推薦入試の倍率

昨日は Open Campus で学生なんでも相談という役目をおおせつかった。相談に来た高校生の一人が「競争倍率で入試モード(AOとか推薦、センター試験利用とか)を選びたい。推薦入試の倍率が一番低いが、どうやったら推薦入試を受けられる?」と質問してきた。入試モードで倍率が違うのは当然だ。それぞれ、受験資格が異なるからな。
受験者は推薦で落ちても、どうせ一般入試を受けるのだから推薦で合格すれば儲け物と思うのだろうとこれまでは思っていた。たいてい予備校とかの模擬試験でみずからの実力−偏差値−を知り、その偏差値で合格できそうな希望する学部を探す。自宅外通学が可能かどうかの条件を満たすところを選ぶというのが普通かと思っていた。実力不相応なところ、あるいは絶対確実な大学と選び受験することもある。受験者の状況次第だ。したがって競争率とは、各受験モードで90%の確率で合格できそう、半々だ、落ちてもともととかいう学生が受験した結果なので、倍率はおのずから決まって来る。数倍がいいところで、10倍を超えるというのは、落ちて元々とかがいっぱいいる場合だ。こっちの大学の勤めていた・いるとこをみたら推薦で4倍強、センター試験の結果を使う前期で3倍強だ。そんなところだろ。
推薦というのは、大学が高校を指定する。高校もあの大学ならこの程度の学生を、と決めるのだ。昨年は、このくらいのレベルが合格・不合格だったから、今年はこのくらいのレベルの学生はどうだろ?と大学と高校の間で駆け引きがあるのだ。しかし、あっちの大学ではそうではないようだ。
大学がどの高校を指定しているかのデータはあるが、公開はしていないようだし、リストの高校はたくさんあるし、覚えていられないので、質問には高校に戻って担任に聞きなさいと伝えた。高校側に情報があるからだ。競争率がどうやってできてくるかを理解していない学生には来てほしくないな。
そこで、あらためて推薦の倍率を調べてみた。なんと1.4倍とかだ。学部によっては1.0倍なんてのもある。これは選抜ではなく、学生確保の手段なのだ。とほほ。推薦指定高校の数より受験者が圧倒的に少ないのだ。つまり高校生に人気がないのだ。ほぼ確実に入学できるというのに受験者が少ないのだ。地方の名前を聞いたこともない大学だとどの入試モードでも競争率2倍以下なんてことになっている。あっちの大学では普通の入試は3倍を超えているからまぁまぁなんだろうか。
噂によると、競争率が1倍程度の大学・学部は、日本語で名前が書ければ合格らしい。同年代の半分が大学生というのはより高等教育を受けさせたいという親が多い結果で、それ自体は好ましいと思うが、あまりレベルが高くない学生ばかりだったらsuperior high schoolとかanother high school とかにして、高校で学ぶべきことをマスターしていることを保証する学校でいいんじゃないだろうか。同じことを、もう1回やれば、かなり知恵がついたことになるだろう。
1モルの蔗糖液を0.5 l 作れというレポートの課題を出したら100名中3名しかできなかった。うち2名はできた学生の答えをコピーしたのだ。だから106名中1名だけだ。余りにもできないので、作り方をwebページで説明した。学生は実習の試験がある、実習には課題を出している、だからWebページを読んでいるはず。試験に出易い問題だろうが。そこで実習の試験に同じような問題、グルコース0.5モル溶液を100 ml 作る方法を書けと出したら、23人(21%)しかできない。とほほ。見方を変えて、22人は学習できたと喜ぶべきなんだろうな。しつこいから、実習の試験の解説の講義を行い、作り方を再再度教えた。講義の終了時に再度試験した。それでも51%しかできない。51倍の学習効果があったと喜ぶべきなんだろうか。2桁の割り算ができないのが1割いる。30/25 = 1.4 と計算した学生もいる。検算するという習慣はないのだろうか?もっとも計算できないことより、式をたてられない学生がいることを嘆くべきなんだろうな。割り算はケータイでできるもんな。