ゴニオメータ その3

電子ゴニオメータと称する角度計を作成し、実習に使ったのだ。この器具自体には何の問題もなく、うまく肘関節の屈曲伸展を記録できた。プラスチックとアルミの物差しを組み合わせたのだ。金属製が耐久性があっていいのだが、角度を読むとき透明でないと読めないので1本は透明、すなわちプラスチックでないとまずい。実習に供与したらこのプラスチック部分を壊すだろうなと予想したのだ。
なんせ、学生さんのすることは、無知とはいえ、すごいからね。ノートパソコンに4つUSBポートがあるのだが、最もよく使うのは、右利きが多いので右側面にあるポートで、何台かのノートはこのUSBポートの中にある上下逆に刺さないようになっているプラスチックの板が壊れてなくなっている。誰かが無理に刺したり、USBコネクタを引き抜くとき上下左右に動かして抜いたからだ。だから逆に挿して動かないと文句はいうし、正しく刺しても接触が甘く接続できなかったりする。中のピンが変形しているのもある。
PowerLabというパソコン組み合わせて使うデータ収集機(ADコンバータ)のパソコンとの接続はUSBである。パソコンの周辺機器のUSBポートは四角のTypeBと決まっていて、この機器もTypeBである。

こいつは上下逆差しを防ぐため、上の2ヵ所の角は斜めになってい、逆に刺せないようになっているのだが、強引に刺したやつがいて、受けの側のコネクタが変形して、逆差しができるようになってしまった。一度でも強引に逆に指すと次からはどっちでも刺すことができちゃう。ゆるくなって接触不良になりやすいんだよね。
逆に刺すなとラベルが貼ってあるのに、逆に刺して、「せんせー、動きません」というクレームが来るわけだ。見た目、配線は問題ないので、何故動かないのか、こちらがわからなくなる。
機器の入力はDIN8PとBNCの2種類あるわけだが、

DIN8Pのコネクタは、

で、ちょうど口径のサイズがBNCコネクタ

と同じなので、ここに刺すやつがいる。中を見れば8本のピンがあるから1本のピンしかないBNCコネクタに接続できないだろうが。でもサイズがぴったり同じなので刺さっちゃうのね。
というわけで、電子ゴニオメータのプラスチックの定規部分なんか壊れるのが当然だ。もちろんスペアは用意してある。
100名+70名の2学科があって、それぞれが2クラス、合計4クラスの実習をするわけね。普通は1学科全員で実習を実施するのだが、生理学実習室は48名が定員で、スタッフもいないから二部授業、週4回実習するわけだ。死ぬのわかるでしょ?
100名入る生理学実習室を作れと提案したのだが…. それはまたいつかの話。
12+12+10+10班で実習し、結果として供給された12ケの電子ゴニオメータは1ケ壊されてしまった。1ケで済んだのは奇跡だな。
壊した学生は、へらへら笑っているわけね。腹立つね。