未完成で、いまのところ途中経過を書いています。2018.10.9完成しました。
外科手術用の顕微鏡の光源はハロゲンランプで、このハロゲンランプがもはや手に入りにくくなりLEDに置換することになった。光ファイバー光源第2弾である。前回はガラスファイバーの部分のみあって、光源がないというので光源を作成した。5 WクラスのLEDであった。今回はもう少し光量が必要になりそうなので 10 WクラスのLEDにした。
Cree XLamp XP-L 20mm基板付き V51A 白色 単価 790円(Cree XLamp XHP50 に交換)
オプティカルレンズ 15° LP-20A-15[2353] 単価 100円(使わなかった)
ヒートシンクファン 46×46×13mm[6008] 単価 680円
3A 定電流ドライバー(電流・電圧可変)[25210] 単価 1350円
12V30mm角 DCファン 単価 100円 (使わなかった)
スイッチングACアダプター15V3.34A 単価 1650円
Grandmart LEDランプ輝度調節器 直流DC 12V 8A 単価 133円
LEDはファン付きヒートシンク(45x45x13 mm)に装着する。レンズはこのLED用のではないので配線やビスの頭が当たらないように加工する。LEDのドライバーは3Aのものを探した。このLEDドライバーはヒートシンクがついているが多分不十分なのでファンを取り付けることにした。
スイッチングACアダプタは当然3A以上のもので15 VであるがLEDドライバーの許容範囲である。2つのファンが12V用なので20Ω(1/2W)の抵抗を直列に挟めば15Vで問題ない。
LED用定電流ドライバーには2つの多回転半固定抵抗があって、出力電流、電圧を調整できる。この電流調節用半固定抵抗を取り出し、普通のポテンシオメータに交換してパネルに取り付ければ光量調節が簡単にできると思ったのだが、手に入れたらモールドされていて取り出すことができない。しょうがないからLEDランプ輝度調節器を別途購入した。これは電流(電圧)パルス幅を変化させることでLEDの光量を調節する装置だ。安い。中国製だ。安すぎてまともに動作するのか不安だ。まだ納品されていない。
まずはファン付きヒートシンクにLEDを取り付けた。ビスはφ2.6 mm 長さ4 mmでヒートシンクにはネジ穴を切った。LED基盤は放熱用シリコングリースを塗ってヒートシンクに接触してある。リード線とヒートシンクが絶縁されていることを確認した。
次いで、レンズの筒をアロンアルファで接着。仮置きだ。レンズの筒の部分はLEDネジ止めのビスの頭と配線が通るように加工(削った)してある。
このレンズの筒を針金で巻き、この針金にビールの空き缶のアルミ板でつくった留め金を巻き、他端をヒートシンクにネジで固定した。さらに接着剤(セメダイン スーパーX)でこのアルミ留め金、針金、筒を固定した。
ファンを元に戻して
点灯の確認.
実験用DC電源で 1 A で光らせてみた。
LEDドライバ(下図、右)にとりあえず接続し、電流量を最大にしてみた。
でLEDの電流と電圧は
ということで、LEDは11 Wで発光していることになる。すぐにLEDのヒートシンクもLEDドライバもあっちっちとなるからファンは必須で、ひょっとしたら、さらに全体を冷やすファンが必要になるかも。ケースにどのように接触させるかでも変わるから、ケースにマウントしてから考えることにする。
ハロゲンランプの従来機と比較するため、おもちゃの照度計(ELPA 明るさチェッカー(簡易照度計) LX-50 )を購入した。
ハロゲンランプとこのLED光源を同じグラスファイバーを通して手術顕微鏡から投光してみたものだ。
左が従来のハロゲンランプ、右が試作中のLED。LEDの電流は最大である。LEDにレンズをつけると、光軸を合わせるのがむずかしい。レンズなしだ。
色調が異なるのはしょうがない。白色LEDだからな。少なくとも明るさは暗くはならない。おもちゃの照度計なので絶対値は信頼できない。10倍のスイッチ位置で測定。メータの下の表示にx1の最大値が1500 lx でx10の最大値が5000 lx となっているのはご愛嬌だな。900円のおもちゃだからね。比較するだけだからこんな照度計で十分でしょ。顕微鏡と照度計の位置関係は一定にして比較したものだ。
実際の取り付けは、光ファイバーの照明器への接続は変更できないから。LEDの乗っているヒートシンクの位置を微妙に調節できる必要がある。ちと面倒だな。
調光器がまだ納品されないので、ここから先に進まない。
調光器が無いけれど、最大輝度にするように作成してみた。
LEDドライバの出力電圧は5 V に設定。出力電流の設定を最大の3 A(実際には2.95 A 位が最大)にして、LEDを点灯させ、しばらく放置したらLEDが燃えた!!FAN が回っていてヒートシンクの温度はそんなに高くない。
最大の定格が3 Aなのに何故??
LEDの電圧降下が 3.82 V もあったのだ。したがって
2.92 A X 3.82 V = 11.2 W
となって、もう一つの最大定格 10 W を超えてしまったのだ。とほほ。
どうやらLED の VF にばらつきがあって、別の LED は 2.9 A 時に 3.26 V = 9.5 W でこれは最大定格を超えないので燃えちゃうことはない。
光ファイバーの取り付け金具などの位置関係から、LED にはレンズを付けないことにした。
ケースの加工等も済んだので、あとは調光器が納品されれば出来上がりのはず。
133円の調光器がなかなか納品されない。しょうがないから799円の調光器がprimeですぐ納品されるから手に入れた。
12V 8A とあるので、定電流ドライバーの出力電圧を12.0 Vに設定し、LEDの電圧降下をそくていしつつ電流を増やした。電流によって電圧降下が異なるからね。2.92 A のときVfは3.27 V となり電力は9.55 W となった。焼けきれないだろう。
この設定で調光器を接続したが、問題なさそうだ。調光器の箱は邪魔なので、内部の基板をとりだし、調節するポテンシオメータをパネルの方にとりつけるので、ポテンシオメータへの配線を長くした。箱をあけたら、基板が焼けている!! へ?定格で使っていないぞ。焼けていても動作するからそのまま使うことにした。ケースからとりだし、発熱した素子にアルミ板をシリコングリースを付けて接触させ、このアルミ板をランプハウジングにネジ止めした。プラスチックのケースは捨てた。
ケースの電源トランスはいらないから取り外した。ハロゲンランプを収納する内部のハウジングはケースの底に扉がついていてここから電球が交換できるようになっており、天井にはファンがある。このハウジングとファンをそのまま利用することにする。
電源トランスのあったところに15V 3.4 A のスイッチング電源をおいた。
底のランプ交換用ドアを開けたのが下の写真である。
左にLEDを取り付けたファン付きヒートシンクが見える。右が定電流ドライバーで、これにはファンが不要だった。天井のファンがあるからである。どちらのヒートシンクも室温25度で40度を超えない。
ケース(箱)のフロントパネルは、壊れていた電源スイッチを交換し、ハロゲンランプの場合は明るさがHigh/Low のスイッチで切り替えだったわけだが、そのスイッチを取り除き、調光器のポテンシオメータを取り付けた。なぜか、この調光用のポテンシオメータの抵抗は 1.2 kΩだ。そんなの作っているんかよ。
というわけで、手術用顕微鏡にとりつけ、明るさを比較してみた。
左がオリジナルのハロゲンランプ(21V, 150 W)で右がLEDである。おもちゃの照度計でもLEDのほうが明るいことになった。色温度が違うけどね。
一応回路図も。
消費電力は 1/10 だな。
[ 追記 ] 2018.11.14
LED をCree XLamp XP-L 20mm基板付き から Cree XLamp XHP50 LED 20mmアルミ基板付き に変更した。
LED の電圧降下 Vf は 6.45 V で、電流量を 2.85 A に調節した。18.4 W で最大消費電力 19 W を超えないようにした。
左がオリジナルハロゲンランプ、中央が10 WクラスのLED、右が 19 W クラスのLED。撮影状況がちと違うけど、対象である照度計にピントが合う距離で測定した。250X10 Lx – 320X10 Lx – 570X10 Lx と明るくなったのがわかる。
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133円の輝度調節器には驚きます。8Aまで電子的に調整するのでしょうから、熱くなることでしょう。どうなるか、結果が楽しみです。
色温度の異なる光源を使うと、慣れるまで時間がかかるのでしょう。
senjyuさん
133円ですからねぇ。どうなるやら。
人間の目はいいかげんですから、色温度の違いは実験者の脳が吸収してくれるものと…