アンケートに答えるとクオカードが当たる、というのはよくある。管理者は、当たるではなくて答えたら必ずくれるというのには答えている。回答者全員に1000円の図書カード10枚なんていう景気のいいのがあったこともある。こういうのは特別なターゲットの場合で、多くは500円程度だろ。
国試過去問の問題とその解答・解説をメーリングリストで配信するサービスを3年間続けてきた。1年間、生理学、解剖学、運動学分野で、それぞれ200問、合計600問を配信するのだ。毎週送付するわけだ。すごいね。力ずくで合格率を上げてやるという意気込みだったのだが、効果はよくわからない。
本年度はもうすぐ国試だから、終了した。このシステムが良かったか、役に立ったか等を答えてもらうようなアンケート用webページを作った。4年生だけでなく2,3年生も含めて総計450名以上に送付しているのだが、アンケートに答えてくれたのは、今日現在で、わずか73名。この過去問の送付システムはあまり効果がないと判断すべきなのかな。教員側にとっては毎週5問を選びその正解と解説を作成するというのはかなりの負荷だ。カリキュラムにあるわけではない。ボランティアなのだ。
アンケートの回収率を上げるため、抽選で1000円の図書券があたるとしたが、どうやら意味がないようだ。景品(incentive)の有無・大きさと回収率に関係はないというレポートがある。
Academic Research on Use of Incentives in Surveysという記事があって、その中にThe Impact of Lottery Incentives on Student Survey Response Rates Stephen R. Porter and Michael E. Whitcomb Research in Higher Education, Vol. 44, No. 4, August 2003 という論文が引用してあって、
「Our results indicate that more is not better: increasing the size of the prize did not result in a linear increase in response rates. 」訳すと「結果はご褒美の大きさは回答率の増加に直線的に結びつかないことを意味している。」この表の値を見ると3回の催促のあとでも、ご褒美の額(0〜200ドル)に関係なく15%前後だ。現在の回答率 73/450=16% だからよく一致している。200ドル=2万円だぜ。それでも回答率は、ご褒美なしと大して変わらない
1000円の図書券が抽選で当たるというのは餌にもならないんだ。そういえば、去年も同じ景品にしたのだが、3名の当選者の名前を公開したんだけど、一人はついに取りに来なかった。景品になってないんだ。
自分の行動を見れば、わかるね。1000円の図書券だったら、後で答えよう、ということにして忘れちゃうな。答えた人全員が当たるとしたらもっと増えるだろうが、そんな金はない。用意した図書券は、管理者がなんかのアンケートに答えて手に入れたものだからな。