どうやら、いく先々で、そのボスを食いつぶしていくモンスターだったのだ。
早稲田大学の常田教授は(「あの日」の著者が来なかったら、その指導方法がいいかげんのままかもしれないが問題にもならず)ペナルティを受けたし、東京女子医大の大和教授は、あの騒ぎの時、病気になって(これは「あの日」の著者の責任ではないけれど)、その後回復したらしくなんとか研究所の所長に昇進したようだが、「博多なう」の一言以後、一切発言はない・できない。その後渡米しバーバードの病院の麻酔科のVacanti教授は;
Dana Goodyear The Stress Test Rivalries, intrigue, and fraud in the world of stem-cell research The New Yorker, FEBRUARY 29, 2016. から
But, by the time the news cycle finished, Vacanti’s fears had been realized. He had vanished from Obokata’s narrative. Nature’s news site carried a recording of her talking about how she had come up with STAP. Like Archimedes, she described her eureka moment as having taken place in the bathtub, when she started to wonder if mammalian cells responded to stress by producing stem cells. “I tried everything I could think of,” she says. “Squeezing cells through a pipette, starving cells, and so on.” Martin Vacanti called his brother. “Chuck, have you listened to her description of the eureka moment?” he said. Chuck hadn’t. “She gave the same description I give about the sporelike cells,” Martin said. She was using his eureka moment.
(小保方が日本でリケジョともてはやされることになってから)次のステップに移った時、Vacantiの(無視されるのではないかという)恐れは現実になってきた。小保方は、アルキメデスが金の王冠に銀がどのくらい混入しているかという問題を風呂に浸かった時思いついた(eureka moment)かのように、哺乳類でもストレスで体細胞が幹細胞に変わりうるのではないかと、自分の考えのように言い出したのだ。Vacantiの弟のMartinは「兄貴(ChuckとはVacantiのこと)、eureka moment のこと小保方に話したのか?」と尋ねた。小保方はVacantiのeureka momentをそのまま使ったのだ。(途中略、意訳です)。
と、発想まで剽窃されちゃって(とこの記事のインタビューに答えている)、
At the end of July, Vacanti invited me to Boston. Because of the embarrassment around STAP, he had taken a sabbatical from his chairmanship, and would soon retire from his position. His lab would eventually run out of money, and then close. But his faith in the basic principles of STAP was unshakable. “I will go to my grave still being absolutely certain that it’s correct,” he said.
7月末にVacantiは私(Dana Goodyear)をボストンに招いて言った。このSTAP騒動があるので、サバティカル(休暇)をとるが、そのうち(the anesthesiology department at Brigham and Women’s Hospital)を退職する。資金がないから研究室は実質的に閉鎖になるだろう。STAP細胞は絶対的に正しいという信念を墓まで持っていくつもりだ。(意訳)
とVacanti教授は研究室ともどもつぶれてしまった。
そして、その次に行った当時理研の若山教授はご存知の通り、山梨大学に転任したけど、移動先の本来は研究所所長になるべきところが、研究所長を下された(降りた?)し、「あの日」では陰謀の主犯がごとく言われているし、笹井氏にいたっては、最悪にも自殺だよ。
つまり、師事していく先々で、師と仰ぐ人を食いつぶしているモンスターだったのだ。くわばら、くわばら。
[ 追記 ] 2016.2.28
東大の加藤研究室ではボスが強権的で捏造を教唆したとされている。小保方の場合も理研で若山氏の、「こんなグラフを作れ」という指示が捏造の教唆だ、今度の東京女子医大の大和氏の指導で作られたグラフも、指導者からの教唆に決まっている、こういうことは生命科学分野では当然のように行われているのだと主張する輩がいる。
加藤研究室では複数の部下が捏造したのに対し、今の所、若山研究室や大和研究室の他の学生らに、捏造の指摘はない。指摘されているのは小保方が関係したものだけだ。
推測は勝手だが、これだけのデータで生命科学分野で捏造教唆がごく普通に、どこでも行われているというのは無理筋で、小保方に帰すのが自然ですな。
goodなEnglishをしゃべる大和撫子に、西洋男は東洋の神秘をみたのだ。まして、shabu-shabu.などごちそうになったらいちころだね。
ほんとに、ため息がでる。
(近くの本屋には、「あの日」が5冊あった。第三版。図書館予約順番64番)