キメラマウスの実験が必要ないヒト細胞

手元に原本がないので孫引きでもうしわけないのですが、tea*r*akt2さんの小保方氏の研究生活復帰と特許出願の関係という記事にある、筆頭著者によるあの日の記述;

やはり自分が本当に興味ある細胞が変化していく過程の部分を、キメラマウスの実験が必要ないヒト細胞を用いてアメリカで実験を行うほうがいいのではないか。(p107)

は筆頭著者が理解せずに実験を行っていたことを示す一例だ(この通り「あの日」にあるとしたら・[追記:その通りかいてあるのを確認しました])。
ヒト細胞の実験ではキメラ(マウスであるわけがない、何を考えているんだろ?)の実験が「必要ない」のではなく、キメラ作成実験を倫理上「実施してはいけない」のだ。全ての細胞に分化できることを証明するのはキメラを作ることで証明できるのだ。しかし、ヒトの卵を使ってキメラヒトを作成してはいけないのだ。だから実験しない・できないわけで、倫理上問題なければキメラヒトを作成するのが多能性を証明する最も良い手段である。
だからマウスでキメラの作成を試みて、成功したとしたのだが、捏造だったのかアクシデントだったのか記録もないから、本人にもホントなのかわからず、一方、キメラマウスができちゃったという大きな証拠は共同実験者を納得させるに十分な現象で、傍証を集める実験に走ったのだ。共同実験者も本人も”キメラができた”のだから、傍証となる実験結果は、想定通りになるべきと思うわけだ。しかし、筆頭著者が理解していないので、想定とは違うホントの実験結果を共同実験者にもっていったら、これじゃ想定と違うじゃんといわれ、筆頭著者は白を黒にしちゃったわけだ。このとき共同実験者がその傍証となる実験結果をみて、ひょっとしてキメラは間違え?と思ったらこんな事件にならなかったのだが、ES細胞を扱う研究室だからES細胞がコンタミすることが最もまずいことだという常識が当然筆頭著者にあると思うから、コンタミであるはずがないという思い込みで走っちゃたんだよね。もちろんES細胞を使ったなどとは”想定”にもないことだ。
筆頭著者はキメラを作成するのではなく、外部から与えた刺激(酸とか機械的刺激)が多能性を示す遺伝子の発現をもたらす過程を知りたいと、ここでは言っている。もし、Oct4その他多能性をもたらす遺伝子の発現機構を調べたいのなら、キメラができようができまいが関係ない。ヒトの細胞でもマウスの細胞でもなんでもかまわない。
そもそも、ご本人がキメラ動物が最終的証拠であると理解してお願いしたんだろうが。キメラを作ることには興味がないなんて大嘘だろ。多能性を証明したかったんだろうが。
teabreak さんは筆頭著者が研究に戻る・戻れると思っているようだが、不可能でしょうね。データを作る過去のある修士卒博士単位取得者を雇う人はいません。ご本人がPIである研究室を作るしかないでしょ。クラウドファンドを立ち上げるなんて話しがちらっと出たけど擁護の方々は歯牙にもかけないようで、つまり擁護の方々の目的はほかにあるからですね。
[ 追記 ] 2017.6.20
あらま。上記の最後のパラグラフがそっくりそのまま、擁護のブログのコメントに下記のようにコピペされていました。本ブログ管理人がやったんではないですよ。誤解されないように。

2784. 真の目的… 2017年06月20日 06:45
tea*r*akt2e さんは筆頭著者が研究に戻る・戻れると思っているようだが、不可能でしょうね。

擁護の方々は歯牙にもかけないようで、つまり擁護の方々の目的はほかにあるからですね。

引用だったら問題ないのにね。
[ さらに追記 ] 2017.6.20
あっというまに、この「 真の目的…」さんのコピペコメント、ことわりもなしに削除されちゃったよ。擁護の方々にとって、よっぽど、気に触るコメントだったようだ。お笑いですね。

「キメラマウスの実験が必要ないヒト細胞」への6件のフィードバック

  1. キメラ実験を何の為に行なうのか、ということを分かっているとは思えない筆頭著者の記述ですよね。
    筆頭著者はいろいろと理解していないことがたくさんあります。理解はしているというなら、確信犯ですが…
    特に筆頭著者による研究不正の根本的なところ、つまり、科学的正当性や統計的正当性ないまま、矛盾するデータを意図的に削除したり…言えばキリがないのですが…
    筆頭著者が自身のHPで5つのサンプルの遺伝子発現グラフがありましたが、あれは、元データがきちんと測定条件を満たしていない、グラフとして、発現があるように見える、実験条件を満たしていないのを隠した粉飾“ドレッシング”なんですよね。つまり結果的に改ざんということになります。相澤氏にデータについては直接確認しました。
    いわゆる、使えないデータを使っているということです。

  2. (承前)
    “筆頭著者はキメラを作成するのではなく、外部から与えた刺激(酸とか機械的刺激)が多能性を示す遺伝子の発現をもたらす過程を知りたいと、ここでは言っている。”とのことですが、キメラ実験云々以前の、遺伝子発現の正しい評価もできない、いや、しないと言った方が正確でしょうか…お話にならないんですよね。
    teabrake氏はじめ擁護は、筆頭著者が研究者として復活する、と言ってるようですが…どこかの研究室に入るということでは、あり得ないですね。バイトでも雇ってくれないんじゃないでしょうか。自分で研究所を作れば可能でしょうけど…
    今、筆頭著者は日記と称し、婦人公論でモノを書いてますが…精神障害をアピールしています。その原因は様々あるんでしょうが、これは“正常な判断ができない”ということを自らアピールしているのと同じであって、研究者という以前に一般社会人としての問題に直面すると思うんですが…誰か止めてやれよ、と思う今日この頃。

  3. 確か、1990年代末、クローン羊のドリーが生まれて、若山先生がクローンマウスの作成に成功した後、クローン技術をヒトに応用することの倫理的な問題が国際的に大きな議論になったことを覚えています。時のローマ法王がクローン技術をヒトに応用することに反対する声明を出したりしてずいぶん報道されました。その後、国際的なコンセンサスはクローン技術はヒトには応用しないということでまとまっていったと記憶しています。2005年にはファン・ウソク氏のヒトES細胞捏造事件が起こって、受精卵の入手方法や受精卵を破壊しないと作成できないES細胞の倫理的な問題が大きな議論を呼びました。この倫理的な問題を鮮やか乗り越えて見せたのがiPS細胞でした。これらはいずれも大きく報道されたので私でもよく覚えています。素人でさえそうなのに、生命科学を専攻した筆頭著者が生命科学の歴史的な事件であり、生命科学の根幹に関わる倫理的な問題を提起したこれらの事例を学んでいないのでしょうか?とても不可解です。

  4. 大学に入る時から、その時々にある様々なハードルを、勉強することなく抜け道を探し、飛び越えるのではなく、くぐり抜けてきた結末だと思います。本人の資質(といえば綺麗だけど、性癖だな)を自分自身が評価・理解できないのだからしょうがないにしても、早稲田の常田と論文審査機構、東京女子医大の大和・岡野、Vacantiの責任は重大です。これらの場所で引っかかったにちがいないのですが、通り抜けちゃったんですね。先生商売も商品をうまく作らないとね。その仕事には不良品を修正することを含むけれど、修正できなければ市場に出さないとしないとね。理研は先生商売の場ではないけれど、手に入れた部品が不良品であったら捨てないとね。不良品と見抜けなかった・だまされたんですね。

  5. ご無沙汰しています。
    これもあのブログでチラッと見かけたコメントに関係するのですが、、
    Article論文の共著者でもある小島宏司先生がこの4月から聖マリアンナ医大の「臨床再生組織工学」の准教授に就任されていますので、STAP研究を行うには最適の場所ではないかと思います。
    大学から予算を取って研究するのは難しくとも、STAPがあると信じている人達で資金を集めて、委託研究をするこことが可能なはずです。
    必要な細胞や実験動物を考えても、500万円くらいあればできるでしょうし、そこで正規職員ではないテクニシャンとして小保方さんを雇えば良いでしょう。 なにせ小島氏も疑義が出る前には、ヒツジやサルでもSTAP細胞はできると言っていて、いわばSTAP研究では小保方さんの先輩で指導者でもあった人ですからねえ。
    まあ、小島氏が今でもSTAP細胞は本物だと信じているなら、再現できれば格好の宣伝材料になるから、きっと受けると思うのですが、、、
    逆に、このテーマでの受託研究を断るようなら、STAP細胞の真実を知っているのかもしれませんけどね。

  6. Zephyrusさん
    「小保方さんの先輩で指導者」には”捏造の”あるいは”法螺吹きの”という形容が付くのがふさわしいかもね。
    中部大学の武田邦彦も、小島氏が筆頭著者を雇用してSTAP実験をするようなら献金すべきだな。でたらめをTVとかで発言して稼いだんだろうが。渋谷一郎とかも稼いでいるな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です