炎を知らない子供達

戦争を知らない子供たち〜♬という歌があったが、最近の学生さんには、便利な道具に囲まれていて、管理者のようなジジイの常識は通用しないし、清潔にこだわっていているようにみえるから対応する必要がでてきた。
小学校の入学前の親への学校からの案内に、「トイレでは水を流すように教えておいてください」、「水道の蛇口のひねり方を教えておいてください」というのがあるそうな。
そうだよね、自宅のトイレの便座は自動的に開閉するし、お尻がはなれたら自動的に水が流れるしね。蛇口に手をかざすと水がでてきて遠ざけるあるいは一定時間後に水は止まるもんね。
オール電化の家だから、炎が出る物がない。仏壇が仮にあってもローソクはLEDだし、線香は炎がでないもんね。マッチなんか使ったことがないのでは?庭や路上での焚き火なんてもはやありえないしね。炎を知らない小学生がいるようだ。バーベキューはやったことがあるだろうけど、子供は近づけないだろうにね。バーベキューの火起こしなんて大学生でもできないだろうね。
実習でストップウオッチを配布したら、動かないから電池交換しろと学生が持ってきたのは十年以上前のことだよな。ゼンマイ式のアナログ時計なんてもはや30歳以下は知らなくて当然だな。
ホットバスにお湯が張ってあって、これでマイクロチューブに入れた唾液の酵素を失活させるのも大変なんだよね。熱くて触れないのさ。ジジイは平気だから問題にしてこなかったのだが、来年度はトングを用意することにした。やけどしたら大変だから、ホットバスは熱いから注意しなさいと小学生へみたいにあらかじめ注意しないといけない。
食用ガエルの実習では、手袋を供給しないといけなくなった。カエルを素手でというか、つかんだことがないからだ。バッチイものに触れてきていないから様々なものに免疫がないのだろうということで、手術用手袋を使うのが当然なのかもしれない。管理人ジジイのガキの頃はバッチイ物を平気で掴んでいたりしていたわけで、現代のアレルギーの子供が多い理由として、「清潔はビョーキ」なんて説があったりする(この説は嘘ですよん)。ひょっとして、こいつらは魚をさばくのにも手袋を使うのかな。ま、アジの三枚おろしなんてやったことはないだろうけど。
アイマスクをして閉眼での実験では、新品のアイマスクでも、誰かが既に使ったと思うからティッシュペーパーをはさんで使うのだ。
実習室の雑巾は、ジジイの管理人からみたら十分綺麗だと思うのだが、配布しても、当然、雑巾なんだから真っ白であるわけではないので、使ってくれない。真っ白な、まっさらな雑巾を供給するか、キムタオルを供給するしかないのだろうな。