生理学実験では生体に電気刺激を与えてその反応を見るという実験が普通に行われます。その電気刺激するための機械は、普通、パルス・ジェネレーターとアイソレータから成ります。アイソレータと何ぞやということはちょっと横に置いておいて、パルス・ジェネレーターが廃棄処分になっちゃったという記事です。
日本光電という医療分野の会社があって、主に電気を使う医療機器を販売する会社なのです。この会社がデジタル・パルスを自在に組み合わせるパルス・ジェネレーターをつくり、日本の医学部の生理学教室にほぼ行き渡るような製品を販売したのです。当時のヒット商品で、これに類似した機器を作った後発会社が特許侵害で販売できなくなっちゃったという製品でした。内容は、TTLを組み合わせた比較的単純なロジックの製品だったのです。
ですが、当時の拙ブログ管理人の実験では、この機械だけでは能率よくできないプロジェクトを実施していたので、改造しちゃったわけです。その結果の機械は下の写真にあるようなものです。
きっっちゃないですね。なんせ実験は麻酔した動物を外科的な処置をして行うわけで、とりあえず操作するとき血みどろの手だったりするわけで、どうしても手垢にまみれます。
本来の機械は下の写真のようです。
きちゃないのを除いて、あまり違いがないように見えますが、3チャネルあるパルス・ジェネレーターを完全に独立して駆動できるような入力を加えてあるのです。
苦労して作成したこの機械も、拙ブログ管理人同様寄る年波には逆らえず、パルスの出力電圧が十分でなくなってしまったので、処分することになりました。代替の製品があるからです。原因は、内部のコネクタ部分の接触不良だと思うのですが、修理しようとすると、プラスチック部分が劣化していて、割れちゃうのです。あきらめました。現在は、こんな改造しなくても構わない研究ですからね。
多分30数年は使った代物です。ご苦労さまでした。
「研究」カテゴリーアーカイブ
米国の予算が通らないから…
米国の予算が通らないので、政府関連機関が継続業務ができなくなっている。その一つがNIHのPubMed だ。
Because of a lapse in government funding, the information on this website may not be up to date, transactions submitted via the website may not be processed, and the agency may not be able to respond to inquiries until appropriations are enacted.
The NIH Clinical Center (the research hospital of NIH) is open. For more details about its operating status, please visit cc.nih.gov.
Updates regarding government operating status and resumption of normal operations can be found at USA.gov.
翻訳すると
政府資金拠出がないため、このウェブサイトの情報は最新ではない可能性があり、ウェブサイトでの処理は、予算の充当が成立するまで(このページの構築を行っている)代理店は問い合わせに応答することができません。
NIH Clinical Center(NIHの研究病院)は稼働しています。NIHの稼働状況の詳細については、cc.nih.govをご覧ください。
政府の作業状況や通常の業務の再開に関する最新情報は、USA.govでご覧になれます。
とかいうことだろう。新しい文献は検索できないが、すでに登録されている論文は問題ないと思う。
当方は研究からほとんどリタイアした身で、最新の論文検索なんかあまりやらないわけだが、早く予算が通らないとまずい方がでてくるよね。
日本だと、サイトのアップデート操作を行う業者に、まだ予算が国会で可決されてないけど、そのうち必ず可決するから、この2ヶ月分の経費の支払い、ちと遅くなるけど我慢して と言ってこんなことにならない。契約社会だから ”なあなあ” とならないんですな。
3D Printer
この冬休みのお遊びは、元PTA会長をからかう..のではなく3D Printer を動かすことです。
何に使うかは、問題としないで(ひどいね)家庭向け低価格3Dプリンターのおすすめ人気ランキング10選【2017年最新版】から4位の JGAURARO A3 を選んでみました。手の出る価格で「格安で超高精度」の言葉に引っ張られた結果です。Amazon で39,999円でした。組み立てる必要がありますが、ジジイである管理人は、このような工作や電気配線には経験がそこそこあり問題ないです。
組み立て報告のブログには;
たまご男爵による素人のおっさんによる3Dプリンター
趣味の工作のJGAURARO A3 組立て記
が参考になります。前者はやさしく失敗談も含め、ページをフォローしていくと組み立ての参考になります。
後者はセミプロレベルの工作を行っている方できちんとした記載で信頼でます。
購入したセットにSDカードがあり、ここに8つの組み立ての説明動画があり、これを再生・一時停止で見ながら組み立てることができます。といっても、隅から隅まで説明されているわけではないので(そうだったら長くなって見たくない)、こうだろうななんて推測して組み立てました。
上記の2つのサイトの説明と、いくつか異なっています。
Y軸のテーブルやX軸のモーター等はすでに組み立てられていました。
Z軸の2ケのモーターの底に白いプラスチックケースが用意されていました。
extruder(押出器とでも訳すのかな?)の温度センサであるサーミスタのスペアがありました。初めなぜあるのかわからず、どうやって取り付けるものかと悩んだのですが、SDカードにあるマニュアルにサーミスタ交換方法というのがあったので、これはスペアであるのがわかりました。
ネジ、ナットなどはそれぞれもう一つ余計にありました。
上記の趣味の工作のページにYテーブルを構成するのにナットの緩み止のためのスプリングワッシャがあったほうがいいというので、用意して装着しました。下写真のY軸テーブルのフレームに固定する部分と、下写真のボルトが前後のアルミ厚板に固定される部分、そしてZ軸モータのフレームに固定する部分です。
このY軸テーブルをフレームに取り付ける方法は、ナットで挟んで固定するわけですが、一番下まで押し付けて固定するのがいいと思って一杯に押し下げてネジを締め付けました、しかし、これが下がりすぎていると、テーブルとノズルの隙間調節のとき、テーブル四隅のネジを緩めても隙間が広いままになることになりました。そこで、少し上に上げて固定しました。フレームを平らな板の上に置き、このテーブルのフレームのアルミ厚板が前後にあるわけですが前の方のアルミ厚板の下に、フィラメントリールの支えになるアクリル板があるので、この板を敷き左右の高さが異ならないようにして固定しました。
ケーブルをまとめるためのスパイラルチューブは、何cmで切るのかの指示がないので適当にやっていて、不足したので買い足しました。
ケーブルをフレームの床に留めるためのクランプを購入しました。なくてもよさそうです。
この写真を見てわかるのですがテーブルにはヒーターがありこのヒーターなどのケーブルがテーブルの前後(Y方向)の動きで曲がることになります。テーブルとのコネクタ部分が最も力が加わるところになり、金属疲労を起こしていずれ断線するのが目に見えています。
添付されていたファイルをテスト印刷です。
というのができました。
CADソフトで作りたい物の図面を作り、プリント用ファイルに変換することになるようです。なんせ、勉強不足で何の準備もしていません。
どうやらCADソフトで .STL というファイルを作成し CURAとかいうソフトでプリント用のファイル .gcode というファイルに変換(スライスすると言うらしい)するらしい。SDカードに.gcodeファイルを保存すればスタンドアローンで印刷できる。USBケーブルでPC接続して、なにやらできるようだが、印刷時間が長いのでオンラインで印刷するよりオフラインで印刷するのがいいようだ。
Cura_14.07.exe が添付されているがCura_15.04 のほうがいいようで、最新はUltimaker Cura-3.1 らしい。Ultimaker Cura softwareのAll Version にある。あるいはhttp://software.ultimaker.com/current/にある。
このソフトにはJGAURARO A3が設定されていない。
これがJGAURARO A3のsettingのパラメータのようだ。]]>
一応議員なんだから、煽る記事は止めたほうが
全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会事務局長・日野市議会議員の池田としえ(利恵)という方がいて子宮頸がんワクチン接種被害を訴え接種に反対している。
2017.8.17 17時20分に見たtwitterの記事で
池田としえ(利恵) @toshi2133 6時間6時間前
その他
池田としえ(利恵)さんがchiktan98をリツイートしました
トランプ大統領はアメリカ大統領になる前から、
「自閉症とワクチンは関連がある」とする発言をしていました。
トランプ大統領は当局が発表する「ワクチンと自閉症は関係ない」とする発表を信じていないのです。
隠されていたデータが続々と!
http://xn--n8jds6bzbxai9f4k.com/autism-vaccineはったつしょうがい.com/autism-vaccine
と発達障害.com というブログを引用して、ワクチンが自閉症を誘発していると言いたいようだ。この池田議員が、子宮頸がんワクチン以外にもワクチンはすべて有害であると言っているのかどうかは知らないが、概して否定的であるのはこのtwitterでの発言からわかる。
しかし、日野市議員としてtwitter とはいえ、軽々に素性のわからんブログを引用するのはどうかと思わざるを得ない。引用している発達障害.comの「自閉症とワクチンの関係を暴露したトランプ大統領 2017年3月16日」という記事はひどいもので、横浜市衛生研究所より引用として、ワクチンに含まれる水銀化合物のチメロサールが自閉症を引き起こすとしている。
横浜市衛生研究所がそんなことを言うわけがないと、引用が書いてないので調べた。多分原典は「チメロサールとワクチンについて」で、たしかに、この発達障害.comブログに書いてあるような「Bernardらの仮説」を紹介している。しかし、その紹介のあとに、「米国の医学協議会(IOM)の結論(2004年)」の章で「チメロサールを含むワクチンの接種を受けることと自閉症との間の因果関係については、否認することが根拠によって支持される。」と書いてある。
現在はチメロサールと自閉症の関係は否定されているというのが常識だ。都合のいい部分だけを引用しているようなブログを、調べもしないでなんで引用するんだろ。池田日野市議員はともかくワクチンに副反応らしきものがあれば・なくてもあるかの如き意見を引用するわけで、冷静に議論できるような方ではないようですね。
ちなみに
Bernard S, Enayati A, Redwood L, Roger H, Binstock T. Autism: a novel form of mercury poisoning. Med Hypotheses. 2001 Apr;56(4):462-71. Review.
が最初のチメロサールー自閉症仮設の最初の論文で。2004年に米国科学アカデミーの医学協議会( Institution Of Medicine : IOM )が否定したわけですがBernard氏は
Blaxill MF, Redwood L, Bernard S. Thimerosal and autism? A plausible hypothesis that should not be dismissed. Med Hypotheses. 2004;62(5):788-94.
と反論していますが、その後は論文はないようです。相関は原因を示すものではないことの例ではないのでしょうか。
[ 追記 ] 2017.8.18
多分、この池田議員はワクチンの副反応について詳しいはずなので、チメロサールと自閉症の関係が否定されていること、あるいは麻疹、おたふくかぜ、風疹の新3種混合(MMR)ワクチンと自閉症に関係があるというAndrew Jeremy Wakefieldの論文がフェイクであり撤回されたこと という有名な話は知っているはず。横浜市衛生研究所の文書も結構有名なので読んでいるはず。にも関わらず、科学的リテラシーの低いトランプが言い出したといって、古いデマを撒き散らすということは、議員としてはあるまじき行為だと思う。
電子聴診器
電子聴診器+価格 で検索すると数万円する。長く使うわけではないし予算もない。だから自作だ。パソコンで録音するのが目的だ。
まずマイク部分
100均で購入したイヤホンと一緒のやつ。中国製だ。マイクだけだとパーツ屋で数十円で打っているけどこれにケーブルとプラグを付けると100円では収まらない。イヤホンとマイクのプラグが別々になっているのがいい。分解してマイクーケーブループラグになるからだ。イヤホンはいらないから捨てる。
聴診器
アマゾンで1148円。商売で真面目に使うつもりなら最低でもリットマンクラッシクなんかだな。1万円はする。今回は予算がないからね。
ビニールチューブの部分を抜いて、マイクが入り、聴診器に合うシリコンチューブを探し出し、このチューブの中にマイクを仕込み、聴診器に付けた。左のチューブの橋は引っ張ってもマイクが抜けちゃわないようにエポキシ接着剤で固定した。シリコンチューブなのでエポキシ接着剤ではくっつかない。そこは工夫があるんだけど面倒だから説明はスキップ。
で、裸のマイクだけではちと発生電圧が小さいのでアンプを作成。ほんの少しの時間だけ使う予定なので電池駆動でいい(クリックで拡大します)。
初段のアンプの入力につながる20kΩのポテンシオメータでゲインを調節する。オペアンプ2ケが入っているNJM4456で反転増幅器を2段にしてある。±電源が必要なんだけど姑息的な方法で11kΩの抵抗2ケで中間の電圧を作り、これを非反転入力に接続して±電源で動いているようにするわけだ。あとはコンデンサマイクを+にプルアップして、その交流成分だけを10μFのコンデンサで増幅する。1段目の20kΩと0.001μFで8KHzのhigh cut フィルタになっている。2段目のオペアンプの出力に50Ωの抵抗があるのは出力がショートしたときに過電流がオペアンプから流れないようにしているわけで、多分不必要だろう。ゲインは初段が原理的にはx1〜∞ で2段目が28倍ですね。いい加減です。MacMini のLINE IN につっこんで自分の心音が録音できたから良しとしました。オペアンプ等の電気部品はジャンクというか余分に購入してあったのを使ったから新たに何も購入していない。
つまり1300円位でできたのだ。
何故、こんなのを作成したかは、何故、こんなのを作成したかは、後ほど。
記憶にない
管理者のようなジジイのとっては「記憶にない」というのはしょっちゅうだ。酒を飲んだときは……当然ですな。
20代、30代の諸君にあっては、このようなことはあってはならぬこと、たとえ宴会でアルコールがあっても、ならぬことです。と酔っぱらいは若者に説教するわけですな。別に説教しなくても20代、30代では残っているもので、関係ないですな。
で若者は、「うるせいジジイだ、おまえらの年金は俺たちが支えているんだ、文句を言うな」というわけですな。
ま、文句を言うのならちゃんと年金を納めてから言えと、ジジイは反論するわけだが… 多分、多くのジジイ、ババアはあと余命何年あるかわからないけど、その余命分とはいわないけどかなりの部分の年金を国に収めているのではないでしょうか。きっと1500万円位は年金とした国におさめているはずで、定年後10年分位は払っているのではないかと愚考するわけだ。それ以上は….
ま、そういう暗い話は別にして、理研のいわゆる桂報告書を読んでいたら、細胞増殖率測定のグラフの件で筆頭著者は「ES 細胞については、記憶がない(p17)」だそうで、つまりSTAP幹細胞の増殖速度を調べるのに参照としてES細胞も調べたわけで、30歳そこそこで実験した記憶がないとはどういうことだ? かの、有名な実験ノートにも記載がないわけで、どう考えたって、筆頭著者の行動からみると、「わかっていることは新たに実験しない」ということなんだろうね。
いつ実験した?ときかれて「記憶にない」て、管理者のようなジジイならいざしらず、30歳前後の記憶障害のない方の発言て、かなり恥ずかしいことではないでしょうか。
Air Compressor 遮音箱
工作室にはエアコンプレッサーがあるとなにかと便利だ。旋盤とかフライス盤、ボール盤の切削ゴミを吹き飛ばすのだ。その他、なんでもぶっ飛ばすときにいい。パソコンのホコリなんてのは一発だ。結局掃除機でゴミを除く手間は変わらないのだが、そして、ゴミを散らばしてしまうということもあるのだが、工作するとゴミがあちこちの隙間に入ってしまうので、あると便利なのだ。
工作室をなんとか作成したので、コンプレッサーが欲しいなと思って、大した額ではないから小型のを一つ買うかと思っていたのだが、学科が管理する倉庫で発見したのだ。誰が購入したのか定かではない。ほとんど使っていない。どうやら別の学科の退任した教員が創設時に購入したらしい。いずれにしろ使った形跡がないので、あちこちに声をかけて、工作室としている実習準備室に運び込んだのだ。結構重いし、かさばる。
和コーポレーションKT-60W*1だ。物差しを置いてあるが、幅がほぼ1mもある。こんなに大きくなくてもいいのだが、新しく買うより使われていないのを使ったほうがいいに決まっている。
問題は、工作室(実習準備室)が狭い、起動するとえらいうるさいのだ。コンプレッサーはうるさいのが当たり前だ。
そこで箱に収めちゃうことにした。温度が上がるから好ましくないのだが、連続運転するわけではないからいいだろ。箱もしっかりしたものにして、上に物が置けるようにするのがいい。
長期間使うのなら、熱が逃げないのでこのような箱で覆ってはいけない。管理者のように。塗料の吹き付けとかエア工具に使うわけではなく、ちょっと使うだけなら、だ。良い子は真似をしないように。
というわけで、2x4角材と合板でやっつけ仕事だ。内側に吸音材を貼りたいところだが、予算がない。包装緩衝材 プチプチ(驚いたことにプチプチは商品登録されているらしい)があったので、それを内側に両面テープで貼り付けた。ないよりましだろ。吸音用のスポンジがいいのだが。
で、蓋をすると
と、しっかりした箱で上に物を載せることができる。前面パネルの四角の穴は覗き穴だ。透明アクリル板で塞いである。オイルレベルを覗くためだ。使用前にチェックする必要があるからな。取り外すことのできるパネルと、木ネジで固定されているパネルがあって、箱の中に手をつっこんで圧力調節ができるようにしてある。
かなり重くなって、上からかぶせてあるだけだから、上蓋を取り、持ち上げれば、箱を取り除けるということにしたのだが、一人では持ち上げるのがしんどい。重くないと遮音効果は少ないしな。
完成してから気がついた。水抜きが必要なはず。が、マニュアルがないから、栓は多分タンクの底にあるんだろうけど、わからない。ネットで探してもメーカーはマニュアルをアップロードしていない。
水抜きドレインを見つけたが、アプローチするためには上蓋を外す必要がある。面倒だな。水抜きの頻度は使用頻度によるから、現時点ではなんとも言えない。1年に1回で済むかもね。ほとんど使わないから。
水抜きドレインとオイルレベルメータ、圧力計とかが1つの面にそろっていない。オープンな環境で使うのが当たり前だからしょうがない。今回のように狭い場所に収めるとき、何にアクセスするのがもっとも頻度が高いかを勘案して箱を作り設置しないといけない。そんなの検討しないで、角材や合板を購入して、作りながら考えているからうまくいかないのだ。
教室の配置は上のようで、ACとあるのがエアコンプレッサだ。
騒音測定結果は
エアコンプレッサ | 単位:dB | ||||
ON | OFF | 遮音箱ありの目安 | |||
遮音箱なし | 遮音箱あり | ||||
A | 準備室 | 95 | 65 | <25 | 騒々しい事務室 |
B | 実習室 | 53 | 43 | <25 | 図書館 |
C | 内廊下 | 64 | 50 | 43 | 静かな事務所 |
D | 外廊下 | 63 | 58 | 35 | 会話のある事務所 |
E | 講義室 | 50 | 31 | <25 | 図書館 |
というわけで、最も問題となる実習室や講義室は、50dB*2に満たず、実習や講義があっても問題なさそうだ。講義室はいざ知らず、実習室の実習中の騒音はゲーセン並みだから問題があるわけがない。外廊下がうるさいのは遠くで掃除のおばちゃんが作業しているからだ。内廊下は換気扇のせいだ。夜中の誰もいない教室は30dB以下で、エアコンプレッサを起動しても実習室43dB、廊下を挟んだ講義室では31dBだから問題ないだろ。
エアコンプレッサのある準備室内では、ちと大きめの声で会話する必要がある。しかし、大量に圧縮空気を使うのではないので、圧力が上がると自動停止するから、我慢できるな。
*1 ●ベルト2シリンダー式エアーコンプレッサー ●最高圧力:0.78MPa(8kgf/c) ●空気吐出量:120/140L/M ●タンク容量:60L ●吹出し口:2口カプラ1/4 ●動力:AC100V50/60 ●消費電力:1000W ●寸法:920(幅)×520(奥行)×580(高さ) ●本体重量:58Kg
*2文科省の基準はLAeq50dB 以下である。
LAeq:等価騒音レベルの算出には騒音計の周波数補正回路のA特性を通したレベルが用いられ、LAeq(LAeq)と表記する。周波数補正回路のA特性とはヒトの聴覚の周波数特性を勘案して1~4KHz が通過しその上下が減衰するフィルターのことだ。騒音計にはA, C, Z(F)のフィルタが付いているからAで測定するのだ。上記の値がそれだ。
小野測器のページから
博士論文について その2
博士論文にすでに雑誌に掲載した図、写真が使われることがしばしばあると、前に書いた。博士論文は、公開した雑誌に用いたデータで構築するというのが普通になっている。このとき、図、写真は著作権問題がないのだろうか?博士論文の主旨がすでに発表した雑誌論文の内容と一致するのは当然の事なので、本文を少し書き換えれば雑誌社が保有する著作権はなんとかごまかせるけど、図や写真はそのままでいいのだろうか。
博士論文は、見にくい状況で保管されているが、それでも公に見ていいものだ。国会図書館で読める(コピーには制限がある。半分だけということのようだ)。各大学でリポジトリとして全文をネット公開している場合もある。大学のリポジトリでは、出版された論文そのものの場合、出版社に許可を得たものだけのようだ。
逆に、最近は少ないけど、博士論文にしてしまって(博士審査に通って製本した論文を提出して)、そのデータを別途、雑誌論文にすることもよくある。しかし、雑誌投稿のとき、このデータはどこにも発表していないという誓約をするけど…いいのかな?
雑誌投稿した論文の一部あるいは全部のデータを博士論文に使っていいかは、共著者の許可を得る必要がある。その場合、特許などが絡むと、著者の所属する組織がデータ利用を許可しない場合が出てくる可能性がある。
管理者の場合、博士論文は、博士論文と雑誌に投稿原稿を同時作成のような状況だったし、雑誌の共著者(親分などね)の了解は、当時は、プロジェクトの前提が博士論文にするということだったので、文書として共著者の承諾を得ていなかったと思う。昔は、そんなに気にしていなかったからな。学生のころの論文は、一応ファーストオーサーのLetter というショートノートの論文があったけど、博士論文のデータには使わなかったしね。特許に絡む仕事の経験もなかったね。だから、特に外国の大学等で実施した研究で博士号を取得する場合の著作権等のからみはよくわからない。
大抵、外国の大学・研究所に行くには博士号を取得してからというのが普通だからね。そうでないと、相手先で雇用できないからね。外国の大学院課程に入学するのは別だよ。
中年Hの夏休み ホラーリIII
前期の講義、実習、試験も終わって、夏休みだ。中年Hの夏休みは新潟へ花火を車で見に行くのだそうな。
当然のことながら、花火大会会場は車が渋滞する。そこで中年Hのアイデアは渋滞がなくなるまで、あるいは明け方まで車の中で寝るということだ。そのため、車(なんと独身貴族なのでホラーリII とはホンダ・レジェンドのことだぜ)のルーフの穴と運転席、助手席の窓を網戸化するというのだ。すでに網戸用の塩ビの線維でできたネットを購入してあって、あとは磁石で縁を作り、これを貼り付けるというのがアイデアだ。
即座に管理者はそのアイデアを却下した。網の生地というか線維が硬いので、強力な磁石が必要だ。隙間がないようにするのも大変だ。それより蚊帳をかぶせた方がいい。前のエンジンルームを除いて、すっぽりかぶせればいい。大きめのサイズを買えばいい。
もっと優れた方法は、コンバーチブル(マツダ ロードスター)に車を変更して幌の布地を蚊帳の布地に変更するのだ。ホンダ・レジェンドを売って中古のマツダ・ロードスターを買えばいいのだ。お釣りがくるだろう。張替えの経費なんて6万円くらいだ、独身貴族にとってはゴミみたいな価格だ。
蚊帳の取っ手というかリングの部分も当然、飾りにつかうのだ。ユニークで花火大会にふさわしい。蚊帳張りロードスターのホラーリIII は、中年Hによく似合う。
重心動揺計ーただ立っていてもしょうがない
重心動揺計という測定器がある。前後、左右の荷重センサがある平らな板の上にのると、重心の前後左右の移動が記録できるという機械だ。100万円程度する。WiII でもできるので、その改造やプログラムがゴロゴロネットにはある。
ヒトは2本足なので、ダイナミックに重心移動を調整していないとこけちゃう。体の傾きを検知し、傾かないように常に体幹や足の筋の収縮状態を調整しないとこけちゃうのだ。3本足だったら、死んでも安定できる。
体位の情報は、1)内耳にある耳石器という頭の傾きを検知する器官からの情報、2)視覚情報、つまり垂直に立っている柱などの情報、3)深部感覚という関節の角度や筋の長さや緊張の情報、4)足底からの皮膚感覚情報 である。これらの入力に従って筋の出力を調節機能が正常なら重心のふらつきは狭い範囲に収まる。どっかに異常があるとふらつきの範囲が広くなるというわけだ。
1)の情報をなくすのは無重量でないとできない。2)は目をつぶればいい。3)は体のあちこちにあるわけで、これをなくすのは難しい。4)はスポンジのような柔らかい物の上に立つことによりかなり情報が制限することができる。
内耳に障害があるとかでは重心がふらつくわけだ。開眼より閉眼のほうがふらつきは大きい、スポンジの上に立たせるとさらにふらつく。
目をつぶってふわふわの座布団の上に立つとふらつくでしょ?年寄りには危険なわけだ。座布団の上に立ってコケるというのは年寄りに結構ある事故だ。
こういうことは既に知られているので、卒業研究にはならない。卒業研究対象にするためには、足底の筋を鍛えたら動揺が少なくなるか?とか、何かを操作したらどうなるかということになるわけだ。
卒業研究の被験者は、学生がお互いになるわけで、健康な二十歳前後の学生に様々なことをやらせても、重心動揺の程度にあまり差がでない。補償したり、学習したりする能力が若いから高いからだ。そこで、重心動揺計に乗っている時、外から突っついたりして動揺をおこさせ、その回復過程を調べたほうが、大きな変化があるだろう。
というわけで、腰を横から押すことを考えたが、一定の移動距離にするためには、どのように押したらいいのかなど面倒だ。そこで、寄りかかってもらい、その寄りかかった壁を急に倒すことにする。よりかかりの力を一定にすればいいわけだ。
予備実験では大体3kgくらいの荷重で壁に寄りかからせておけば、その壁を急に倒すと、倒れたり、ステップしたりしないで重心を移動して立位を保持できることがわかった。
壁を瞬時に倒すのは、電磁石を使えばいい。防犯ドア用の電磁石によるキャッチ装置が手に入る。電源を入れるとくっつくのではなく、離れるというタイプだ。200 ms 位の幅の電圧をあたえると、くっついていた鉄板から剥がれる。というわけで、重心動揺計が測定中5Vの出力を裏の端子から出しているのを利用して、測定開始から自由に設定した時間後に壁が倒れるという装置を作った。
ただし、重心動揺計の出力はCSVファイル−X方向とY方向の荷重の20ms毎の値−で、測定中操作した時点をマークすることができない。そこで正確に、例えば1秒後に操作し、CSVファイルの50行目に操作(刺激)が入ったとするしかない。つまり正確な1秒が必要なのだ。
水晶発信のタイマーキットを探したのだが、いいのがない。サムホイールスイッチで設定できないと困る。2進スイッチの組み合わせで設定してもいいのだが、わかりにくい。そこで、古いStimulator (Pulse generator)があったのでこれを利用することにした。
測定中の信号の立ち上がりを利用し、このPulse generator をスタートさせ、設定された時間後にパルスを作って、磁石を動作させるわけだ。
被験者は重心動揺計の上に立ち、壁に体重計があるから3kgの荷重がかかるように寄りかかる。実験者が測定を開始すると、設定時間(0〜99秒)後に壁が倒れる。被験者はいつ壁が倒れるかわからない。ステップすることなく重心を移動して立位を保つことを行わせるわけだ。
右横の壁に寄りかかり、壁の支えがなくなると、寄りかかった側と反対側に重心は急激に移動し、左右に振動しながら安定状態になる。
この図は右に寄りかかっていたときから、支えがなくなったので重心位置を左に移動して立位を保った重心移動の経過だ。
それまでの時間経過を、開眼と閉眼で比べる等すれば、ただ単に開眼と閉眼で立っているときの重心の動揺の程度を比べるより大きな差が出るだろう。