申請された書類を審査する委員会の委員をやっている。研究の審査なので、通すことが前提なんだけど、通すためには改訂を要求し、その通り改訂されたら承認だよということになっている。どこでもおなじだろうけど。
申請書類に調査対象者は障害者であるとあった。障害者になにかをやってもらってその後アンケートを取るというわけだ。
やってもらうことが、障害の程度によって過度の負荷になることもありうるし、そもそもある障害を持つ人には不可能になるかもしれないので、対象障害者の範囲(この研究での定義)を明示しないとだめだと突っ返した。そしたら何故か障害者の定義は決めないとの答えが返って来た。だから申請書の該当部分の変更はなされていないのだ。管理人個人の意見ではなく委員会としての意見なので、再提出された申請を承認するわけにいかない。
そこで、身障者だってさまざまなレベルがあるでしょ?小指1本切断したような日常生活にほとんど不自由がなく支援もほとんど必要としない方から、意思の疎通を特定の手段でせざるを得ない視覚障害、聴覚障害、あるいは知的障害者など様々で、これらの人々に同一作業を要求しそのあとアンケートをとっても解析できないでしょ?と丁寧に伝えたというか教育だなこりゃ。
そしたら、再再提出された申請書には、別紙でコメントに対する返事として、「ご指摘ありがとうございます。四肢に障害のある方とすることにしました」とあったのに、申請書は変更されていないのだ。なに考えているんだろ?どうしたって、リジェクトになるよな。
論文の査読でもクレームが付くのが普通だ。あるレフリーがクレームを付けてきたのだが、そのクレームは、言いがかりで正しくないと根拠を添えて、当然、反論するわけだ。経験上そんなクレームがくるわけがない(他の研究者と同じ証明方法だからね)と思っているから、そのクレームを回避するような実験にしていないからね。最終的にはこの議論はChief Editor が判断するわけだ。だから上の例とちょっと違う。ま、Chief Editorがこっちの意見を認めてくれることはめったにないよね。よく知っていると別だけどね。だからといってレフリーの言う条件を満足することはもう何十例というデータをとった論文なんだからできないわけだ。投稿先を変えるしかないんだよね。論文はレフリーによってこんな論文通すものかというのがあるけど、上の審査はなんとか通してあげるよ、でももう少し、それなりの研究結果になるようにしたらどう?なんだよね。
せっかく訂正したのに添付ファイルが保存前で「恐縮ですが、訂正なされたファイルを更新してから再送していただけませんでしょうか?」とお願いするケースが時折ございます。
添付書類を間違えたというのとちと違って、指摘したことを本気で訂正する気がないということなんですよ。
委員会を甘くみているんですな。
この程度の指摘が厳しいからといって、キャンパスが分かれているのを口実に独自の委員会を建てるなんて主張するんですからね。