Studentのt検定の説明

あっちの大学の生理学実習で握力測定を行った。実習装置の使い方と、あらかじめ教えた検定方法を理解してもらうためである。
Student のt検定の説明で、対応のあるサンプルの検定の例として、「リポビタンDを飲むと握力が増えるかという問題に対しては、同一被験者で、飲む前、飲んだ後に握力を測定して平均値の差を検定するのだ」と説明した。対応のないサンプルの検定の例では、「男女に握力の差があるかないかという問題に対しては、人は状況に応じて男になったり女になったりするわけではないので、同じ被験者で比較できない、サンプル数も異なるので、対応のない検定を行うのだ」と説明した。
クラス全員の握力を測定し男女の握力に差があるかないかを調べなさいという実習を行ったわけだ。
当然ながら、レポートには採用した検定方法を記述することと命じた。その結果、「同じ人が男状態であったり女状態になったりするわけではないので、異なった被験者で測定せざるを得なかった。したがって対応のないt検定を実施した」と解説のまま書いてあるレポートが出現した。
ま、正しいけどね……とほほ、冗談も伝わらない。
またこんな記述もある。
「p値を見ると0.00000となったので、男と女はほとんど交わらずべつのものであることがわかった。」そりゃ握力を調べることもなく、男と女は違うよな。
2クラスあるわけで、各クラスの男女の握力もそれぞれ比較できるデータであった。その結果「男女ともに平均値はA組の方がおおきかった。要するにB組はA組に喧嘩を売ったら負けることが分かった。」すばらしい考察ですな。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です