カエルの坐骨神経と腓腹筋を遊離し坐骨神経を電気刺激して、神経の反応、筋の反応を見るという実習は、古典的で日本中の医療系大学で実施している実験である。
今年もその季節になった。昨年はトラブルがいっぱい。学生がカエルを逃がしちゃって放置したので、夜中に警備員が鳴いているカエルに遭遇して、大騒ぎになった。1匹で2つの標本が作れる。カエルの数は班の数だけ供給している。だから逃がした班は、どっかの班で余った半分を使ったにちがいない。逃がした犯人は不明だ。
昨年度は男の学生で、カエルを見るのがいやで、実習室から逃げ出した奴がいる。これまで自然に接したことがないのだろうか。
今年も、例年のごとく、大騒ぎだ。カエルが逃げて棚の下の隙間に逃げてしまった班がいたけど、フォローしていない。逃がしたままではないだろうな。
カエルを見るのがいやで、実習室の隅っこに逃げる女子学生。でも顔を覆っている手の指の間から、ちゃんと覗いている。怖い物はやはり見たいのだ。かと思えば、逃げだしたカエルから逃げ回る男子学生を尻目に、カエルを鷲掴みする女子学生もいる。互いに採血を行う実習では、採血される側になってぶっ倒れる学生は圧倒的に男子学生に多いんだよね。
皮を剥ぐと、落ち着いてきて、実習は進むのだ。皮があるとカエルと認識するので大騒ぎなのだが、皮が剥かれちゃうと、肉屋のショーウインドウにある鳥手羽と同じになって、静かになるのだ。
今日の実習で、ある学生が、「センセ、来週のカエル実習は冷凍カエルにしてください」だって。調理実習じゃないんだぜ。
【追記】実習は水曜日2クラス、木曜日2クラス実施したのだが、今日(金曜日)実習室にカエルが出現した。おかしい。どうやら水曜日は注文数より1尾多いカエルがとどいたらしい。水曜日の後のクラスの可能性が高いのだが、逃がした班がいて、そのまま放置したようだ。他の班全部にカエルが行き渡ったのをみて、カエルをストックしていた容器に1尾いたのでそれを使ったのではないかと思われる。で金曜日になって、隠れていたところから、解剖実習の最中に出て来た訳だ。なんという奴らだ。2年連続だ。
件名:カエルを逃がした奴はだれだ! 水曜日(理学)、木曜日(作業)に生理学実習でカエルを使ったわけだ。 今日、金曜日、解剖実習中に、実習室に一匹カエルが現れた。 つまり、実習で、逃がしてしまってそのまま放置した班がいる。 正直に名乗り出なさい。 誰も正気に名乗り出ないまま、逃がした班が判明した場合、その班全員の単 位を認定しない。
【追記】誰も名乗り出てこなかった。
実習の解説はこっちに書いた。他の大学の教員が読んだら怒るかも。