ネガティブ・データ

2019/1/21(月) 午後 8:10 学とみ子 によれば、臨床研究ではネガティブ・データがポジティブ・データに変わることがあるとのことです。しかし、学とみ子様の「教科書や一般的に考えられてきた知識と違うデータ結果となった時、それを素直に残したデータが、後で理由の説明がついたり、新知見につながることがあります。」という表現から考えると、どうやら学とみ子様のネガティブ・データとは”これまで知られていることと違う、既存の知識からの予想とは異なった実験結果”のことのようです。
医学の臨床研究と基礎研究でネガティブ・データの定義(意味)が異なることは無いはずです。ある現象の原因を追求しているとき、原因としてA,B,C… という複数の候補が考えられるとします。どれが、その原因であるかを調べていくとき、A を削除しても結果は変わらなかったという場合、Aが原因ではないということがわかったわけですが、ホントの原因はわからないわけです。このような否定される、除外されることを示す実験結果をネガティブ・データといいます。ですからネガティブ・データがポジティブ・データに転換するようなことは、臨床研究でも、ありません。
既に知られている知識、教科書に書かれていることから予想できない実験結果がでたら、これは新規の現象であって、期待した結果と違うからといって、これをネガティブ・データとは言いません。最初からポジティブ・データです。
研究では、考えられる原因を追求するわけで、実験の結果、予想した原因が実はなんの意味もなかったということは、たくさん出てきます。最初からピンポイントで原因が判明するなんてことはほとんどないですね。京大の山中氏が発見した4つのファクターの発見の影には、候補が山のようにあって、どんどんつぶしていく実験があったわけです。つまり山のようなネガティブ・データを取得したわけですね。
あれは違うという実験結果、つまりネガティブ・データだけでは普通論文になかなかなりません。ですから、以前に書いたことがありますが Journal of Negative Date という雑誌があったら業績が増えるのに…という研究者は一杯いるでしょう。
一方、この公開されることのないネガティブ・データは研究者にとってある意味宝です。それが原因ではない事は誰も知らないわけで、ポジティブ・データを他より早く得ることができるわけですね。
というわけで、プロの医学研究者と称する学とみ子様とはどうやら見た目同じ文字でも意味が違うようで、議論ができないわけですな。今回の「ネガティブ・データ」についてはどちらの意見が正しいでしょうか?学とみ子様の発言を予想すると、当方の「誤読だ」ですかね。