盲点

mじゃないけど、固定観念に縛られた頭を改訂するのは大変だ。
配布したプリントに

という図を掲載して「右目だけで黒い十字を見て、紙面との距離を変えると黄色の丸が見えなくなるところがある」から、やってみなさいと講義中に実施させたわけだ。
網膜の視神経乳頭、いわゆる盲点は、視神経とか血管の網膜を貫通する部分で視細胞がないからここに来た光情報は検知されない。ではどのように認識される?
んでもって、講義の終了時に4肢選択10問の、その講義内容の小テストを実施したわけだ。

盲点には視細胞がないから盲点に投射された光情報は得ることができない。この部分は
1. 黒い円と認識される。
2  白い円と認識される。
3. 灰色の円と認識される。
4. 盲点周囲の情報で補完される。
のどれか?

「光情報がない=黒くなる、あるいはニュートラルの灰色になる。白は光情報があること。補完など意味が分からん」というのが、多分、実施する前の彼らの常識・先入観だろう。補完されるというのが講義で実施した結果だ。
情報がない場合は、ないという情報を無視して辻褄があうように大脳では情報処理されるんだよ というのが講義の趣旨だ。
102名の受講者が選択した結果は
1. の黒い円:4名
2. の白い円:0名
3. の灰色の円:15名
4. の補完される:82名 80%
うーん。授業中、自分で実施しなかったの?なんで、こんな自分自身で実施して経験する、印象に残る実験で100%が正解できないのか。どうだったかを学生さんに発言させ、青い縞だと答えた学生が多かったのにだ。
99%とかだったら、マークミスとかが考えられるけどね。
このような実際に経験させるような事象でも100%にならないのだから、一方的な知識の垂れ流し講義で、論理的に説明するような事を学生さんに理解してもらうのは無理なんだな。