長年、学生として筑波大学生理に滞在していた学生滞在年数最長記録保持者、H君がついに筑波をはなれて3ヶ月になろうかというころですが、H君を知る皆様、お元気ですか?
縁あって、管理者はH君と毎週会うことになってます。そうです。H君をご存知の方はお分かりだと思うのですが、H君はパーマネントのポジションを得た上、さらに管理者の勤める大学に非常勤講師として週1回来るのです。
そこで、H君を知る方に、H君の近況—相変わらずの行動の一端をお知らせしておきましょう。
パーマネントのポジションを得た大学では、H君が生理学の部下のいない責任者なのです。生理学ではほとんどの大学がウシガエルの神経筋標本の実習を行います。ウシガエルは外来生物の指定を受けているので、いいかげんなところで飼育してはいけないのです。もうすでに、国内にひろまっちゃっているのに、「いまさらなんだ」ということなんですが、規則は規則しょうがないわけです。H君も苦労して申請してウシガエルを手にいれました。教室の水槽で短期間ですが飼育することになりました。最初の晩は、問題がなかったのですが、2日目の晩、やっちゃいました。水槽に流す水がオーバーフローして床が水浸し。
明け方3時までかかって、水をすくいだし、なんとか階下の住人が、朝来ておったまげないくらいにしました。ま、ここまでは、よくある話でH君がやっても、ふーん、やっぱりということくらいでしょ。
朝3時まで、処理に終われましたが、当日は、管理者の大学の非常勤講師です。朝8時まで寝て、10時の列車に乗って、現れました。見た目なんともないので、誰も同情も何もしてくれません。
というわけで、学生に対して、「今日はつらいんだよ、同情して」と、どんな状況かを講義中に説明したわけですね。
学生は、なにも聴いていないという状況をまだ理解していないんですよね。H君にあこがれている女子学生以外は。
学生は「明け方3時まで後始末していた」なんて聞いていません。ウシガエルを教室で飼育するなんて状況はイメージも湧かないし、そもそも興味がないからです。学生が聞いたのは、「朝8時におきて10時の電車に乗った」ということだけですね。自分と比較できる点はここだけです。
管理者の勤務する大学は、地方の私大で、学生はかなり遠くから通っています。交通の便がいいわけではないし、医学類学生とちがってご両親が金持ちというわけではなく車があるわけではないし、9時から1限目があるので、朝6時起きなんてのは、めずらしくないのです。8時まで寝ていられるのは学生にとって天国にも等しいでしょう。
というわけで、学生の反応は、失笑というか、バカにするだけでした。H君の目論見は悲しくも崩れて粉々になってしまったのです。
やたら、実習レポートの課題が多いことも学生に不評なところですけどね。
追記
実習の考察部分だけメールで送付することとした。あまりにも教科書などの記載をそのままコピーした者が多く、どこまでが引用なのかはっきりしないことと、友人先輩のレポートのコピーを検出するためだ。締め切りは翌週の実習日としたのだが、メールがきたのは、一番早い学生で前日午後6時。当日午前3時、4時なんてのはざらだ。どう考えてもメールを出してから寝ているんだろうな。午前6時頃のは家を出るときメールを送信したんだろう。一番遅いのは当日午前9時41分??なんだ。生理学の講義中の時間だ!!
というわけで、午前2時〜4時まで寝ずにレポートを書いて、9時の講義に出席するために午前7時とかに家を出る学生が結構な数いるということは、H君のように午前3時まで働いて8時まで寝ていたなんてのは、学生にとってなんでもないことで、失笑に値することは明らかだ。