大宅健一郎

小保方氏博士号剥奪で責任逃れの早稲田大に、「論文読んでない」と批判噴出 大宅健一郎  というのが、小保方擁護のFaceBook のサイトで紹介されていた。
その記事によると 11/9(月)〜武田邦彦・半井小絵・居島一平〜【虎ノ門ニュース 8時入り!】  53分15秒〜 に 「武田邦彦が小保方氏の論文を読み「学問的価値があり、立派な論文だ」と評価」と言っている書いている。事実、武田は、このような発言をしているが、このビデオの前後関係から武田邦彦が読んだという論文は、多分 Natureに投稿された論文だ。そして、武田邦彦は専門が違うからこの論文を評価できない。事実、このビデオが録画された時点では、retract され、内容が否定されたのだから、以前に武田が眺めたのだろうけど、武田は読めないことが明らかになったのだ。仮に、ネットにある早稲田の博士論文=いわゆる草稿=の方を読んで、立派だなんていっているのだったら、早稲田の審査員が論文を読んでいないと批判することはできないだろう。なんせ、あの「草稿」は論文の体をなしていないのだから。どうやら、このビデオでは武田は、博士論文とNature投稿論文の区別をしていないようだ。いいかげんな、やつなんだよ。大宅なんちゃらというのもよく見てないんだな。
さらに、大宅健一郎は「回避された大学側の責任追求」として、指導教員や総長自身が処罰されたことにひとことも触れていない。処罰の程度の軽さはあるかもしれないが、言及しないというのは酷いやつで、ジャーナリストなんて自称できないだろう。 多分この大宅なんちゃらはペンネームでなおかつ単独の人ではないのでは。
早稲田大の審査委員が「論文読んでない」と批判されてもしょうがないが、だからといって小保方の行ったことが許されるわけではないし。小保方は、むしろこの制度を運用するズボラな教員のすきまをうまくついたと言うべきだ。

博士論文について その2

博士論文にすでに雑誌に掲載した図、写真が使われることがしばしばあると、前に書いた。博士論文は、公開した雑誌に用いたデータで構築するというのが普通になっている。このとき、図、写真は著作権問題がないのだろうか?博士論文の主旨がすでに発表した雑誌論文の内容と一致するのは当然の事なので、本文を少し書き換えれば雑誌社が保有する著作権はなんとかごまかせるけど、図や写真はそのままでいいのだろうか。
博士論文は、見にくい状況で保管されているが、それでも公に見ていいものだ。国会図書館で読める(コピーには制限がある。半分だけということのようだ)。各大学でリポジトリとして全文をネット公開している場合もある。大学のリポジトリでは、出版された論文そのものの場合、出版社に許可を得たものだけのようだ。
逆に、最近は少ないけど、博士論文にしてしまって(博士審査に通って製本した論文を提出して)、そのデータを別途、雑誌論文にすることもよくある。しかし、雑誌投稿のとき、このデータはどこにも発表していないという誓約をするけど…いいのかな?
雑誌投稿した論文の一部あるいは全部のデータを博士論文に使っていいかは、共著者の許可を得る必要がある。その場合、特許などが絡むと、著者の所属する組織がデータ利用を許可しない場合が出てくる可能性がある。
管理者の場合、博士論文は、博士論文と雑誌に投稿原稿を同時作成のような状況だったし、雑誌の共著者(親分などね)の了解は、当時は、プロジェクトの前提が博士論文にするということだったので、文書として共著者の承諾を得ていなかったと思う。昔は、そんなに気にしていなかったからな。学生のころの論文は、一応ファーストオーサーのLetter というショートノートの論文があったけど、博士論文のデータには使わなかったしね。特許に絡む仕事の経験もなかったね。だから、特に外国の大学等で実施した研究で博士号を取得する場合の著作権等のからみはよくわからない。
大抵、外国の大学・研究所に行くには博士号を取得してからというのが普通だからね。そうでないと、相手先で雇用できないからね。外国の大学院課程に入学するのは別だよ。