発生している。
と、昨日の、レポート提出締め切りの直後の講義で説明したのだが、理解してくれたかな?
振り子を見ていると、眼球運動はスムーズなサイン波になるが、目をとじるとサイン波にならない という結果もあったよね。
これらの実習から、反射は容易に上位中枢からの影響を受けているということが理解できたかな?
上位中枢が脳梗塞等で障害されたとき、反射がよく出るという現象を、これから上の学年で習うんだよ。
[ 追記 ] 2017.1.13
耳鼻科の先生に聞いたら、これほどはっきりした小さな眼振があるのは、ひょっとしたら何らかの異常があるかもということでした。しかし、もはや、この被験者は誰だったかわからないわけです。探してみますけど。]]>