大学での教員のお仕事

教員の大学での業務は教育(講義、実習、演習)と研究と管理の3つだ。大学は2ヶ月位の夏休み、2週間位の冬休み、1ヶ月位の春休みがあるから教員は暇だろなんて誤解されているのは、大学の先生は授業しかやってないと思われているるからだ。
しかし、その当の大学教授と思われる一研究者・教育者さんが、「若山氏が山梨大学から神戸の理研に出かけて検証実験に参加するのはスケジュール的にできないのでは」という516.えりさんのコメントに対し、

543. ブログ管理人 2017年03月02日 13:16
「516. えり」さん
山梨大学の授業時間割(https://www.yamanashi.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/H28_seimei.pdf)を見ると、若山氏は「再現実験」が行われた10〜11月(後期)は月曜日に単独の講義と共同での実習程度しかありません。金曜日に「生命研究倫理学」の講義がありますが、他の方とのオムニバス授業なので、この期間は他の方にやっていただくことは可能です。授業の時間割は今年のものですが、例年あまり変更はないので、当時もおそらくこの時間割だったと思われます。
つまり、土曜日夜に山梨に戻って月曜日に講義や実習を行えば、火曜から土曜日までフルに実験することは可能だったようです。

なんてコメントするからおったまげた。どう考えてもこの一研究者・教育者さんは教授クラスで、このくらいになると、講義だけでなく大学管理業務をかなりやっているはず。やってないとしたら学部内で管理業務をこなせないと思われ、干されているのだろう。最低でも、毎週1、2回のなんかの会議があるはずで、もしその会議の議長のような地位にあったら、会議の準備、根回し等かなりの時間がかかる。一研究者・教育者さんにはこのような業務がないのかな?国立大学だったら、月1の教授会は金と人事が絡むから欠席できない。だから若山教授のスケジュールが講義だけで埋まっているわけではないはないことが推測できるはず…
講義だって、昔の文系の偉い先生は黄色く変色した大学ノートだけでできたけど、今どきそんな教授はいないだろう。それなりに準備や、学生に配布する資料の作成(コピーは秘書とかにやらせるかもしれないが原稿が必要だ)しなければならないから、カリキュラムの時間割の時間だけ縛られているわけではない。特に、若山氏は山梨大学に新任なわけで、講義の準備にはそれなりに時間がかかるはず。それともこの一研究者・教育者さんは変色した大学ノートだけで講義しているのかしらん?医学生物学系ではありえないね。さらに大学院学生がいるだろうから週1回は研究室(あるいは他のグループと合同での)でのプログレスレポートとか論文紹介とかのミーテングとかの時間があるはず。
というわけで、火曜日から土曜日までの週5日、フルに実験できる教授なんてありえないだろう。助教や講師ならいざしらず、ですね。大学の教授で週5日フルに研究できる環境にある方を知らないな。日本の大学のシステムでは教員が大学管理業務をかなりやらないといけないので、これを免除する教授ポスト=研究専従=なんていうポストがないわけではないけど、それでも週5日研究三昧の教授ポストなんてないとおもうけど。
と、この記事をアップする前に、再度、このブログに行ったら、ロッソこと在米ポスドクさん(567. ロッソ 2017年03月03日 04:27)が、山梨大学の当時のカリキュラムを見つけて、もっと講義があった、いいかげんな資料で推測するな と叱っているね。

「大学での教員のお仕事」への18件のフィードバック

  1. 2016年度のシラバスをもってきて、2014年度のものとするのは、勝手読みもいいところです。在米ポスドクさんに一票。

  2. >一研究者・教育者さんにはこのような業務がないのかな?
    いや、たくさんかかえられてますな。
    だから体調を崩されるのだ。

  3. ご自分が以前書かれた事と背馳したり、論理的構造上”常連の投稿者中かなりの方の論議を笑殺すること”になりかねない論難を行ったり、論理的に複数のコメントを繋ぐと、ある論者に対する評価が”自分よりもはるかにレベルが高い人の事を理解できずに、「緻密な思考」で持論を展開する、私から見ると滑稽に見えることをする人”となる事など、ブログ再開後はパタフィジシャンモード全開です。本件もその新たな例でしょう。
    再開早々にパタフィジシャンにならないようご注意を、と遠回しに書き込みましたが無駄でした。

  4. 科学誌印刷業者さま
    当然ですよね。たくさんかかえていらっしゃるのは。
    こちらの管理人さんの言葉は反語でしょ、勿論。
    明示しないながら国立大学の理系教授だと背景をわからせていらっしゃいますから。
    だとしたら、何故にあのようなコメントを書くことができるのか?
    ”研究者、大学人にありがちな世間知らず、独尊体質” と世間でよく言われる事に頷きながら、所詮他人事と時々覗く場とするしかないのでしょうね。
    それにしても、訳わからないのが喉の棘。
    以前のブログの残照が未だにあるので(それも、あまりに目に余るコメントの数々が続くのでそろそろおしまい)、惜しい場だったわ、と考えたりもします。

  5. 筆頭著者の精神状態はすごく配慮するのに、若山先生の精神状態には全く思いを巡らせないのはアンフェアでないでしょうか?笹井先生のことがあったとき、若山先生は全身がブルブル震えて言葉が話せないほどの状態だったと報道され、その後若山先生がカウンセリングを受け始めたことも報道されていました。後で判ったことですが、それほどSTAP論文に深入りしてなかった丹羽先生ですら周囲から入院を勧められるほど体調が悪化した状態で検証実験を続けていたと報道されました。この事から若山先生がどれだけ精神的に追い詰められていたか想像できようというものではありませんか?とても冷静に再現実験ができるような状態ではなかったと推察します。論文撤回の文書を巡るゴタゴタでも、若山先生ご自身が決して平常な精神状態ではなく混乱している様子が見て取れました。にも拘らず若山先生に自分達の願望で、あくまで過大な要求を突きつけて、自分達の思い通りの行動をしなかったからと言って非難中傷し続けるのは、教授として以前に人間性を疑います。

  6. アノ姐さん
    そのアンフェアさが、澪標さんの2/12コメントでの伏線とか、今回3/4の(より直截な単語を使って)コメントとなっているという事では?
    でも当該ブログ主さんは、その他者からの諌言的なコメントは ”見ていない、読んでいない=読み流して理解していない” に全部♪
    彼の ”高邁なご高説” を読んでしまって未だ残る、喉の棘や苦い味を、こちらの管理人さんが、食材として取り扱ってくだされば喉もスッキリ、味蕾も戻るというものなのですが。

  7.  なんで、あなたがたが、若山博士がご自身の意思で情報発信しなくなったと言えるのかさっぱりわからない。
     議論に熱中するあまり、前提となる事実関係の確認がおろそかになってませんか?

  8. 科学誌印刷業者さん
    これは異なことをおっしゃいますね。若山先生がご自身で発信しなくなったなどと言った覚えはありませんが。STAP騒動は、不正が認定され処分が行われそれを当事者たちが受け入れて決着した問題ですよね。それを蒸し返しゴネて騒ぎを起こしているのは筆頭著者であり、若山先生が手記に反論しないとか、再現実験に参加しなかったのはけしからんと喚いているのは擁護者たちと一研究者のブログ主の方ですよね。決着した問題問題に若山先生が答える必要は全くないと思っていますし、いつまで外野が喚いていても意味がないと思っています。ただ、若山先生に対してあまりにも酷いコメントが続いているのでつい反論してしまうだけです。

  9. 科学誌印刷業者さん。澪標です。
    「あなたがた」とあるので反応します。
    こちらを含め、いろいろなサイトで澪標名で書き込みする際、「若山博士がご自身の意思で情報発信しなくなった。」と明言した覚えも、措定した覚えも、ございません。
    私の知見範囲を超えた推測・臆断をいたさぬよう努めております。もし上記のご指摘を含意する私の発言が御座いましたら不明のいたり、是非ともご教示願いたく存じます。

  10.  されば、若山博士の当時の業務負担状況の議論に参加なされる前に、その前提を相手側に確認なされるべきでしょう。
     関係者の自殺、しかも遺書にマスコミ報道が触れられているという事態を受けて、山梨大学が一方の当事者のその後のマスコミ対応について何も手を打たなかったとしたら、小生はその危機管理体制を軽蔑するだろう。

  11. 科学誌印刷業者さん 澪標です。
    私のコメントは「一研究者・教育者」さんの論理展開の危うさを指摘したものです。(当該エントリーでの最初のコメントは論点変更、二回目のコメントは格率化した「一般命題」の適用範囲とその含意について)
    若山博士の意思云々に言及した覚えも、若山博士の検証実験参加への是非についても言及した覚えもございません。
    私に不明な点が御座いましたらご教示方、重ねて願います。
    私の論点ではありませんが、山梨大学が何らかの管理行為を行い、組織人としての若山博士は従う。大規模組織に属してマネージメントを行った経験があるものとして、極めて常識的な推測であると存じます。 為念。
    さらに蛇足ですが、
    http://www3.riken.jp/stap/j/i3document21.pdf
    第14ページをご参照ください。
    若山博士の参加についての議論に私が全く興味がない理由が、明哲な
    科学誌印刷業者さんにはご理解できるとものと存じます。
    ➡議論そのものが組織論を抜きにした机上の空論と考えていますので参加する気になれません。

  12. 澪標様、
     私たち納税者としては、税金を使って仕事をなされる大学教員の方々に対して、直接指示できない以上、いかに有効に働いて頂くかを考えるしかない。
     働く内容は、まさにこのエントリーの冒頭で示されている通り「教育・研究・管理」ですが、彼らも人間である以上ある程度考えが偏ることも、誤解することもあるだろう。
     「研究」なんて、誰もこれまで知らなかったことを追求する仕事なので、「暴走」と「画期的なアプローチ」は紙一重になる。一方「管理」や「教育」では暴走されたらたまったものではないので、うまく頭を切り替えてもらわないといけない。
     小生の経験上は(何も相手が研究者に限らないが)、露骨に論破するよりも、相手をして気づかせるようなやり方が、結局てっとり早い。
     まぁ半端な学生たちを教育するよりは、はるかに扱いやすいから、上手に公僕を使役しましょう。

  13. 科学誌印刷業者さん、コメントをする場所を間違えられたのね、と思っていたのですが。
    こちらへの書込みで良かったのですね。
    私もこのエントリーにコメントをした他の方も、誰も「若山博士が自分の意志で情報発信をしなくなった」と言った記憶も聞いた記憶もなかったものですから。記憶間違いはありえますが。
    組織人であると自分の意思と組織の判断・指示とが、常に同じであるとは限らないという事は自明のことですから。
    書込み場所の間違いね、と思ってしまっていました。
    どうして業者さんは、私を含めた他の方が、そう考えていると判断なさったのでしょう?

  14. 科学誌印刷業者さん 澪標です
    直接のお答えではございませんが、私の意図はご理解いただけたと判断するに十分なお答えを頂きました。有難うございます。
    余談ですが、ご開陳の意見には同意致しかねます。理由は単純です。近代日本の宿痾である小天皇の跳梁跋扈の主たる原因の一つが操作と甘やかしにあると考えるからです。そのためには論理を突き詰めつづけることが必要と考えております。なに情念が渦巻く支配の構造が嫌いなだけです。

  15. ああ、入れ違いでしたね。
    業者さんどうなさったのかしら。いつもの業者さんらしくない書込みをされるなんてと心配していたのです。
    独断的な推断をされる方ではないのに、と。
    私と入れ違いでの書込みはいつもの通りになっていらしたので安堵しました。
    えっと、独り言になるのかも。
    特に業者さんの書込みへの返信ではありません。業者さんの書込みの文言を使いますけど。
    「税金を使って云々」、「上手に使役する」と業者さんがおっしゃるのは理解はできますが、情の部分ではちょっと引っかかるのですよね。
    他の方でも、事ある毎に「税金で研究しているのだから」と言う言葉を正に枕詞的に使う方々がいらっしゃるので。
    税金云々は、生活している以上、払いもするし恩恵を受けもする。
    大学教員だから、公務員だからとは限らない。
    私が時々こちらのプログを覗いたり、書込みをさせていただいたりするのは、こちらが居心地が良いから。
    管理人さんの人間性も垣間見られるようなエントリーに、時には涎を流し、時にはスカッとし。
    肩肘張らずにくつろげるのですよね。
    管理人さま、今後ともスカッとするエントリーよろしくお願いいたします。

  16. はな様、
     いや、小生もいささか先走ったかもしれない。
     検証実験(理研が理研として世間に実験事実にゆるぎないと言ってしまったことの後始末)にしろ、その後の情報発信にせよ、再現実験(研究不正の調査の一環としてなされるもの)にせよ、若山博士の自由意思でやる/やらない、参加する/しないが決定できたかどうかわからないものに、若山博士の矜持であるとか勤務状態を議論する不自然さを理解していただきたいと思って、その内の「情報発信」という表現を使いました。それだけです。

  17. 科学誌印刷業者さん
    当該ブログでのブログ主さんの最初のコメントに、国立大学教授の業務内容をご存知の筈なのに、なんとも乱暴至極なと思いました。
    そして、一旦はこらえたのですが、ついつい書き込んでしまいました。
    勤務状態を議論する不自然さは最初に持ち出したブログ主さんに感じましたが?
    後略(あと、他にもつらつら書いてしまいましたがこの場では相応しくないので 後略^^)

  18. あ、追伸です。
    >半端な学生たちを教育するよりは
    こちらの管理人さんは、結構言葉が悪くはありますが、長くコメントを読んでおりますと一貫して学生さん達に対して真摯に向き合い教育を授けていらっしゃる事を感じます。
    愛情を持って、と言いかえると言い過ぎでしょうが。
    そういう意味で、”半端な学生””教育するよりは” という語句は誤解を招くおそれがありますので、お使いにならないで頂きたいものです。
    教員に対してならば、ご遠慮無く。私も使わせてもらいます。
    なんといっても教員はプロ、専門家ですから。

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