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去年の試験の正解

そろそろ、授業も終わり定期試験のシーズンになる。講義のあと、教室に昨年の試験の正解のコピーが落ちていた。試験は100問の多肢選択、マークシートで採点なのだ。正解を公開しているが、この落ちていたコピーはアップロードした正解の表だ。でそのコピーを見ると、回答した番号が手書きで、印刷の数字の隣に書いてある。試験直後にダウンロードし印刷して自分の回答を書き込んで何点だったかを調べたものだ。
何点とったか、調べたら50点くらいだ。ということは昨年の平均点からみるとこの回答者は出来が悪い学生だったようだ。再試験対象者であったのでははないだろうか。
問題によって5〜10の選択肢から選ぶ多肢選択問題だ。みると、選択肢の多い問題の出来が圧倒的に悪い。やっぱり出来の悪い学生のものだったのだ。
昨年と同じ問題を出すわけがない。全く同じではなく、「何かが増えたら、反射で何かが減る」という問題を出した場合、次の年は「何かが減ったら、反射で何かが増える」と増減を逆にした問題にすると、昨年の選択肢をそのまま答える学生が結構いるのだ。理解しているのではなく、単純になにがなんでも憶えて試験に臨むのだ。だから、学内の有料コピー機は試験前になると列ができるのだ。
単純に覚えるより、理解したほうが楽だと思うのは教員の側だけなのだろうか。

Monster parent(s)

最近の大学では出欠をしっかり記録し、授業に出席しない学生に容易に単位を与えるなとの文科省のお達しで、どこの中小大学でも出欠管理システムを導入せざるを得なくなっている。そこで、管理すると、講義は1/3以上の、実習は1/5以上の欠席には単位を認定しないという学則をきちんと当てはめないといけないことになる。きちんと記録されているからだ。
必須科目の単位を取得しないと、次の学年の学外実習を履修できないという規則になっている。学外の実習地に送り出すためには、最低の知識・技量を学習している必要があるという建前である。上の学年に上がって落とした単位を履修しつつ学外実習も行うということは時間的にもできない。したがって、必須単位を落とすと、次年度必須の学外実習に行くことができないわけで、次年度は今の学年にとどまり再履修することになる。留年である。文系の大学ではなんとかなるだろうが、医療系では実習が不可欠なので当然である。
学期の途中ですでに欠席数が規定より多くなって、その科目の単位が取得できないのが判明した学生がでてくることがある。つまり留年が年度末前に判明することになる。
##########ここからは伝聞だ##########
そのような学生に留年確定を告げたら、親がでてきて、納得できない。なぜこのようなことになったのかと説明を求められた。規則を説明すると、では、あと一回欠席したら単位が取得できないという注意をなぜ連絡してくれないのかとのクレームだ。恐れ入るね。
毎年度末、成績が確定した時点で、大学は、それまでの単位習得状況を保護者に郵送する。その時期になると学生は自宅のポストを注意深く監視し、大学からの郵便物を抜き取り、親に見せない。
##########ここまで##########
留年・退学になるような場合、親が大学に説明を求めるのは当然のこととなっている。親としては年間100万円以上つぎ込んでいるので、これまでの投資はどうしてくれる、まだ100万円以上注ぎ込まなければいけないのかよ となるのは当然かもしれない。しかし、このような親が大学に出てくる、出てくるだけでなくクレームをいう場合は、ほとんどが子供と親のコミュニケーションがとれていない/子供が親に嘘を伝えているのだ。親にとっては寝耳に水なわけで、その憤懣を持って行く場所は、本来は子供であるべきだが、大学に持っていくしかないのだ。子供の方に責任があることをなかなか認めないのだ。
教員に学生にたいしてセクハラ、パワハラの言動があり、その学生が傷つき大学に出てこれなくなったなんてことがあったら大変だ。親が鬼の首を取ったかのごとく大学を責める。学外実習でお世話になる現場の指導者なんて、徒弟制度で育ったような人がいるから、そういう人のいる施設に配属された学生は対応できない。いまだかつて、白を黒だといわれて、はい黒ですね なんて答えなければいけない環境にいたことがないからね。
自分が学生時代にいじめられたことを学生にお返しするとか、いじめるのが実習とか思っている輩とか、ちときつく言い過ぎてしまったとか、教える側に問題がある場合があるけど、だからといって、一概に教員、現場指導者に責任があると言えるかどうかわからないケースもあるのだ。
授業中、おしゃべりしている学生を、「おーい、そこのねーちゃん」なんて管理者は言うからセクハラだと訴えられるかもしれないな。

Yahooメールが6月で廃止

中小私立大学などはメールサービスを実施するのが負担だから、教職員は別にして、学生には大学が供与するメールアドレスとして、ドメインはその大学独自のではあるが、実際にはYahoo の無料メールを利用しているところが多いと思う。Google も同様に、ドメイン名を大学独自にするが、実態はG-mailという無料サービスをやっている。Yahoo が提供している大学等へのメールサービスが来年6月で廃止になる。
あっちの大学ではこれまで学生へ供与するメールアドレスがYahooだったのでG-mailに変更することになったのだ。現在の4年生はほとんどが卒業しちゃうから関係なく、1年生はすでにG-mailの方にしたので、2、3年生が移転手続きをする必要がある。移転といっても、前のメールを捨てちゃえば、問題はない。
管理者は、メーリングリストを構築して学生との連絡に使っているのだ。他の教員にも公開しているので、利用されている。
Yahooメールはスマホに自動転送すると、サーバから消えちゃうからパソコンでアクセスできなくなっちゃう。添付書類なんかあってスマホに転送されちゃうと学生は困ることになる。スマホでエクセルファイルを可能でも加工しないだろ。学生はそもそも、大学が付与したメールアドレスを使わない。もっぱらスマホメールなのだ。
だから、メーリングリストにはスマホのメールアドレスを登録させている。問題は学生は自由にメールアドレスのアカウント部分を変更しちゃって、届け出ないのだ。だから連絡がついているのかわからない。エラーメールが来ても対応できない。
G-mail はスマホで見るアプリがデフォルトであるし、パソコンでも見える。つまり添付書類があってスマホで処理できなければパソコンで処理できるのだ。
そこで、メーリングリストに登録するメールアドレスは新しい大学が供与するメールアドレスにすれば、学生はメールアドレスを変更できないし、スマホで連絡できるし、パソコンでも読めることになったのだ。
大学が供与するメールアドレスをメーリングリストを作成するから、電子ファイルでくれといったら、担当部署から断られた。個人情報だから渡せないのだそうな。学生への連絡という業務でやっているんだぜ。大学の e-leaningシステムでも、科目履修者へ一斉送信ができる。しかし、授業担当者だけが使える。クラスの学生、複数クラス、複数学年への一斉メール連絡はできない。できるようにしろと3年以上前からお願いしているのだが実施されない。今度はまた別に学生フォローシステムとかいうのが立ち上がって、こっちではクラス別メーリングリストができそうだというので、現在のメーリングリストを教えてこれと同じ機能にしてくれと依頼中だ。いつできるかわからん。
というわけで、管理者が作成したメーリングリストを運用し続けないといけないわけだ。学生の新しいメアドは大学がくれないから、学生から収集する必要がある。
このメーリングリストは大学公式ではないよ。参加するかどうかは各自の自由だよ。でも担任等から連絡が行くよ。それでよかったらメアドを管理者まで送ってね。
というわけだ。大学はメーリングリストに変な情報が流れることを極端に恐れているのだ。どうやら前例があったらしい。担任が用件でもない、つまらんことをつらつらとスマホメールで流したことがあったらしい。だから学生は受信拒否にしてしまい役たたずになったらしい。そのトラウマがあるらしく、なかなか大学公認メーリングリストを作ってくれない。
昨日の委員会で2、3年生のどれだけが新しいG-mailに移転したを調べたら、30%程度との報告があった。それではメアド収集ができない。学生に新しいメアドをよこせと言っても移転していなければ収集は不可能だ。
学生へどのようにしたら、YahooメールからG-mail へ、昔のメールをそのまま引き継いで移転できるのかの説明サイトがあるに違いないと思って、そのサイトを知らせて、移転を促進させようと思ったわけだ。大学のサイトをうろついていたら、なんとすごいページに行き当たったのだ。
教員が、学籍番号、あるいは氏名で学生のメールアドレスを検索できるサイトが用意されていたのだ。検索出力はもちろん新しいG-mailのメールアドレスだ。データベースになっているのだ。その検索ページには検索対象のすべての情報(データベース)が表で掲載されてしまっているのだ。学年、学科名、学籍番号、氏名、メールアカウント、そしてなんということか、初期パスワードまで掲載されているのだ。4年生を除く全学生のだ!!
ひでー。個人情報の漏洩云々をわめく部署のすることかよ。
おかげで、学生が移転してようがいまいが関係なく、学生からメアドを収集することなしに、該当学生のメアドを収集できてしまったのだ。これを使ったら違法なのかな?
[ 追記 ]
当然、該当部署に、人を介して、知らせてやったらそのページは無事削除されましたよ。でも、お礼の言葉もないよ。黙っていたってよかったんだぜ。

iMuSCs

Kinga Vojnits, HaiYing Pan, Xiaodong Mu & Yong Li. Characterization of an Injury Induced Population of Muscle-Derived Stem Cell-Like Cells. Scientific Reports 5, Article number: 17355 (2015) という論文が出て、いわゆるO擁護派といわれる、木星通信とか、同じ人の別名の追求する有志の会とかDORAとかいうブログとか一教育者研究者のコメント欄にいるJ. ワトソンなんかが大喜びなわけだ。Oはすばらしい。発想は正しかった、なんて多騒ぎしている。
こっちの分野は素人だから、誤解があるかもしれないし論文も読んでないから間違いかも。筋組織には、収縮する筋細胞(筋線維)だけではなく、衛星細胞や、当然血管や血球その他もろもろが含まれている。心筋が全く再生能力がないのに対して骨格筋は再生能力は低いがある。でその再生は衛星細胞(だけではないかもしれないが)が担っている。筋細胞は複数の細胞が融合した多核の細胞で、この細胞は再生しない。筋が損傷されると衛星細胞が筋細胞に分化していく。この論文で、筋を傷つけると部分的に再プログラムされた細胞(partially reprogrammed from differentiated myogenic cells )ができたというのは、分化した筋細胞ではなく衛星細胞なんだろうな。もし、そうならもともと筋の幹細胞の一種なのだからある意味では当然で、普通、筋では(何らかの制限があって)筋細胞だけに分化するのだが、単離するともうちょっと脱分化して他の胚葉の細胞にまでなれちゃったのではないだろうか。筋の性質はそのまま発揮しているらしい。ただし、脱分化の程度は完全ではないので、キメラにしたとき生殖細胞にはなれない。山中因子の1つをインジェクトしたら完全な幹細胞になったりしてね。もはや否定された”STAP細胞”は”胎盤にまでなれた”んだから、STAP細胞の存在が証明されたわけではない。
OというかV の発想は昔からあって、別にO独自のものではない。イモリの目玉とか、手足が再生するのは100年以上前から分かっていて、植物ではこの脱分化・再生が容易で、動物と決定的に違うところなのだが、動物でも例外的に脱分化して再生することがありうることが知られているのだ。ただし植物のように全能にするのは、特別な操作が必要だ。だから脱分化、リプログラミングさせる方法は多くの人が探してきたわけだ。Oが素晴らしいのは”酢漬け”という極めて簡単な方法を開発したと宣言したからなのだ。しかし、これがインチキだったのだから、仮に将来、iPS細胞のような遺伝子注入ではない、細胞を外から刺激して幹細胞を作る方法を誰かが開発したとしても、Oの名前は単なる詐欺師の一人にしかカウントされないだろう。
STAP細胞のときは、第一印象はES細胞のコンタミでは?だったけど、素人がES細胞?と考えるくらいだからES細胞ではないことは完全に証明しているだろうなと、当時は思ったのね。今回の筋も衛生細胞?と思ったわけだけど、これも素人が思うわけで、ちゃんと衛生細胞ではない、多核の筋線維が脱分曲したと証明しているんだろうな?と論文も読まないで考えているのさ。

FD・SDという研修

大学の教員の研修をFD(Faculty Development)、職員あるいは教員も含めた研修をSD(Staff Development)といって、どこの大学でも実施している。いつからか文科省がやれということで、有名国立大学では、名ばかりで実質的には実施していないところもあるようだが、中小の私立大学では実施しないと文科省ににらまれ、大学の存続に繋がるのだ。
あっちの大学でも昨日の土曜日にあったわけだ。平日は授業があるので土日開催となるわけだ。当然、出欠を記録し、学部学科別出席率が計算され偉いさんの委員会等でなんとか長が嫌な目に会いたくないので、各学部で出席が強要される。
今回のテーマは、キャリア教育と学生相談室の学生への対応、中途退学防止方法の3つだ。後ろ2つは学内の教員等のレクチャーで、だから当然本学の学生に沿った内容でそこそこだった。最初のキャリア教育については学外から講師を招いての、一方的なレクチャーでなんと2時間もある。講師の用意したパワポのスライドは70枚を超える。そのスライドのサンプルは
20151122BadPresentation-1
とか
20151122BadPresentation-2
だ。最初のスライドはわかるよね。何が悪いか。あまりにも文字数が多いのだ。読めないのだ。配布資料でも、パワポに備わっている資料作成プログラムで印刷したので、余白が大きくなってしまって文字が小さく読めない。どうやったらスライドをパワポのデフォルトではなく余白を小さくし図を大きくした資料を作成できるかは、以前書いた。どうやら最初の図は文科省でのキャリア教育についての答申をスライドにしたらしい。「らしい」というのは前後の話から判断しただけで、その前後の話もよくわからないから、答申をまとめたのか、答申を批判したのかもわからなかった。不明瞭な発言なので資料を読もうとするが、その読もうとしたスライドは口頭説明では飛ばして説明してくれない。
2時間で70枚は無理でしょ。案の定、何枚もすっ飛ばした。90分の講義でも25枚がいいとこ最大だ。学会発表では10分では最大10枚だけど、学会だからね。専門としている人の集会とは訳が違う。
2枚目のはグラフがあり横にある文字列も読める大きさだ。しかし、グラフの横軸・縦軸がなんであるか、スライドも資料も文字が小さくて読めないし、口頭で説明は一切ない。どうやら、国によって労働観・勤労感が異なるというものらしく。プロットは国のようなのだが、どのプロットが日本なのか全くわからない。この図は資料からスキャンしたもので、確かグラフの右上がブラジル、左下が日本と口頭説明があったようで、書き込みがある。しかし、このグラフで何を説明/主張したいのかわからない。横の文字列についてはグラフとの対応についての説明がないから、このスライドを示している目的が理解できない。「ビルゲイツは大金持ちなのにまだ仕事をしている」はいいでしょ。事実だから。だからなんだというのだ?それを話せよな。
2時間もついやして、なにやら喋っていたのだが、最後の結論もさっぱり理解できないというか、結論があったんだろうか?管理者だけの感想ではなく、帰りに複数の同僚と話した結論も同じだ。
この人は九州大学のなんとか教育研究センター長・教授なのね。こういう奴にこそ、FDとしてプレゼンテーションのリテラシーを教えるべきだ。説明にでてききた引用も1937年の大学と社会のつながりとかいう外国論文だぜ。戦前だぜ。どうやら教育学という分野ではこんなものらしい。
教育学を教えているからといって教育方法を習得しているとは思わないけど、それにしてもひどかった。学長のお友達かもしれないが、そんなことで講師を選んで欲しくないね。2時間座っているのが苦痛で、隣にたまたま座っていた助教?のお嬢さんに、今回のFD・SDのアンケートの自由記載欄にボロクソに書いてやったのを見せてクスクスやっていたよ。それにしても、皆さん我慢強いですね〜。管理者はそれでもなんとか理解すべくスライド、口頭説明、配布資料から何が言いたいことなのかを考えたのだが、できなかった。
つらい午後だったな。
[ 追記 ]2016年1月14日
この公演についての評価が出た。
20160114evaluation
このFDに参加した161名の評価は、とても満足と満足を合わせると60%になる。信じられない。管理者は当然「とても不満」を選び、自由記載欄にはボロクソにコメントしたのだが…
まともに聞いていないんだな。きっと。内容を理解できたんだろうか。アンケートにはいい加減に答えたんだろ、きっと。学生アンケートに学生がすべての項目に3の「どちらとも」なんていうところにマークしたら怒り狂うくせに。どうやや聴衆(教員)の程度もこんなもんなんだろ。どっちもどっちなんだ。

optimistic pressure

小保方氏の博士号は剥奪され、修士、博士課程単位取得中退となったわけで、これに対して何の異議もない。小保方氏も早稲田大学もめちゃくちゃだったわけで、早稲田大学の博士論文審査のいい加減さが笹井氏の自殺の遠因となったといっても過言でないと思う。もちろん小保方氏のデータ捏造と笹井氏のiPS細胞への対抗心・あせり・すけべ心が、より直接的な原因だろうけど。
一研究者・教育者の意見を愛読しているのだが、ここで、果たして国会図書館に製本納品されているいわゆる「草稿」より進展した審査会提出論文があったのだろうか?が話題になっている。現時点で、存在する論文は、この草稿と、昨年、早稲田大学にメール添付で送付された「小保方主張論文(主張論文)」だけで、ほかの論文が存在したのかわからない。主張論文は国会図書館にある草稿がネットで暴かれ、数々の批判があったあと作成された可能性のある電子ファイルだ。
管理者は、ないという立場だが、一研究者・教育者の意見のブログ主はあると考えている。
早稲田大学の審査員であった、主査=指導教員の常田氏は、研究分野が異なり、理解できていない。同大学の竹岡氏の専門分野も高分子化学・工学で専門外で理解できていない。東京女子医大の大和氏や、ハーバード大のVacanti氏は、再生医療専門なんだろうけど、常田氏は彼らに教育を依頼したわけで、依頼先の専門家がいいというし、副査でもあるので、審査はおざなりだったに違いない。Vacanti氏にいたっては審査なんかやってないというし、サインもない。でたらめだったのがよくわかる。
こういう審査体制で、一研究者・教育者のブログ主は「もし「公聴会時論文」が著作権侵害画像を多く含んでいた「草稿」であったならば、いくら何でも審査委員は調査においてその旨を述べていたはずである。調査委員会は「草稿」と「公聴会時論文」は異なり、共に存在していたと報告している。」というが買いかぶりだろう。調査委員会に対して、常田氏は、読んでないなんて、口が裂けても言えなかったにちがいない。ほんの少しの指摘をもって「読んで指摘した」と言い、審査を実施したとしなければ、1ヶ月の懲戒休職で止まらなかっただろう。「調査委員会は「草稿」と「公聴会時論文」は異なり、共に存在していたと報告している。」も調査委員会の推測だけで、紙の束=提出論文があったことを確認しているわけではない。主査と副査の常田氏と竹岡氏は審査時提出論文を小保方氏に訂正のため返却したらしいが、もう一人の副査の大和氏への事情調査は行われておらず、もしかしたら提出論文が大和氏のところに残っているかもしれない。しかし大和氏は、STAP細胞発表時には饒舌であったが、そのあと病気になったようで一切の発言がないのでわからない。Vacanti氏は副査をやっていないというので論外だ。
早稲田大学 大学院先進理工学研究科における博士学位論文に関する調査委員会 調査報告書 の39ページにお笑いがある。「草稿にoptimistic pressureということばがあり副査の竹岡氏が「osmotic pressure」と変更しろと指摘したと主張するが、公聴会でそのような指摘があったかどうか誰も覚えていない。常田主査はそのような単語を知らなかったから言われても気がつかない。小保方氏も理解できていないから、主張論文で訂正されていなくてもありうることだ」だって。
おいおい、optimistic pressure(楽観圧というんだろうか?)なんて言葉はないから知らないはいいけど、osmotic pressure(浸透圧)は中学生だって知っていることだぞ。小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑 小保方晴子の博士論文について で「optimistic」で検索すると、確かに草稿にあることがわかる。だから竹岡氏が草稿を眺めて、確かに気がついたのかもしれない。optimistic なんて単語は科学論文の方法や結果にありえない単語だからな。しかし、ネットのだれも、osmoticの間違いだと指摘していないので、主張論文はそのままなのだ。これが、主張論文は提出論文ではなく、草稿をネットの指摘から修正したものという証明にもなる。つまり、提出論文なんてなかったのだ。
テラトーマについての議論は、上記報告書の35ページに、「草稿にはない図が、プレゼンテーション資料にあり、このテラトーマの実験は本質的に重要な点であるので、審査会提出論文にもしこの図がなかったら、審査員が気づくはずで、その指摘がなかったので、提出論文があったにちがいない」と推測している。主査の常田氏は工学の化学出身、竹岡氏も高分子の工学で発生学について理解があるかどうかわからない。こういう人がテラトーマの重要性に気がついているかどうか疑問で、提出論文=草稿を眺めただけなので気がつかなくても不思議ではない。
提出論文があった・なかったは証拠がないからどちらの主張も推測でしかないけど、早稲田の審査のでたらめ、小保方氏のずぼらが相まって発生した事件でしょう。
小保方氏は結果が分かっていることを、真面目にやらないのは、STAP細胞増殖カーブ実験でもよくわかります。結果が分かっているというのは小保方氏が誤解していることで、その誤解に基づいた図を作成したりしているのでよくわかりますね。博士論文も博士号を取得できるのが分かっているから、そして、形だけがあればいいのだから草稿をたった2部だけ製本して提出したんですね。2部しか必要としないし、だれも読まないだろうと思っていたからです。自分自身が持っていないとは信じられない行為ですね。
STAP細胞事件でも、「そんなことはしないはず」「こうするはず」「こうなるはず」で誰もチェックすることがないので、捏造が発生しちゃったんですね。ご本人はぼこぼこに叩かれても、なぜ叩かれたのかの反省もなく、めげないようで、それはそれで、もう研究の場には立てないのでいいとしても、早稲田の責任は重いですな。

実験ノート

管理者は1年生の生理学実習担当なわけで、実習では実験ノートを記入させることを指導している。
どうせ書かないのはわかっているから、前期終了時に実験ノートをチェックするからと提出させるわけだ。それでも後期の実習では、実験ノートを持参せず、配布した実習書の隙間とか裏に計測結果を書いている。そういう学生を見つけるたびに
20151117pikopikohammer
で頭を、ピコっとたたき、「◯△方になっちゃうじゃないか」と言うのだ。暴力教師なのだ。昨年の実習では受けたんだけど…. 今年は一部学生に受けている。来年は「◯△方て誰?」になるでしょう。
今日、2年生の別の実習に参加することになったのだが、実験ノートを持っている学生はほんの少し。なんてこった。全く身についていない。明日の実習は抜きうち検査だな。

吾輩は猫である

一研究者・教育者の意見というブログがあって、ブログ主はどこかの大学の研究室を主催する教授クラスの方のようで、例えば研究費の配分などで良い意見を吐くことがある。このブログを立ち上げたのはSTAP細胞事件がきっかけで、小保方擁護派でも批判派でもないと自称しつつ、擁護に傾き、上から目線の意見を出すのだ。管理者は小保方さんの最初の記者会見で魅了されてしまったジジイ群の一人と思っている。このブログのコメント欄に、在米ポスドクと称する方がしばしば訪れて、管理者からみると、適切な意見を述べている人の一人だ。というか、コメント欄に投稿している中で、最もまともな意見を述べている方と思っている。
この方が、なんと、この書きなぐりブログを見つけてコメントしてくれた。管理者の計算ミスを指摘してくれたのだ。そのあとのコメントに「コロンバスと云う名は日本語で何と云いますかと聞かれて三日三晩かかって答を工夫する」クシャミ先生を思い出すとあったのだ。なんか、博識の方ですな。吾輩は猫であるを最後に読んだのはいつかな?こんなフレイズがあったことなんか覚えていないな。
アバタの偏屈な胃が弱いノイローゼか。アバタはない。時代がちがうから天然痘に感染したことはない。偏屈…あるかも。胃潰瘍の経験があるから胃が弱いも当たっている。ノイローゼ…最近はこの言葉をつかわないけど、ま、これは違うようだ。のーてんき だからね。

大宅健一郎

小保方氏博士号剥奪で責任逃れの早稲田大に、「論文読んでない」と批判噴出 大宅健一郎  というのが、小保方擁護のFaceBook のサイトで紹介されていた。
その記事によると 11/9(月)〜武田邦彦・半井小絵・居島一平〜【虎ノ門ニュース 8時入り!】  53分15秒〜 に 「武田邦彦が小保方氏の論文を読み「学問的価値があり、立派な論文だ」と評価」と言っている書いている。事実、武田は、このような発言をしているが、このビデオの前後関係から武田邦彦が読んだという論文は、多分 Natureに投稿された論文だ。そして、武田邦彦は専門が違うからこの論文を評価できない。事実、このビデオが録画された時点では、retract され、内容が否定されたのだから、以前に武田が眺めたのだろうけど、武田は読めないことが明らかになったのだ。仮に、ネットにある早稲田の博士論文=いわゆる草稿=の方を読んで、立派だなんていっているのだったら、早稲田の審査員が論文を読んでいないと批判することはできないだろう。なんせ、あの「草稿」は論文の体をなしていないのだから。どうやら、このビデオでは武田は、博士論文とNature投稿論文の区別をしていないようだ。いいかげんな、やつなんだよ。大宅なんちゃらというのもよく見てないんだな。
さらに、大宅健一郎は「回避された大学側の責任追求」として、指導教員や総長自身が処罰されたことにひとことも触れていない。処罰の程度の軽さはあるかもしれないが、言及しないというのは酷いやつで、ジャーナリストなんて自称できないだろう。 多分この大宅なんちゃらはペンネームでなおかつ単独の人ではないのでは。
早稲田大の審査委員が「論文読んでない」と批判されてもしょうがないが、だからといって小保方の行ったことが許されるわけではないし。小保方は、むしろこの制度を運用するズボラな教員のすきまをうまくついたと言うべきだ。