壁打ち

 一問一答ではなく、AIと対話を通じて考えを深めることを、最近では「壁打ち」と言います。
 提供したアイデアに反論を求める、議論を繰り返すことを言います。つまり「一問一答ではなく、対話を通じて考えを深めること」になるわけですが、そうは簡単にいかないのがAIのサイコファンシー特性、あるいは迎合特性と呼ばれる性質です。
 しつこく、質問者の主張を繰り返すとAIは質問者になびいてきて、質問者の誤りが正しいものになったりすることはよく知られています(*)。

 学とみ子曰く:「科学事実の間違いを書くと、「そこは違う」と言ってきますから、科学エビデンスを聞くにはとても頼りになります。」 ← とは限りません。学とみ子のChatGPTへの質問には事実ではない情報を提供していところがありますが、ChatGPTはこれを訂正しません。地球が丸いとか古典的な科学的事実については誤りを指摘しますが、先端の科学ではChatGPTには情報の蓄積がないので、質問者が提示した前提を元に回答を出力することがあります。学とみ子はこの点を認識できないから、ChatGPTが自分の提供した情報に従った回答をしてくれたので嬉しいわけです。自覚してないでしょうけれど、傍から見るとsolo echo chamberを楽しんでいるのです。

 質問が終わったらここまでの質問は誘導的だったかどうかを聞くのです。誘導的だという回答があったら、誘導的にならないような質問に変えて再度質問するのです。誘導的であっても、誘導的であるがその根拠が一次資料に合致しているから、このような質問ではなくてもAIは同じ回答をするだろうというような回答の場合もあります。このような誘導的ではないとされたら質疑応答を公開すればいいのです。

 学とみ子の場合は、誘導的ではないという回答が得られるような質問を作っていたら、学とみ子の主張がなくなっちゃうのでできないでしょうね。

 学とみ子が15日夜追記で曰く「そうしたAIを使って、AIに批判させたり、否定させたりしているだけのため息さんは、一研究者教育者さんとはかなり異なる存在です。」

一研究者・教育者さんと当方は同じ人物ではないので、色々使える道具(AI)の使い方が同じか異なるかなどは議論の対象にならないでしょう。

 学とみ子が言うので一研究者・教育者さんの該当ブログ記事を見たら、「私もそういった実験の経験がないのでAIに聞くことにしたが、それによると高く見積もっても0.1μMであり、現実的には0.01〜0.05μMということだった。」という記述です。これは条件・設定等を入力して計算させた結果ですね。つまり計算機としてAIを使ったようです。これに対し当方は2つの意見を併記しどちらが理にかなっているかという質問で、学とみ子の言うように使い方は異なることがあります。だから何だというのでしょうか?
 学とみ子は、デタラメ情報を提供してAIに同じ意見を言わせるというsolo echo chamber機として使っているので、これまた異なった使い方ですな。だから何だというのでしょうか?
 この追記で、学とみ子は「ロシアのカニングラードの砂すにあるポーランドの回転橋の動画」を質問したらChatGPTは動画は見えないといまさらのように言うわけですが、これはYoutubeの鼎談の話題のときからわかっているはずです。AIは会話を聞き取れず、文字化した情報しか受け入れなかったのです。それともこのときはわからなかったのですかね?

Q: 「しつこく、質問者の主張を繰り返すとAIは質問者になびいてきて、誤った回答をしてしまう場合がある」というのは事実ですか?簡潔にお答えください。

ChatGPT: はい、一部は事実です。

同じ主張をしつこく繰り返されると、AIがその前提を誤って受け入れたり、迎合的な応答(sycophancy)をしてしまうことがあります。ただし、これは望ましい挙動ではなく、現在のAIはその傾向を減らすよう改善が進められています。

「壁打ち」への2件のフィードバック

  1. 学とみ子が16日(木)朝さらに追記です「元の一研究者教育者さんに戻るが、JIPが、切り出された腸管から生じると言うなら … 異常であるし、社会学者が問題視してくれることになるだろう。」の部分です。

    しかし、どうして「冷凍から出したESは、実験に供するに培養調整が必要だ。そのくらい、ES能は、微妙なものであるし、分化細胞から人工的な幹細胞化などは容易には起きない。」などという文章を平気でアップできるのだろうか?
     「冷凍から出した」冷凍庫から冷凍食品を出して解凍するのと同じといえば同じですけど、もう少し丁寧な言い方があるでしょ?「ES能」などという単語は誰も知らない学とみ子の造語だし、ES細胞についての記述が途中で分化した細胞の話になっている。こんな意味の通らない文章を平気で公開するのだから、恥という言葉は学とみ子の妄想脳内にはないのでしょうね。

    「査読者がESコンタミを疑った理由についての解説もなかった。」 ← 査読者が疑う根拠などの解説が必要なのだろうか?この分野を知っている大学生ですらコンタミを疑う理由はすぐわかる。

    「しかし、理研内には、同一視させてしまう人たちもいた。」 ← 根拠のない妄想でしょ。いるのなら名前を挙げてみたら?

    「専門家が一切、STAP議論に参加していないのである。」 ← してますよ。本庶佑氏はその典型でしょ。

    「ある意味、人々は、黙らされてしまう社会への懸念を感じたのではないだろうか?」 ← ??社会つまりネットの社会があったから、STAP論文のインチキがすぐに露呈されたのです。誰も黙ってなかったし、圧力がないから疑念がすぐに広まったのですね。

    「それが、小保方擁護にも繋がったと思う。」 ← 「それ」とは「黙らされてしまう社会への懸念」??小保方擁護の原因は小保方氏の記者会見での容姿とおべべと発言内容(嘘だったけど)ですよ。学とみ子がこの記者会見で騙された方の典型でしょ。話の内容ではなく容姿とかを話題にしていたでしょ?

    「全マスコミが、人びとに、ESねつ造説を思わせる方向へ導いたは、異常であるし、社会学者が問題視してくれることになるだろう。」 ← マスコミがES捏造説を言い出したのではありません。STAP細胞研究不正事件とマスコミやSNSについてを話題として取り上げた社会学者の名前を挙げてくれとAIに聞くと;
    林香里(メディア報道・ジェンダー)
    水越伸(メディア社会学)
    毛利嘉孝(文化社会学・メディア論)
    遠藤薫(情報社会論・SNS)
    粥川準二(STS・科学ジャーナリズム)
    佐倉統(科学社会学・STS)
    武田 徹(メディア社会学)
    田中 幹人(科学ジャーナリズム論)
    八代 嘉美(科学コミュニケーション研究)
    榎木 英介(科学ジャーナリスト)
    等の各氏の名前が挙がります。つまり既に問題にしているのです。この学とみ子のセリフはこれらの方々の意見を聞いた上でのことではないのでしょ?彼等が何をどのように問題にしたのかを読んでから言えよ。「なっている」のだから「なるだろう。」などと言えないでしょ。安易に嘘をつくな。

  2. 今回の状況は、専門的な議論が無いSTAP議論とは別だ。
    コメントに、STAP細胞事件と混ぜてしまう意見は、AI時代には、もはや機能しない。
    STAP議論に参加した人たちは、ESの変質には全く目が向かない人たちであった。

    冷凍から出したESは、実験に供するに培養調整が必要だ。そのくらい、ES能は、微妙なものであるし、分化細胞から人工的な幹細胞化などは容易には起きない。
    査読者がESコンタミを疑った理由についての解説もなかった。
    専門家たちは、「特定物質を加えて培養を繰り返さなければ、幹細胞など生じない」とは言わなかった。
    STAP細胞は、未知の細胞ポテンシャルを証明したかもしれない・・・細胞だったからである。

    理研の内部で、STAP細胞に疑惑を感じた研究者はいろいろいたであろうし、学術界は、実験者が気づかないESコンタミリスクへを懸念した。
    理研内に渦巻いたのは、本来、個人のESを使ったねつ造疑惑とは、全く別の範疇の疑惑である。
    しかし、理研内には、同一視させてしまう人たちもいた。

    専門家が一切、STAP議論に参加していないのである。
    ある意味、人々は、黙らされてしまう社会への懸念を感じたのではないだろうか?それが、小保方擁護にも繋がったと思う。
    全マスコミが、人びとに、ESねつ造説を思わせる方向へ導いたは、異常であるし、社会学者が問題視してくれることになるだろう。
    (学とみ子ブログより)

    「コメントに、STAP細胞事件と混ぜてしまう意見は、AI時代には、もはや機能しない」と学とみ子が言っていますが、学とみ子の妄想からくる願望ですね。

    「STAP議論に参加した人たちは、ESの変質には全く目が向かない人たちであった」と学とみ子は言っていますが、それは私たちではなく、学とみ子ら小保方支援者ですよ。
    ES 細胞の変異について、小保方が理研にいる間に「検出された ES 細胞の変異は起こらず、数年にわたる長期培養による変異だ」と言っていたのは学とみ子らでしたよね。
    ES 細胞は、条件次第では数多くの変異(SNP 変異も同様)が発生するものです。
    学とみ子は自分の主張によって、ES 細胞は変異しないとか、変異するとか、全く一貫性がありません。

    「冷凍から出したESは、実験に供するに培養調整が必要だ」と学とみ子は言っていますが、私は「凍結細胞、特に長期凍結保存した細胞は、解凍時にその多くの細胞が死滅、または、解凍時に多くの変異が発生すると説明したわけですね。解凍操作やその後の回復培養ではその過程で変異クローン選択や培養変異が蓄積します。私にとっては今更感があります。

    「分化細胞から人工的な幹細胞化などは容易には起きない」と学とみ子は言っていますが、科学的に正しくありませんよ。STAP 細胞とされた酸暴露後細胞は、多能性はあるが増殖性がない、というものです。通常、定番の LIF 培地による培養がありますが、多能性幹細胞の培養方法は、数千にのぼります。細胞が増殖するメカニズムは一つではなく、複数の複雑なメカニズムです。そのため、ある方法では増殖性が見られなかったが、別の方法を試すと自己増殖性が機能したということがあります(容易かどうかは条件によりますね。)
    『専門家たちは、「特定物質を加えて培養を繰り返さなければ、幹細胞など生じない」とは言わなかった』と学とみ子は知ったかぶりで言っていますが、専門家がそんな嘘デタラメをいうはずがありませんね。単に学とみ子が無知なだけです。

     その中からいくつかをピックアップしたのが、ACTH 培地による STAP 幹細胞化であり、FGF4 培地による FI 幹細胞化という話(論文)でした。
     小保方は、ES 細胞を含まない酸暴露後の細胞から「STAP 細胞は何をやっても増殖しない」と言い、ES 細胞と酸暴露後の細胞の混合塊を若山先生に渡していたわけですね。その混合塊を ACTH 培地や FGF4 培地による培養を行なえば混入した ES 細胞は自己複製しますね。

     何より、その自己複製の能力を調べたのは、若山先生ではなく、小保方であって、その小保方はあろうことか、ES 細胞の自己複製能のデータを使用して「STAP 幹細胞の細胞増殖率測定を捏造」しました。小保方は ES 細胞を用いて「捏造」したと証明されているんですね。この「STAP 幹細胞の細胞増殖率測定」で、STAP 幹細胞の増殖率を推定するにしても、STAP 幹細胞の希釈率等を用いるはずですが、小保方は STAP 幹細胞の増殖が ES 細胞によるものであることを知っているから、ES 細胞(129B6F1ES1)のデータを用いたと桂調査委員会に証言したわけですね。ボロが出たわけです。そもそも、この「STAP 幹細胞の細胞増殖率測定」において、コンフルエントになったら、計測、植え継ぎをしたと細胞増殖率を測定している。細胞増殖率の測定は、コンフルエントになる前の対数増殖期(細胞が一定時間ごとに倍々に増える)に測定しなければならず、コンフルエントになってしまったら細胞の増殖は速度低下または停止します(定常期)。小保方は増殖率測定の基本を知らなかったんですね。
     小保方が、「STAP 幹細胞は長期培養に耐える自己増殖能を得た」と若山先生に虚偽報告し、そして、「STAP 幹細胞は若山先生の担当だ。私に責任はなく、責任があるのは若山先生だ」と責任転嫁したわけですね。非常に質が悪いですよ。
     学とみ子は「STAP 細胞は幹細胞化しない」=「小保方が幹細胞化したかのようなデータを捏造した」ということを言っているわけですね。小保方は小保方研試料の STAP 幹細胞 FLS に対して、「自分(小保方)が作成した」と聴取記録が残っていますし、桂調査委員会でも「FI 幹細胞をひとりで作成したが、論文には使用していない」と小保方は証言しています。小保方は「STAP 細胞はどうやっても増殖しない」と言ってもいますが、この聴取記録、調査委員会での証言は明らかに矛盾します。
     小保方は、ES 細胞を含まない酸暴露後の細胞から「STAP 細胞は何をやっても増殖しない」と言い、ES 細胞と酸暴露後の細胞の混合塊を若山先生に渡していたから、小保方はついボロを出してしまったと考えるのが最も合理的です。

    「査読者がESコンタミを疑った理由についての解説もなかった」と学とみ子は言っていますが、引用していないので第三者に全く内容がわかりませんね。普通の人は過去の査読文書は読みませんよ。
    査読者がESコンタミを疑ったというのは?
    Nature 誌の査読? Science 誌の査読? Cell 誌の再読?
    Nature 誌の査読では、ES 細胞の混入の疑いの話は無かったはずです。
    Science 誌

    I think these are more likely to be ES cells acquired by cross contamination and selectted for growth by the B27-LIF medium.
    (緑色のコロニーは STAP 細胞ではなく、実験室内で混入した ES 細胞が B27-LIF 培地で選択的に増殖した可能性が高い)
    (Science 誌の査読文書 Reviewer1)

    とありますが、これのことですかね。
    “This would explain the results on marker expression, promoter demethylation, dierentiation, and chimera formation.”と続いています。つまり、多能性マーカー、DNA 脱メチル化、分化能、キメラ形成は、ES 細胞混入だけで説明ができると説明されていますね。つまり、ES 細胞で説明できるものなので、「ES 細胞とは異なり、体細胞由来である」ことの根拠を示せ、という指摘に繋がっているわけですね。

    「専門家が一切、STAP議論に参加していないのである」と学とみ子は言っていますが、学とみ子の妄想による願望ですね。実際には、幹細胞研究者等多くが議論しています。学とみ子が「知らないふりをしている」「実は、本当に知らない」だけですね。ES 細胞と分化細胞の混合が可能か、ということも議論されていますが、学とみ子の中では「議論されていない」ことになっていますし。そもそも、「ES 細胞と分化細胞の混合が可能か」という話は論外で、「ES 細胞と分化細胞の混合するとどれだけの期間でキメラ形成能が低下するか」という影響内容とその期間の問題なんですよ。ES 細胞と分化細胞の混合による影響は、京都大学 iPS 細胞研究所 CiRA にて、iPS 化した細胞と iPS 化しなかった分化細胞の混合の影響が実験されており、そのコントロール実験として、ES 細胞と iPS 化しなかった分化細胞の混合の影響と比較されています。この実験は、論文にも記載されているのですが(自分で探せ:笑)、論文等の Abstract やキーワードに出てくるような主要な実験ではないので、ChatGPT やその他検索では出てこない内容です。そもそも、iPS 細胞は臨床応用する流れがあります。より高頻度・高精度の iPS 細胞を得ようと研究しているため、このような実験は行なわれていないはずがないのですよ。
     単に「ChatGPT やその他検索では出てこない=そのような実験は存在しない」と学とみ子が思い込んでいるだけで、幹細胞研究者は学とみ子を笑っているんではないですかね。

    そもそも“相互作用による性質の変化は、一般に接触した瞬間に全体へ及ぶのではなく、時間をかけて広がる(Latency と Graduality を持つ)ことが多い”のですね。
    2つほど例を挙げます。

    ① 腐ったみかん
     これは、カンキツ果実の収穫後病害(postharvest decay)として、病原菌(主に Penicillium digitatum:ミドリカビ病菌)の感染・伝播・進行を研究した論文を見ていくと参考になります。

    1. 腐敗果実から健全果実への伝播を直接調べた論文
    “Spread of Penicillium digitatum and Penicillium italicum During Contact Between Citrus Fruits”Phytopathology 72:116–120. Barmore CR, Brown GE (1982)

     この論文では、腐敗したカンキツ果実と健全果実を接触させ、どのような条件で感染が成立するか、どの程度の時間で伝播するか、湿度や接触状態の影響等を詳細に調べています。
    この論文で重要なのは、接触した瞬間に感染するのではない、病原菌の菌糸や酸性物質の作用によって感染条件が整う必要がある、、湿度や傷の有無などによって伝播速度が変化するということですね。

    2. 感染の時間経過を解析した研究
    “Elucidation of the Initial Growth Process and the Infection Mechanism of Penicillium digitatum on Postharvest Citrus”Microorganisms (2019)

     この研究では、感染後、約3時間で胞子発芽開始、約48時間で腐敗が明瞭化、約60時間で感染率が急増、約96~132時間で果実全体へ腐敗が拡大という時間経過を解析しています。つまり、腐敗は接触直後に一気に伝播するのではなく、段階的に進行することが実験的に示されています。

     STAP議論との関係として、「相互作用による変化、生物学的な性質の変化、とくに遺伝子発現、分化状態、感染、組織形成などの変化は、時間依存的・段階的に進行する例が多い」ということです。
     その意味では、①腐ったミカンの腐敗伝播、②がん転移はいずれも、「生物学的な相互作用には時間的遅れ(Latency)や段階性(Graduality)があることが多い」という概念を説明する、時間依存性という一般的な性質を説明する比喩・類例として適切かと思います。
    「ES細胞と分化細胞が接触した瞬間にキメラ形成能を完全に失う」といった学とみ子の誤った主張に対し、「一般に相互作用による性質変化には時間的な遅れや段階性があることが多い」という考え方を直感的に理解することができると思います。

    ②がん転移
     がん転移も「時間依存的な進行(LatencyやGraduality)の概念」を説明する比喩としては適しているかと思います。
     がん転移は、一般に次のような段階を経ます。

    (1) 原発巣のがん細胞が周囲へ浸潤する。
    (2) 血管やリンパ管へ侵入する。
    (3) 循環中を生き延びる。
    (4) 遠隔臓器に到達する。
    (5) 定着する。
    (6) 微小転移巣(micrometastasis)を形成する。
    (7) 増殖して臨床的に検出可能な転移巣となる。

     この一連の過程は段階的であり、接触や移動が起こった瞬間に転移が完成するわけではありません。転移成立までには、がん細胞と周囲組織、免疫系、微小環境との相互作用が積み重なる必要があります。

     がん転移の話も「相互作用の影響は一般に時間をかけて現れることが多い」という共通した概念を説明する例になりますね。

     相互作用による生物学的変化には、感染症の潜伏期間やがん転移の進行、細胞間シグナル伝達などに見られるように、時間依存性や段階性を伴う例が多く知られています。したがって、「ES細胞と分化細胞が接触した瞬間に ES 細胞のキメラ形成能、GLT 能力が完全に変化する」と考えるよりも、まずは変化の程度や速度を実験的に検証すべきなわけです。

     誤解のないように但し書きしておきますが、私は「腐ったみかんやがん転移とES細胞は同じ現象だ」と主張しているのではなく、生物学では相互作用による変化が時間依存的に段階的に進む例が数多くあるため、ES 細胞についても変化の時間経過を考慮した評価をすることが重要であるということです。

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