アルミ板に文字入れーその3(最終版)

結局以下のようにすることにした。決して既製品のようにはいかないが、機能的には問題ないのは当然として見てくれもそんなに悪くないからね。
その1その2
必要な物
① 文字、お絵描きソフト:左右反転できることが必須。プリンタで反転印刷できる場合もある。実寸で印刷できる方がいい。イラストレータを使っている。
② レーザープリンタ(インクジェット・プリンタしかないときはpdfにしてコンビニで印刷)。トナーを使った印刷が必須。最安値で2万円。インクジェットのインク代を考えると1年1回の年賀状しか印刷しないというのなら別だけど購入しても悪くない。家庭だったら最初のトナーだけで数年使える。
③ 印刷用紙:普通のコピー用紙に印刷するのでいい。再生紙でも構わない。以下、紙とする。
③ 除光液:ダイソー等で販売しているマニキュアの除光液、アセトンフリーがいい。
④ 透明なプラスチックシート:透明なクリアフォルダを切って1枚だけのシートにする。以下プラスチックシートとする。
⑤ プラスチック定規のような板:プラスチックシートの上からこすりつけるためのプラスチック板あるいは先端が鋭くないスムーズなプラスチック棒。インスタントレタリング用の棒(へら?)を使ったがなんでもいい。きっと割り箸だってかまわないでしょ。
⑥ アセトン:金属板の脱脂と失敗したときに拭き取るのに使う。通販で購入できる。必須ではないが、脱脂や失敗したトナーを取り除くのは除光液より早くできる。
⑦ ピンセット:除光液で濡れたコピー用紙をちょっとはがして転写具合をみるとき使う。先の細いのがベター。
⑧ ペーパータオルあるいはティッシュペーパー:余った除光液を取り除いたり、失敗したら取り除くのに使う。
⑨ 粘着力の弱いテープ:マスキングテープ。仮止めに使う。以下、単にテープとする。
⑩ ハサミ:印刷された紙はカッターで水平あるいは垂直に切ったあと、さらに余計な部分を切るのに使う。
⑪ スポイト:除光液を垂らすのに使う。除光液の容器から直接注ぐのはむずかしい。
⑫ 水性透明つやなしスプレー塗料:アサヒペン 水性多用途スプレーを使った。ラッカースプレーのようなトナーを溶かす塗料は使わない方がいい。

印刷したコピー用紙、マスキングテープ、除光液、アセトン、インスタントレタリング用のこすりつけるヘラ(オレンジ)、スポイト、ハサミ、クリアフォルダから切り取った透明プラスチックシート、転写先のアルミ板

普通のコピー用紙にレーザープリンタ(トナーを使うプリンタ)で文字を左右反転(イラストレータだったら垂直軸でリフレクト)して印刷する。転写は小さい面積で行う方が操作しやすい。文字や絵を切り取るとき、ハサミではなくカッターで切り口が文字の並びと同じ水平(あるいは垂直)であるように切る。裏から文字はほとんど見えないから位置決めに紙の切り口を指標にするからである。除光液を垂らすと透けて見えるようになるが、この時点での大きな位置決めは、コピー用紙が柔らかくなるのでうまくいかない。ほんの少しの位置調整しかできないからである。

転写先のアルミ板や銅板等は転写直前にアセトンで脱脂する。ペーパータオルとかティッシュペーパーにつけてしっかりこすって脂分を取り除く。直前に実施するのは、それまでに脱脂しておいても気が付かずに触ったりして脂分がついている可能性があるからである。この脱脂操作がきれいに転写できるかどうかのポイントである(こつの1/2)。脱脂のためのアセトンを飛ばしてから貼り付ける。アセトンと使うときは、自作機器のパネル1枚位なら換気にそれほど気を使わなくてもいいが、それでも換気のいい部屋で行うべきである。

アルミ板に印刷したトナーの付いた面をのせ、テープで仮止めする。
紙の上からアセトンフリーの除光液をたらすとコピー用紙が半透明になって文字が透けて見えるようになるから位置を確認し固定する。除光液を垂らしてから位置調節はできるだけ避ける、紙が柔らかくなって動かすのはむずかしいからである、ほんの少しだけ調節できるかも、と思って最初の位置決めだけで済むようにする。除光液の量は紙全体に液が回るくらいの液量でいい。多すぎても溢れるだけで役に立たない。

プラスチックシートを上に乗せ、押し付け、はみ出た除光液をティッシュペーパー等で除き、プラスチック定規様の板でまんべんなくなくこする。

1回こすりつけただけでは十分に転写されない。プラスチックシートだけ、紙がくっつかないようにピンセットをプラスチックシートの下に突っ込んで紙をおさえて、ずらすように剥がす。

紙は十分除光液で濡れているように見えるが、ここにさらに除光液をたらして、プラスチックシートを再度重ねてこすりつける。つまり2回行うわけだ。こすりつける面積が小さい(1文字だけとか)の場合はこれで十分だが、このサンプルのように比較的大きい面積(最後の図参照)のときは3回目が必要になることがある。ここが上手く転写するコツの2/2である。

プラスチックシートを取り、コピー用紙をピンセットでつまんで、ゆっくり剥がす。このときコピー用紙にトナーが残っているときは、紙をもどし、プラスチックシートを被せその部分だけ再度こすりつける。紙がずれる可能性が高いから、これはなるべくやらないほうがいい。ほんの少しなら構わないが、大幅にトナーが紙に残っている場合は最初からやり直す。転写されたトナーはアセトンを含んだペーパータオルで簡単にとり除ける。
この写真のように紙側にトナーがない状態になるよう何回も練習する。

溢れている除光液をティッシュペーパー等でこすらないようにして取り除き乾燥させる。2,3分もあればいいでしょ。
失敗したらアセトンを染み込ませたティッシュペーパー等でこすって取り除く、除光液で取り除くよりアセトンのほうがいい。転写する原稿を作るのは安価だから、失敗すると思って、1枚に必要以上の文字列を印刷するのがいい。こつがわかるまで何回もトライできる。

水性艶なし透明スプレーをスプレーする。乾くのに1時間。2,3回上塗りする。
できあがり。

よく見ると文字の黒はべったり黒でなく点々とトナーの転写されてないところがある。ほとんど気が付かないでしょ。

カラーにできるが、白文字はないから黒パネルに白文字はできない。

◯ 熱転写シート:アイロンで転写するのだが紙が透けて見えないので位置決めが面倒。除光液のほうがやりやすい。一部転写できないのが残るのは除光液と大差ないが、やり直しが除光液のほうが簡単である。。
◯ アセトン転写:できるがトナーの転写量が少なくて薄くなってだめ。アセトンは転写に失敗したときに取り除くのに使う。除光液より取り除くのが早い。転写される量が少ないのはアセトンがすぐに蒸発するためかもしれない。アセトンに消毒用の70%アルコールをまぜ、飛ぶのを遅くしたら(遅くなるのか?)いいのかもしれない。
◯ タトゥーシール:試していないが手間が多く、粘着シートに貼り付けるのが大変だ。
◯ インスタントレタリング:まだ市販されていて使えるだろうが1文字1文字こすりつけるのは大変だ。トナーの転写よりきれいになる。オリジナルの絵とかはできない。使う文字が同じなので特定の文字がなくなって新たにシートを購入しなければならないことがある。今回の除光液転写よりコストが高い。

ちなみに何年も前にインスタントレタリングで文字入れした機器がまだ働いている。そのパネルだ。


われながらよく作ったもんだ。下の写真はゲート時間をデジタルで自由に設定できて、そのゲートの間にカウントしたパルスの数を表示すると同時にDA変換してポリグラフ(ペンレコーダ)に描画するという、時代物のプラグインだ。window discriminator と合わせてニューロン等のスパイク数をカウントするのだ。いまやコンピュータでできるのだが、当時はそんなものはなかったから自作するしかなかったのだ。

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