医学分野の生理学実習では、食用カエルの坐骨神経を使った神経伝導速度の測定や、坐骨神経+腓腹筋の神経筋標本を使った筋収縮を調べる実習は定番である。医学部でもコメディカルでも生理学実習があるところではごく普通に行われる実習である。
カエルは、動物の愛護及び管理に関する法律で縛られない。両生類だからだ。神経を単離する実験では食用蛙は大きいので好んで使われる。食用カエルは外来動物なので、その点だけが取り扱いに引っかかるが、事実上、どこにもいるわけで、業者を通して購入する分には、ちょっと書類を書く必要があるが、何の問題もない。1尾2000円くらいする。ホントの食用にするには台湾などから輸入した冷凍が安い。しかしこれは当然ながら使えない。
こっちの大学でもあっちの大学でも、カエルがでてくると、ギャーギャー学生は騒ぐ。今年の学生も同じだ。しかし、今年は男子学生で、カエルを見るのも、勿論さわるのもできないのがいた。カエルの形があるまで、物陰に隠れているのだ。神経のみ取り出したら、なんとか実験に参加できる。もう一人の女子学生は、パニックになって、泣き出して実習室からでていった。廊下で落ち着きを取り戻し、カエルの姿がなくなったら実習に参加した。なんてことだ。もう少したったら、解剖実習で本物のご遺体に、ホルマリンに漬かっているいるけど、触ることになるのだが、どうなるんだろ。医療系の大学に入学したんだぜ。英文科じゃあるまいし。
女子学生は、みるのもいやだと実習室に居る事は居るのだが目を覆う。しかし、すきまからチラチラ見ている。かと思うと、平気でカエルを取っ捕まえて断頭する女子学生もいる。
子供のころカエルを捕まえて遊んだ経験がないようだ。TVゲームばかりやっていたんだろ。夜中カエルが鳴くとうるさくて寝られないと言う奴もいるらしい。キャンプなどでは当たり前の「騒音」だろうが。夏にキャンプなんかやったことがないのだろうか。
肉屋、魚屋に行けないのだろうか?スーパーじゃ肉はすべて発砲スチロールのトレイに乗っている。しかし肉屋では骨から肉を切り出している。こういうシーンは見た事が無いのだろうか。もっとも管理者の知り合いで、良い年しているご婦人が、肉屋の肉は筋とは違ってべつのぶよぶよした物と思っていたのがいたけどね。
良く聞くのは海には魚の切り身が泳いでいると思っている子供が居るとの話だ。ホントか?水族館の魚は、スーパーの鮮魚売り場にならんでいるのとは違う物と思っているのだろうか?
ヒトからの採血実習で、ぶっ倒れるのは男子学生が多い。採血されている学生だ。これはまた違うことだが。
[ 追伸 ]
2回目のカエルを使った実習は神経筋標本で、筋収縮を見る実習であった。問題の逃げ出した男子学生を捕まえて、「いっしょにやろうよ、慣れればできるから」といって、逃避した実習室の隅から引っぱりだしている学生がいた。偉い!!
管理者が同じ事をやったらパワハラになるかもしれない。
1回目のときは、顔を覆って見たくないという女子学生は、今度はなんとか、キャーキャー騒ぎながらでもカエルに手をだしていた。やっぱり女は強い。男のほうがなさけない。
実習結果の解説はこっちに書いた、他の大学の教員が読んだら怒るかもね。