PowerLab という機械がある。AD Instrumentという会社の製品で、基本的には電気的アナログ信号をデジタルデータに変換(AD変換)し、パソコンに収録記録する装置である。研究にも教育にも使える。使っているモデルは26Tというのだが、そして他のモデルでも同じなのだが、機器の背面パネルにあるGround(Earth)端子が使いにくい。
写真のピンクの丸ラベル*の右上の金属棒がGround端子なのだ。普通のワニ口やミノムシクリップで掴むには太すぎるのでどうやって使うのかと調べたら専用コネクターケーブルークリップというのがある。この金属棒に差し込むメスコネクタと他端が鰐口クリップのようなクリップになっている。
例えば心電図測定のときは測定対象をノイズ混入を防ぐためにシールド・シートに寝かせて行うのだが、そのような用途のシールド・シートは日本光電のような医療機器メーカが販売しているので、医療機器故に高価である。一般用に市販されているシールド・シーツ(何に使うのかよくわからない)が販売されていて、こちらのほうが安いので使うことにした。シールド・シーツの上で寝るとなにやら健康にいいような事が書いてあるが怪しい。
このシールド・シーツに付属のケーブルーコネクタは、バナナチップのような物なので、問題のグラウンド端子に接続するためにはアダプタを工夫する必要がある。
アース端子を突っ込むための穴はφ6.0 mm、これには3 mm のホーローネジ(イモネジ)で止める、シールド・シーツの配線のバナナチップを突っ込む穴φ 4.2 mm、他の配線があるときのための3 mmのネジはおまけ、という10 mm アルミ角棒からアダプタを作った(10ケ)。
取り付けた写真。
シールド・シーツに付属のケーブルは100 kΩの抵抗が内蔵されていて使えないのがわかった。何故抵抗が内蔵されているかというと、アースを3pの電源コンセントから取る可能性があるからだろう。機器のグラウンド端子を使うのでそのような心配はないので抵抗が内蔵されていない普通のケーブルの方がいい。市販のバナナチップに普通の導線を付けたものでいい。
まだ問題があって、このシールド・シーツは、このグラウンド端子に接続するのがいいのか、アナログアンプのアナログ・グラウンドに接続するのがいいのか、全面パネルにあるBNCコネクタ(パルス出力)のグラウンドに接続するのがいいのか、やってみないとわからない。全て、グラウンドなのだが、そこが微妙に違っていて、変に接続するとグラウンドのループができて、逆に電源周波数に一致するノイズが増えたりする。この機器には電源周波数に一致するノイズをデジタルに減弱するフィルタが備わっていて、この機能を使うだけでもいいかもしれない。しかしこのデジタルフィルタは測定開始から数秒経過しないとうまくノイズを取り除いてくれないので、記録の最初の部分は使えないのだ。これを学生等に説明するのは面倒だ。だから最初からノイズが少ないほうがいいのだ。アナログ入力はdifferential なのでこのようがグラウンド(アース)は大して影響しないかもしれない。この辺がやってみないとわからないところなのだ。
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ちなみにこのピンクのラベルはUSBーTypeBの受け口なのだが、ここにオスコネクタを上下を逆に刺す学生がいて、強引に突っ込むことができちゃう。一度、逆に突っ込むと穴が広がって、ツッコミ易くなってトラブルの原因になる。このようにラベルを貼り、オスコネクタの方にも同じラベルを、この機器側のラベルと向き合うように貼ると、逆に刺す学生は出てこない。USBケーブルの反対側はTypeAで、パソコン側に突っ込むわけだが、ここも逆に突っ込む学生がいて、こちらは逆に強引に突っ込むと、コネクタ内の逆接続を防止するためのプラスチックの板が壊れて取れてしまい、容易に逆に突っ込むことができるようになってしまう。こちらもケーブルとパソコンに異なった色のラベルを貼り、正しく刺すと同一色のラベルが対向するようにしておくと、学生が逆に刺すことがなくなる。
LAN ケーブルは逆に差し込めないが、ポートが空いていると、誰かが必ず突っ込む。これがループの原因になる。ともかく、こちらが想像できないようなことが必ず発生するから、これを防止することを心がけないと、実習などいくら時間が経過してもデータが取得できず、なかなか終わらないことになる。学生がどんな挙動をするかは経験でしか得られない。しかしその経験も新人類が相手だと役に立たないことが多いのだ。
例えばゼンマイ式のストップウォッチなど、学生さんは見たことがない。しかし、実習機器をそろたのはな何年も前でストップウォッチはなかなか壊れないから更新することがない。このゼンマイ式ストップウォッチを提供すると、必ず電池がないから動かないといってくる学生がいる。電池のデジタルストップウォッチは安いから提供すればいいのですけどね。
当方の庭の紫陽花その3