「研究」カテゴリーアーカイブ

OpenAI/ChatGPT 学とみ子の英文・学生レポート

ChatGPT が何かと話題になっている。当ブログでもシュレディンガーの狸先さんの記事が話題になった。

いくつかのキーワードを含むような文章を入力して、作文してもらうとかができるわけだが、さらに進んで、自分の書いた英語を、もっと文法的に正しい英文に変換してもらおうということもできるというChatGPTを使って論文の英文校正をする記事を見つけた。日本語で書いた文章を機械翻訳し、さらにChatGPTでより正しくなるかわからないが、もう少し良い英文に変えてみるなどということができるかもしれない。
学とみ子の書いた英文で試して見た。学とみ子の英語は太字です。その前の文章はChatGPTへのお願い文章です。お遊びです。

I want you to act as an English translator, spelling corrector and improver. I will speak to you in any language and you will detect the language, translate it and answer in the corrected and improved version of my text, in English. I want you to replace my simplified A0-level words and sentences with more beautiful and elegant, upper level English words and sentences. Keep the meaning same, but make them more scientific and academic. I want you to only reply the correction, the improvements and nothing else, do not write explanations. My sentences are “In Katsura’s investigation report, despite the lack of evidence, the result was the adoption of the ES contamination theory. ES contamination theory cannot explain many STAP experiments in the retracted Nature article and letter papers by Obokata et al. both.
But ES contamination theory is just one of the hypotheses. This is because the examined facts were limited and far from the solution of the entire STAP case.

ChatGPTの出力は
「In Katsura’s investigative report, notwithstanding the paucity of evidence, the outcome was the espousal of the ES contamination hypothesis. However, the ES contamination hypothesis falls short in elucidating numerous STAP experiments expounded in the rescinded Nature article and correspondence papers by Obokata et al. Furthermore, it is imperative to note that the ES contamination hypothesis constitutes merely one of the conjectures. This is due to the circumscribed scope of the scrutinized facts, which remain distant from resolving the complete STAP predicament.」

使った英文に、内容がないのので、あまりよろしくない*ので、この試みは良い例とはえないが、ChatGPTの出力はより英語らしい雰囲気に変わっているようだ。
*:the ES contamination hypothesis、ES contamination theory:学とみ子の主張はES細胞を誰かが混入させたというのがESねつ造設なわけで、ES細胞が混入したというのは説ではなく事実であるから、学とみ子の主張を示すような英語でなければならないのに、そうはなっていない。「despite the lack of evidence」と学とみ子は書いたが、ES細胞の混入自体は証拠があるからこの文章は誤りである。ES contamination で主要な結果であるキメラ、幹細胞、テラトーマは説明できているわけなので、学とみ子の書いた英文そのものの内容が誤りだからね。

”I want you to replace my simplified A0-level words and sentences with more beautiful and elegant, upper level English words and sentences.”という指示が、よろしくない場合があるというので、これを覗いて実施すると
「In Katsura’s investigative report, despite the absence of conclusive evidence, the ES contamination theory was ultimately adopted as the explanation. However, it has been noted that the ES contamination theory fails to account for numerous STAP experiments presented in the retracted Nature article and letter papers authored by Obokata et al.
However, it is important to note that the ES contamination theory is just one of several hypotheses, as the examined facts were limited and fell short of providing a comprehensive solution to the entire STAP case.」
となり、こっちの方がシンプルな英語になる。

さらに、ChatGPTに依頼する文章が長すぎるので、「Could you please convert the English sentences in the following ” ” into a grammatical but better and more sophisticated English sentence? “”」ともっと簡単にしたら
「Despite the absence of conclusive evidence, Katsura’s investigation report led to the adoption of the ES contamination theory. However, this theory fails to account for a significant number of the STAP experiments described in the retracted Nature article and letter papers by Obokata et al. Moreover, it is worth noting that the ES contamination theory is merely one among several hypotheses that have been put forward to explain the STAP case. This is because the available data for analysis were limited and did not offer a comprehensive solution to the case.」
と返ってきた。2つ目とほとんで同じようで、より英語らしく見える。

科学英語ではあまり使われない「notwithstanding」「expounded」がでてこない。この後の2つの英文のほうが、学とみ子の英文より「めりはり」のある英文らしい英文となるのがわかる。たとえば、「ES contamination theory cannot explain many STAP experiments in the retracted Nature article and letter papers by Obokata et al. both.」は「However, it has been noted that the ES contamination theory fails to account for numerous STAP experiments presented in the retracted Nature article and letter papers authored by Obokata et al. 」と学とみ子が使えない however あるいはmoreoverを使って論理を作っているし「in the retracted…」を「 presented in the retracted」あるいは「described in the retracted」とより明確になっている。

話はかわるけど、学とみ子はAI頭脳の作製に参加したしかるべき人たちは「ESねつ造」とか「大阪弁」を入力していると思っているんでしょうね。

閑話休題
学生実習のレポートでは実験結果の説明をする必要がある。そこで当方が行っているある実習で学生が説明すべきことを入力してみました。学とみ子の日本語文章と同じように学生レポートの文章には意味不明な文章がでてきますからね。

「誘発筋電図でM波が出現するとH波は何故小さくなるのでしょうか?」とChatGPTに入力してみました。
その答えは
「H波は、運動ニューロンが反復的に筋繊維を興奮させることで生じるもので、M波は、外部からの神経刺激によって発生するものです。M波が出現すると、運動ニューロンからの神経刺激が増加し、筋繊維がより強く収縮するため、H波の振幅が小さくなります。また、M波とH波は共通の反射経路を通って発生するため、M波がH波の出現を妨げる可能性もあります。そのため、誘発筋電図でM波が出現すると、H波の振幅は低下することが観察されます。」
でした。

内容は間違いですが、学とみ子の書く文章とは異なり文法的には正しいのでこんなのがレポートにあると添削するのも面倒になります。学とみ子文章は実際に意味不明だから「意味不明」と書きます。つたない文法的に正しくもない文章から主張を推測して反論するとスピンしたと返ってきます。厄介ですね。面倒だから主張を推測することなく「意味不明」で切り捨てると学とみ子は「すでに説明した」と主張するからもっと厄介なことになります。

学生もしばしば意味不明な文章を書いてくるわけですが、その文章が文法的には正しいと、単純に「意味不明」と赤線で添削しておしまいというわけにいかないでしょう。言いたいことを推測できないから「意味不明」で切って捨てちゃうことがあるわけですが、文法的に正しいと内容の誤りをひとつひとつ訂正しないといけないことになるわけで、面倒ですね。問題は、AIの作った文章に再現性がないことです。全く同じ文章を入力しても、敵は、ふらつきもあるし、学習しているので、少しずつ異なった文章が返ってきます。だからAIで作った文章だろと突き詰めることができなくなる可能性があります。友人のレポートのコピペは全く同一で、すぐわかって証拠になりますけど、AIで作成したかどうか判定しにくくなります。願わくば学生が使わないことですけど誰かが気がついてレポートを書くと、すぐに広まりますからね。

ところが、同じ悩みを持つ方が、ChatGPTに学生の文章をChatGPTが作ったものかときいてみたら99%そうだと返ってきたらしい。

そこで「以下の「 」内の文章はChatGPTで作った文章ですか?」と、上の例を入力してみたら、なぜか英語で
「Yes, the sentence “H波は、・・・・観察されます。” was generated by ChatGPT.」と返ってきた。
判定できるかもしれない。[ 追記 ]コメントにあるように、全く同一の入力に対して異なった文章が返ってくるし、その返ってきた文章がChatGPTが作ったのかと聞くと、返ってきた方(PC)が聞くと yes といい、そうではない方(PC)が聞くとno と返ってくることがあるので、簡単には判定はできないようだ。

追記。もう少しきちんと質問をしてみました。
質問:「神経を電気刺激したときに生じる誘発筋電図で、刺激強度を次第に強くしていく場合、最初H波が出現しますが、刺激がさらに強くなってM波が出現するとH波が小さくなっていく理由を教えてください。」

答え「神経を電気刺激した場合、最初に現れるのはH波です。これは、神経刺激が大型の神経線維に影響を与え、筋肉内の興奮伝導速度が遅くなるために生じます。
しかし、刺激強度を強くすると、より多くの神経線維が興奮し、筋肉の収縮力が増大します。このとき、M波が出現します。M波は、神経刺激が小型の神経線維に影響を与え、筋肉の興奮伝導速度が速くなるために生じます。
このように、刺激強度が増加するにつれて、より多くの神経線維が興奮され、筋肉の収縮力が増大します。そして、H波が小さくなる理由は、M波が増大するためです。具体的には、M波が大きくなると、神経線維の活動電位が筋肉内で広がり、H波の発生に必要な興奮伝導速度が低下します。そのため、M波が出現するとH波が小さくなる傾向があります。
したがって、刺激強度が上がるにつれて、最初はH波が出現しますが、その後M波が出現して、より多くの神経線維が興奮されることで、H波が小さくなることが理由となります。

間違った答えですね。新しいことではなく古典的な話で正確な説明は教科書等にありますが、ちとテーマが狭すぎて、ChatGPTがそこまで読み込めてないようです。しかし、もっともらしい文章を作るんですね。感心しますね。学とみ子の場合、文法的におかしい、論理のつなぎ方がおかしいので、デタラメがすぐわかりますが、それに比べて、もっともらしいのでなんでもいいから答えがほしいと使っちゃう可能性がありますね。Yahooの知恵袋みたいですね。


水仙

ノイズをいかにして少なくするか

PowerLab という機器で実習を行うわけだ。生体から出る信号は微弱なので、飛び交っている交流電源に由来するノイズをいかにして減弱させるかが、きれいなデータを取得するために必要な操作である。学生実習の心電図では、病院等にある心電図専用機器を使うわけにはいかない。高価で実習の班の数だけ用意できない。1年に1回の実習にそんな高価な機器を使うのはコスパがよろしくない。そこで、手足からの誘導を同時ではないけれど、普通のユニバーサルなハイゲインアンプで測定するのが、大学の基礎、生理学では普通なわけだ。1チャネルだけで記録を、標準肢誘導なので3種類行うわけだ。

医学部だと、胸部単極誘導を含めた12種類の誘導を行うのだが、コメディカルでは女性教員と別室を用意しないといけないわけで、専用機器もないことだしそこまでやらないのだ。

測定環境が悪いとノイスだらけになる。シミュレーションで最適な記録方法を探ったわけだ。


この図で、記録ソースを10 kΩの抵抗で代用してシミュレーションした。
シールド・シートの上に10 kΩ 3ケとスイッチで作った回路を起き、高感度増幅器(Bio Amp)の入力を接続するのだ。このシミュレーション回路は入力がEathから浮いているか、10 KΩを介して接地しているかをスイッチで選択できるわけで、スイッチがcloseの場合が心電図の記録では右足がEarthとなるから、これにより近いことになる。

やる前からわかるのは、シールド・シートを寝ている被験者の下に敷き、シールド・シートのEarthは高感度入力アンプ(Bio Amp)のEarthに接続し、PowerLabに装備されているデジタル・フィルターを使うのが最適であろう。

PowerLab のEarth は実は、入力アンプ(Bio Amp)のEarth、DIN8PコネクタにあるAnalog入力のEarth、デジタル入出力のBNCコネクタのEarth、ケースのEarth (交流電源のアース)があって、それぞれ独立している。この内のBio AmpのEarthにシールド・シートを接続するのが最も効果的で、事実今回のシミュレーションでも、以下に示さないが、もっとも良い結果が得られる。しかし、Bio AmpのEarthにシールド・シートを接続するのは、接続端子が用意されていないので、学生実習ではやりにくい。ほかのEarthも接続できるようにすることができるが、アダプタを作成する必要があるとか面倒である。そこで、シールド・シートはPowerLabのケース(case)に接続するしかないわけだ。というわけで、前記事のようなバナナ端子が接続できるようなアダプタを作ったわけだ。

シールド・シートの有効性とデジタル・フィルタの有効生をシミュレーションでチェックしたわけだ。デジタル・フィルタというのは、生体の発する電位には高頻度の周期的な信号がないという前提で、周期的な信号を検知してこれをデジタル回路で処理して、周期的なノイスを削減するわけだ。周期的な信号を検知してから削除するので、記録開始から数秒以上経過しないと交流電源に由来するようなノイズは減弱されない。それが下図である。

記録開始時にあったノイズが数秒後には減少する様子がわかる。これを学生に説明するのは面倒なので、記録開始の「START」ボタンをクリックしたら4秒以上経過した後のデータだけを使えと言うわけだ。

シミュレーションは、シールド・シートの有無、シミュレーション回路のスイッチのON/OFF、シールド・シートの接続先がcaseか入力アンプのEarthか、デジタルフィルタのON/OFF の組み合わせで行った。全部を掲載してもしょうがないから3例を示す。縦軸の単位はμV である。
Aはシールド・シートなし、シミュレーション回路でスイッチはOFFで入力がEarthから浮いていて、デジタフィルタなしという最悪の条件。B はシールド・シートを使いcaseに接続し、シミュレーション回路でスイッチはcloseで、デジタフィルタなし、C ははシールド・シートを使いcaseに接続し、シミュレーション回路でスイッチはcloseで、デジタフィルタを使って、記録開始から4秒以上経過したとき、である。

A でわかるようにp-pが80 μVもあるノイズは C ではp-p で数 μVに減弱された。心電図の大きさはP波の標準的な値が250 μV なので十分でしょ。学生に実施にやらせると、ほかのノイスが大きいから問題にならないでしょう。

このデジタル・フィルタは結構強力だから、シールド・シートがなくてもいいかもしれないが、試行するのを忘れた。

当方の庭の紫陽花その4

PowerLabのアース(グラウンド)

PowerLab という機械がある。AD Instrumentという会社の製品で、基本的には電気的アナログ信号をデジタルデータに変換(AD変換)し、パソコンに収録記録する装置である。研究にも教育にも使える。使っているモデルは26Tというのだが、そして他のモデルでも同じなのだが、機器の背面パネルにあるGround(Earth)端子が使いにくい。

写真のピンクの丸ラベル*の右上の金属棒がGround端子なのだ。普通のワニ口やミノムシクリップで掴むには太すぎるのでどうやって使うのかと調べたら専用コネクターケーブルークリップというのがある。この金属棒に差し込むメスコネクタと他端が鰐口クリップのようなクリップになっている。

例えば心電図測定のときは測定対象をノイズ混入を防ぐためにシールド・シートに寝かせて行うのだが、そのような用途のシールド・シートは日本光電のような医療機器メーカが販売しているので、医療機器故に高価である。一般用に市販されているシールド・シーツ(何に使うのかよくわからない)が販売されていて、こちらのほうが安いので使うことにした。シールド・シーツの上で寝るとなにやら健康にいいような事が書いてあるが怪しい。

このシールド・シーツに付属のケーブルーコネクタは、バナナチップのような物なので、問題のグラウンド端子に接続するためにはアダプタを工夫する必要がある。

アース端子を突っ込むための穴はφ6.0 mm、これには3 mm のホーローネジ(イモネジ)で止める、シールド・シーツの配線のバナナチップを突っ込む穴φ 4.2 mm、他の配線があるときのための3 mmのネジはおまけ、という10 mm アルミ角棒からアダプタを作った(10ケ)。

取り付けた写真。

シールド・シーツに付属のケーブルは100 kΩの抵抗が内蔵されていて使えないのがわかった。何故抵抗が内蔵されているかというと、アースを3pの電源コンセントから取る可能性があるからだろう。機器のグラウンド端子を使うのでそのような心配はないので抵抗が内蔵されていない普通のケーブルの方がいい。市販のバナナチップに普通の導線を付けたものでいい。

まだ問題があって、このシールド・シーツは、このグラウンド端子に接続するのがいいのか、アナログアンプのアナログ・グラウンドに接続するのがいいのか、全面パネルにあるBNCコネクタ(パルス出力)のグラウンドに接続するのがいいのか、やってみないとわからない。全て、グラウンドなのだが、そこが微妙に違っていて、変に接続するとグラウンドのループができて、逆に電源周波数に一致するノイズが増えたりする。この機器には電源周波数に一致するノイズをデジタルに減弱するフィルタが備わっていて、この機能を使うだけでもいいかもしれない。しかしこのデジタルフィルタは測定開始から数秒経過しないとうまくノイズを取り除いてくれないので、記録の最初の部分は使えないのだ。これを学生等に説明するのは面倒だ。だから最初からノイズが少ないほうがいいのだ。アナログ入力はdifferential なのでこのようがグラウンド(アース)は大して影響しないかもしれない。この辺がやってみないとわからないところなのだ。


ちなみにこのピンクのラベルはUSBーTypeBの受け口なのだが、ここにオスコネクタを上下を逆に刺す学生がいて、強引に突っ込むことができちゃう。一度、逆に突っ込むと穴が広がって、ツッコミ易くなってトラブルの原因になる。このようにラベルを貼り、オスコネクタの方にも同じラベルを、この機器側のラベルと向き合うように貼ると、逆に刺す学生は出てこない。USBケーブルの反対側はTypeAで、パソコン側に突っ込むわけだが、ここも逆に突っ込む学生がいて、こちらは逆に強引に突っ込むと、コネクタ内の逆接続を防止するためのプラスチックの板が壊れて取れてしまい、容易に逆に突っ込むことができるようになってしまう。こちらもケーブルとパソコンに異なった色のラベルを貼り、正しく刺すと同一色のラベルが対向するようにしておくと、学生が逆に刺すことがなくなる。

LAN ケーブルは逆に差し込めないが、ポートが空いていると、誰かが必ず突っ込む。これがループの原因になる。ともかく、こちらが想像できないようなことが必ず発生するから、これを防止することを心がけないと、実習などいくら時間が経過してもデータが取得できず、なかなか終わらないことになる。学生がどんな挙動をするかは経験でしか得られない。しかしその経験も新人類が相手だと役に立たないことが多いのだ。

例えばゼンマイ式のストップウォッチなど、学生さんは見たことがない。しかし、実習機器をそろたのはな何年も前でストップウォッチはなかなか壊れないから更新することがない。このゼンマイ式ストップウォッチを提供すると、必ず電池がないから動かないといってくる学生がいる。電池のデジタルストップウォッチは安いから提供すればいいのですけどね。

当方の庭の紫陽花その3

31年前の機器を修理した

焼灼(しようしやく)器という医用機器がある。外科手術につかうもので、焼き切る道具だ。ナイフ(メス)で切開すると必ず血が出てきて邪魔なのだ。焼き切ると止血も同時に行えるから楽なわけだ。ヒトの外科手術では高周波(radio frequency)で焼き切っていたが、いまでもそうなんだろうか。動物実験では犠牲になってもらうことが多いから、傷口の処理は実験しやすい方法になる。もちろん、麻酔下で行うわけだ。大型実験動物(イヌ、ブタ)の場合は人間相手に使うのと同じ機器(いわゆる電気メス)を使うが、中小動物(ネコ、ウサギ、ラット)を実験動物に使うときはヒト相手の機器よりちゃっちい白金線のヒーターを使う。こっちの方が単純で取り扱いが簡単である。

先端がU字にした白金線に3A位の電流を流すと赤く発熱するからこれを使う。低電圧大電流の機器を使うわけだ。電気メスとは異なり先端の白金線は、細いのが当然で、よく切れる。そして当然のことながら高価である。

これを止めて、ニクロム線にする。耐久性は落ちるが安上がりである。銅の細いパイプにニクロム線をカシメて固定し、銅パイプをコネクタの雄のピンにはんだ付けする。加熱されてハンダが溶けるおそれがあるがそれほど加熱しないから大丈夫である。

この白金線に市販の電流を流すコントローラを使っていたのだが、問題は、スイッチを入れても音はしないわけで、電流が流れているかどうか手術中にわからない。しばしば手術者自身を焼いちゃうわけだ。スイッチはフットスイッチを使うのだが、使いづらい。ニクロム線を取り付けたナイフ(棒)にスイッチがあればコントロールしやすい。というわけで大幅な改造をしたのが31年前。

昨日、その機器の調子が悪いから修理してくれと言われて、機器の箱をあけて中身を見たのだが、

当然のことながら、全く覚えていない。右上の棒の先端の赤丸部分がニクロム線でこれで焼き切る。
回路図があるはず。と探したら、ちゃんとあった。

Macintoshで作成してあるが、そのファイルはどっかに行っちゃってない。やはり紙ベースで保存しておくのは意義があるのだ。

動作不良の1つは、電流が流れているという動作モード(メロディICを使っているから音楽が鳴る)のだが先端のニクロム線が熱くなったりならなかったりである。これはすぐ解決した。コネクタ部分での断線だ。よくある例だ。

もう一つは、オフになっているはずなのに、電流が断続して流れるというトラブルだ。
自分の作成した回路図を見て、全く覚えていないのでしょうがなく動作原理というかスイッチング動作がどうなっているかを調べて、オシロスコープで本来あるべき波形を確認にして、回路を追ってみた。1ケのトランジスタがどうやら動作不良。ON-OFFの入力が正しいのに出力がランダムにON-OFFになる。負荷(ソリッドステート・リレー、SSR)がおかしい可能性もあるので、負荷を切り離して固定抵抗で置き換えて調べたら、負荷のせいではないことが判明。というわけで、トランジスタ1ケを交換して修理終了。上機器の写真の箱の中の赤丸と回路図の赤丸が該当のトランジスタである。

2時間で終了したからな。自分で作製したものとはいえ、我ながらすごいと思ったよ。

ヘッドライトで無影灯を作る

無影灯の続きです。
外科手術用の無影灯がハロゲンランプでできていて、このハロゲンランプが暗くなってきて寿命が尽きてきた。もはやハロゲンランプが製造されていないようなので、自動車のヘッドライトで置換することにした。ヘッドライトにもハロゲンかがあるがLEDの方が安いし耐久性もあるだろうからということでAmazonで購入してみた。
【2020最新モデル登場】LIMEY H4 led ヘッドライト Hi/Lo H4U 旧車対応 超コンパクトで明るい 高放熱性能ファン Lumileds社製 CSPチップ搭載 12000LM(6000LM*2) 車検対応 6000K DC12V車対応(ハイブリッド車・EV車対応) ホワイト 日本語取説保証書付 2個入 – G7H4

オリジナルの無影灯とは

である。この頭の部分のガラスを外すと

のように、見にくいけれど半球の反射板の中にハロゲンランプがある。この半球状の反射板ごと取り除く。
ヘッドライトを半球状の反射板に収めたいのだ。オリジナルの反射板は加工しにくい。ステンレスの料理に使うボールがちょうどいい。艶消しではないのをAmazonで探した。13 cmがちょうどいい。
こいつの底の真ん中にLEDを取り付けるための直径20 mmの穴を開け、

ヘッドライトのLEDには取り付け金具が付属しているのでこれを利用する。

LED取り付け金具に穴を開けてネジで固定した。

横から見ると

である。
無影灯の台座をひっくり返すと、電源スイッチ、ヒューズ、トランス(ハロゲンランプは 15 V で駆動)がある。トランスは取り除き、12Vのスイッチング電源
CURE(キュア) 安定化電源 AC DC コンバーター 12V 5A 60W スイッチング電源 直流電源変換器 過負荷電圧遮断 日本語説明書付 安全保護回路 自動リセット可能 電源装置

を突っ込んだ。斜めだけどトランスの収容部分に収まった。

頭部の光源の部分の配線である

ハイビームとロービームのLEDがそれぞれ一対あるが、両方を点灯することはできない。両方に通電するとハイビームが優先されて点灯しロービームは点灯しない。小さな光を遮る出っ張りのある方がロービームのLEDである。ハイビームの方を使うことにする。
ヘッドライトの配線はオスコネクタになっているからレセプタクルが必要で

uxcell バルブソケット H4ランプソケット コネクタプラグ セラミックヘッドライト ブラック 2本入り を購入した。黒がハイビーム、白がロービーム、緑・青がグラウンド(0 V)である。
反射板であるボールを、既存のねじ穴が使えるようにL字金具を作って固定できるようにして収めた。

これに元々のガラス板のついた蓋を取り付けておしまい。
点灯させると

ガラスなしの直接の照射は、

ガラスを挟むと

とボケたようになる。色が違うのはガラスを挟んだからとカメラの自動設定のせいでしょ。
ガラスは、透明ではないが曇りガラスではなく、何やら不規則に凸凹しているものだ。発光部が2箇所あるから発光部が水平に並ぶようにLEDを回転して設置したから上下方向に光がない。ガラス板が満遍なく光を散乱させるわけではないからこのような照射になる。
本来なら電源部の設計とかを考えるのだが、ヘッドライトはハイ・ローどちらかのビームしか点灯できす、スペックだと20 Wなので12 V 電源は3 Aもあればいいはずだ。スイッチング電源は高いのでトランスー整流ダイオードーケミコンなんてことを考えるべきなのだろうけど、最近は中国製のスイッチング電源が安いからこれでいいでしょ。調整するところはなく配線ミスがなければ出来上がり。
このLEDヘッドライトの電圧ー電流関係を調べたら

となり、12 Vの時20 W、最大になる。
ハロゲンランプ用のトランスの2次は15 Vなのでこれを整流すると21 Vになって、LEDのスペックがよく分からないけど、ちと高すぎるでしょ。
交流のノイズ対策は、100 V 電源をアース付きの3Pのにして、金属部分を電源のアースに落とせばおしまい。実際には台座の部分とランプの収まるヘッドの部分の金属が塗料があって接触していないようなので、ランプへの配線がシールドにしてあったので、このシールドをヘッドの部分の金属にも配線しておしまい。50 Hzのノイズが混入することはない。

無影灯

外科手術現場では、手術部位を照らす照明に
無影灯(Surgical Light)と呼ばれる物を使う。
点光源だと影ができるので面光源にして影ができにくくするわけだ。手術部位にアプローチする人が複数いると特に必要になる。面光源は普通ないから、多くの電球を面に並べたものになる。昔は普通のタングステン電球だったらからすぐ切れた。そのうちハロゲンランプが普及して、一灯で十分明るいから、このランプに摺ガラス様のガラス板を挟んで面光源かの様にするものが出てきた。最近は高輝度のLEDが容易に手に入るので、LEDを面状に数多く配置した安い無影灯が出てきた。左の図はLEDが19個並んでいる。数万円だ。
従来の無影灯は50Hz(関西では60Hz)の電源でドライブされている。外科手術を伴う実験で、脳波や心電図などの生体電気信号を取り扱う場合、この50Hzが電磁波ノイズとなり邪魔なので、光源はシールドする必要がある。昔の無影灯は鉄板等で構成されており、反射板も金属なのでシールドが容易だった。大量生産される物でもないので、ねじ止めで組み立てられているから、分解改造が楽だ。
ところが上の写真の様なLED光源スタンドはプラスチックの嵌め込みとか、ネジ穴の部分はパネル(ラベル)などで覆われていて

シールドの改造が面倒だ。それでも、電源スイッチや調光スイッチのある部分のパネル(シート)を剥がし、ネジ穴(上の写真の赤丸部分)を見つけ、箱を開けて、2芯のプラグ・アース線なしの電源コードを3pのプラグ・3芯電源コードに交換し、LEDのハウジングと発光面に銅網を取り付けそれぞれアースに落とし、シールドした。

LEDはパルスで駆動している様で、発生するノイズには50Hzに加え数百Hzのパルスがあるのだが遮断できた。もっとも生体電気記録用電極に10 cm とかの至近距離にしたらダメだろうが、その様な状況はありえないので問題ないだろ。
昔のハロゲンの無影灯(左図、当時ん十万円)があるわけで、このハロゲンランプが切れるのは目に見えていて、予備のランプは製造中止で在庫もない。このランプの代わりに自動車のヘッドライトのLEDランプ

の様なものを使うことを企んでいる。これだったらランプ1ケが2千円以下でハウジングをうまく作れば、容易に交換可能になるだろう。そもそもハロゲンランプは低電圧で駆動するから、トランスが台座に仕込んでありこれをそのまま利用して整流ブリッジを使えばDC12Vの仕様に簡単に合わせることができるのでは。12V3Aのレギュレータが必要かな?レギュレータもこんなのでよかったら高価ではないようだ。
ヘッドライトで無影灯を作るに続きます。

仕事のペース

ビールが美味しく飲めるためにwalking/jogging しているのだ。ある日の持参するスマホのアプリによる速度変化の記録だ。

中間点まではいいのだが、後半になるとダレている。そしてゴールが見える最後はスピードアップだ。中間点をすぎるとペースが遅くなるのは、くたびれてきちゃったのではなく、飽きてきたからだ。最初が遅いのは、アプリの速度計算がrunning averageで行っているためというより、エンジンのかかるのが遅いせいだな。
歩くという行為だけでなく、仕事の進行もこんなペースが多い。始めはいいのだが、だんだん飽きて嫌になって、ゴール近くになると、もういい加減にさっさと止めて次の事をしようとすることが、しばしばある。性格の問題か?普通の行動様式のように思うけど、異常か?皆さんはどうでしょ?

確率の英語・日本語の表現

IPCC(気候変動に関する政府間パネル) 第5次評価報告書(AR5)のV.AR5における「可能性」の表現から、一部の表示のみ変更すると

英語 和訳 発生確率 %
Virtually certain ほぼ確実 99~100
Extremely likely 可能性が極めて高い 95~100
Very likely 可能性が非常に高い 90~100
Likely 可能性が高い 66~100
More likely than not どちらかといえば 50~100
About as likely as not どちらも同程度 33~66
Unlikely 可能性が低い 0~33
Very unlikely 可能性が非常に低い 0~10
Extremely unlikely 可能性が極めて低い 0~5
Exceptionally unlikely ほぼあり得ない 0~1

というのが環境省の決めた表現である。気候についての「「可能性」とは、不確実性を定量的に表現する用語であり、観測、モデル結果の統計的解析や専門家の判断に基づいて確率的に表現される」ということで、これが科学のすべての分野にあてはまるかどうかは議論になるところだけど、参考になる。

医学・生物学で、有意確率が 5% 未満だったとき、「有意の差があった」と表現することが多いけれど、これを「可能性が極めて高い・低い」「Extremely likely・unlikely」と表現して論文に書いたら、レフリーからクレームがつくだろうな。

 

サーモスタット MH1210W 設定マニュアル

温度調節する必要があってサーモスタットを探したら、中国製で安いのを見つけた。Amazon で「デジタル温度調節器 MH1210W」というやつで1,000円だ。(ほとんど同じで異なるバージョンがある)。

配線のポートは中国語で表記され、付属の英文マニュアルは誤字もあるし、誤りもあって、意味がわからない。日本語マニュアルを作ってみた。全文訳したけど動作確認できた設定部分だけ以下に書く。注意書きとかスペックの部分は訳がなくてもわかるでしょ。

2 前面図
Work:出力表示(リレーがONになっていることを示します)。
Set:設定状態であることを示します。
⦽ :電源スイッチボタン
「S」:設定ボタン
△ または ▽ :設定値を増やしたり減らしたりするボタン
負載:負荷   电源:電源
NTC:Negative Temperature Coefficient サーミスタ
3 操作:
3.1 ⦽ オン/オフボタン、3秒間の長押しでON/OFF が切り替わります。
パラメータの設定状況のとき、このボタンを押すと設定が保存され終了します。
3.2設定
温度設定
「S」ボタン(セットボタン)を短く1回押すと温度設定モードになるので、”△”または “▽”ボタンで設定温度を表示し、最後に「S」ボタンを押すと設定が保存されます。Defaultでは40℃になっています。
2秒以上 “△”または “▽”を押すと表示変化速度が早くなります。
ここで加熱・冷却機器のON-OFFを切り替える温度を設定します。
動作設定
「S」ボタンを3秒間長押しコード選択状態にします。最初は「HC」が表示されます。
「△」または「▽」を押し、「HC-d-LS-HS-PU-CA-A7」の略称で順に繰り返しコードが表示されますのでコードを選択します。
◎ 「HC」:「S」ボタンを3秒間長押し、「△」または「▽」を押して「HC」コードを表示させます。「S」ボタンを押します。「H」と表示されます。「△」または「▽」を押して「H」または「C」モードに移動します。モードが決まったら「S」ボタンを押してモードを決めます。「HC」と表示されます。決まったら ⦽ を押して確定し、設定状態から出ます。あるいは5秒間放置すると設定状態から抜け出ます。
「H」: 温度が設定温度より低くければ リレーがON (ヒーター用) 。
「C」:  温度が設定温度より高ければ リレーがON (クーラー用) 。
◎ 「d」:「S」ボタンを3秒間長押し、「△」または「▽」を押して「d」コードを表示させます。「S」ボタンを押します。「d」コードとは (differentialのことらしい)ヒステリシスの設定です。単位:℃。「△」または「▽」を押してヒステリシスの温度を決めます。
Hモード(ヒーター用)で、この値が2℃の場合、設定温度が40℃なら環境温度が40℃を超えたらスイッチが OFF になり、40℃以上から環境温度が(40−2)=38℃に下がってきたらスイッチが ON になります。
Cモード(クーラー用)で、この値が2℃の場合、設定温度が40℃なら環境温度が40+2=42℃を超えたらスイッチが ON になり、42℃以上から環境温度が下がって来て40℃以下になったらスイッチが OFF になります。
つまり、リレーがONになるのは確実に設定温度を超えて・下回ってからということになります。あまりこの値が小さくすると、センサーの配線に混入する電気ノイズによって、ON-OFF が頻繁に繰り返され発熱・冷却機器に負荷がかかるので0.5℃以上がのぞましいでしょう。
決まったら ⦽ を押して確定し、コード選択状態から出ます。あるいは5秒間放置すると設定状態から抜け出ます。
◎ 「LS」:「S」ボタンを3秒間長押ししてさらに「△」または「▽」を押して「LS」コードを表示させます。「S」ボタンを押します。「LS」(最低温度設定値):設定温度の下限。単位:℃。これ以上低い温度に設定できません。あまり意味がないのでデフォルトの−50℃のままで構いません。
決まったら ⦽ を押して確定し、コード選択状態から出ます。あるいは5秒間放置すると設定状態から抜け出ます。
◎ 「HS」:「S」ボタンを3秒間長押ししてさらに「△」または「▽」を押して「HS」コードを表示させます。「S」ボタンを押します。「HS」(最大温度設定値):設定温度の上限。単位:℃。これ以上高い温度に設定できません。あまり意味がないのでデフォルトの110℃のままで構いません。
決まったら ⦽ を押して確定し、コード選択状態から出ます。あるいは5秒間放置すると設定状態から抜け出ます。
◎ 「PU」:「S」ボタンを3秒間長押ししてさらに「△」または「▽」を押して「PU」コードを表示させます。「S」ボタンを押します。「PU」:スイッチの切り替えを、設定温度に達してから何分後に動作を実施するかを設定します。単位:分。0は即時、最大90分に設定できます。通常は0分でしょう。この調節機で駆動する冷却装置がコンプレッサーを使う場合、コンプレッサーを頻繁にON-OFF を繰り返させたくないので、ヒステリシスの設定に加え、この値を1分とかにしておくといいのかもしれない。
決まったら ⦽ を押して確定し、コード選択状態から出ます。あるいは5秒間放置すると設定状態から抜け出ます。
◎ 「CA」:「S」ボタンを3秒間長押ししてさらに「△」または「▽」を押して「CA」コードを表示させます。「S」ボタンを押します。「CA」:校正(calibration)。単位:℃。付属のセンサーによる表示温度が、別の信頼できる温度計の表示と異なる場合、「△」または「▽」を押して差を小さくする事ができる。オフセットの調節だけでゲイン調節ではないので、必要ならば設定温度付近で校正すること。
決まったら ⦽ を押して確定し、コード選択状態から出ます。あるいは5秒間放置すると設定状態から抜け出ます。
手元にあった熱電対温度計(熱電対温度計(Kタイプ) AD-5601A、購入時付属のセンサーで設定を変えていない)との25℃近傍での温度の差は0.3〜0.4℃、このサーモスタットのほうが高く表示していました。この程度のエラーは利用者の一存で許諾を決めてください。
◎ 「A7」:「S」ボタンを3秒間長押ししてさらに「△」または「▽」を押して「A7」コードを表示させます。マニュアルには「AT」とあるけど、表示は「A7」です。「S」ボタンを押します。この値が デフォルトの 0 より大きいと Time operation mode となり、設定温度とは関係なく、設定後この設定値(単位:分)が経過したらリレーはONになっていたら OFF となる。OFFになっていたら、そのままOFF となる。この設定時間内にOFFからONになったとき、この時間がきたらOFFになる。現在温度と残り時間(分)を交互に表示する。ともかくこの時間を設定したときから設定時間が経過するとOFFになり、現在温度とOFFの表示を繰り返す。電源を切っても状態は変わらないから、もとに戻すためには再度A7の設定を行う。
デフォルトで 0分になっており、変更しないほうがいいでしょう。
決まったら ⦽ を押して確定し、コード選択状態から出ます。あるいは5秒間放置すると設定状態から抜け出ます。
設定結果は電源が切れても保存されています。
センサーが断線していると、LLL という表示になり点滅します(-50℃を下回ったときと同じ)。センサーが短絡するとHHHという表示が点滅します(110℃を上回ったときと同じ)。

お約束で、この翻訳が正しいかどうかの保証はありません。ご自身の責任でどうぞ。
添付のマニュアルには「パラメータロック:3秒間 “▽”を押して点滅させ、 “OFF”と表示すると、パラメータをロックしたことを意味します。」という記述があるが、そのような操作をしてもなにも起こらない。ロック解除も同じ方法のようだけど、動作しないのでわからない。
付属のセンサーは防水されているかわからない。水槽に突っ込むようなら、バスコークを塗って、熱収縮チューブで覆ったらいいのでは?NTCというのがサーミスタセンサで25℃、10 kΩのもので、秋月電子で売っているので代替えできるだろう(未確認です)。
配線のためのコネクタはリレーのところが太い線が使えず、10 A を流すのは難しい。他のセンサーとこの機器への電源のためのコネクタは、電流が少ないので細いワイヤーでいいからこのコネクタで問題ない。中を開けてみていないのでリレーの許容電流が 10 A もあるのかわからない。中国製Dimmerの例もあるから 3 A 位がいいところでは?
この温度調節器(サーモスタット)は温室とか水槽の近くに置くとすると、湿度が高い環境になる。密閉するとこの調節機の出す熱が放散できるかということになるけど、スーパー等で打っている食器用のポリ容器内におさめちゃって多分かまわないだろう。ケーブルは、半田ごてで容器に穴をあけ、隙間はコーキング剤でふさいじゃえばいい。
温室の温度管理のためのヒータとサーモスタット一式は1万円を超える。このサーモスタットとテーブルタップ、AC電源ケーブル、配線用ケーブル、ポリ用容器で 1,500円くらいだろ。ヒーターは1,000円位の600Wの電熱器

で、内側のニクロム線300Wだけ使うことにし、ヒーターがむき出しになるのは、ちとまずいし加湿もしたいので、水を張ったステンレスのバット(1,000円位)

を電熱器の上に置けばいい。温室内に紙とかの燃えるものを置かなければいいでしょ。不安ならステンレスの網で電熱器を覆えばいいだろ。温室用のヒーターは、発熱体(ニクロム線?)がむき出しにならないようにアルミの放熱器で覆っているだけなんだろ。ちがうかな。電気ヒーターは燻製を作るのにも使えると思ったわけだ。これまでは卓上ガスコンロで火力の調整(チップは燃えてはいけない、煙だけ出すようにする)がむずかしかったので電気のほうが楽だろう。
異なるバージョン

こっちは電源スイッチボタンが R となっていて、これは工場出荷時にもどすリセットのようだ。6秒押すとリセットされるらしい。動作状況を示す LEDが Heat と Cool になっている。こっちは870円とちと安い。同じ型名だぜ。ちと酷いよね。良く見ないと気が付かない。

光ファイバー光源その5

5種類目(7台目)の光ファイバー光源だ。NIKON製だ。

ファイバーの径は 15 mm である。

ハロゲンランプは 15 V 150W つまり10 A も流れる。右のピンクと青のガラス板はフイルターで使っていないのだが、中を開けたらでてきた。ピンクのフィルターは割れていた。この写真のようなところに置くのではなく、ハロゲンランプと光ファイバーの間のスロットに入れる。この写真は使わないから調光器のアルミ放熱板にテープで止めているのだ。

トランス、調光回路をとっぱらい、ファンはハロゲンランプに風が当たるように少し斜めに設置してあったのだが、その斜めにする袴を取り除き、底面に水平に取り付けた。電源は今度は 12 V、4 A のスイッチング電源(48W級スイッチングACアダプター12V4A)である。レギュレータはPowerLED Driver 150306Bを使った。こいつの出力は12 V、 3 Aで、入出力があるだけ、なにも調節するところがない。
LED は新製品のCREE XHP50 20mm基板付き 白色ヒートシンクファン 46×46×13mmの上にφ2.6 mm のネジ穴を2箇所切って、鍋ネジで止めた。ファンを外してから加工すること。
このファン付き放熱器は、ケースの内側から 5 mm のスペーサーだけで全面パネルに取り付けることができた。LED の中心を光ファイバーの中心に合わせるのは慎重に。といっても当方の工作の精度はいい加減なので、できるところは馬鹿穴にして、目視で中心合わせをした。
調光器(Dimmer)Grandmart LEDランプ輝度調節器 直流DC 12V 8A は133 円だったけど、今見たら151 円になっている。
上の写真はレギュレータとDimmer を載せたアルミ板を、ファンが見えるように固定する前の物。

この写真が、全て固定した内部の写真。

光ファイバーの先端(レンズなし)を机から15 cm上のところに固定し、室内のランプを消して、この玩具の照度計を置いて最大の明るさになるように位置を調節した。 左が、ハロゲンランプ、右が今回のLED。明るくなった。前回までのLEDより、新しい方はLED を直列に繋いであって、LEDの電圧降下が倍になっているので同じ電流量を流せば W が大きくなる、明るくなるというわけだ。
ちなみにVf = 6.38 V、電流量は2.82 A つまり18 Wであった。スペックでは最大19 W だから問題ない。
今回は、Dimmer の上に小さなファン(12V30mm角 DCファン)を付けてみた。室温23度で、ケースの底にあるオリジナルのファンなしでこの小さなファンだけで上から送風したら基板の温度は55 度、両方のファンを使ったら 50 度。70度を超えないから小さいファンだけでも十分かも。放熱器の計算とか昔やったけど、今回は発熱するICのデータもないし、面倒だから、作ってみて、触って熱くなければOKだからね。
前回、前々回も、今回も、レギュレータが定電流モードで動作しており、最大出力電圧は12 V位あるから、LED の電圧降下 Vf が XP-L のとき約 3 V だったのが、XHP50 の 約6 V に変わっても問題ない。大きさが同じだから入れ替えるのが可能だ。W数が倍位になるが、明るさが倍になるかは、入れ替えて調べてみることにするが、倍にはならないだろうな。より明るくなることは間違いないだろう。

ハロゲンランプのときの輝度調整ポテンシオメータは20 kΩ、電源スイッチ付きだ。今度のDimmer のポテンシオメータは 1 kΩだった。だからそのまま使えない。手元に 1 kΩのポテンシオメータがない。500 Ωで代用した。500 Ωだと抵抗値を最大の500 Ωにしても完全に OFF にならない。暗くなるだけだ。実際には最も明るくなるポジションでしか使わず、電源スイッチの ON-OFF だけだからかまわないだろう。1 kΩに変更する予定だした。スイッチは流用できなかったので、新たにLED 付きシーソースイッチをパネルを加工して取り付けた。]]>