OpenAI/ChatGPT 学とみ子の英文・学生レポート

ChatGPT が何かと話題になっている。当ブログでもシュレディンガーの狸先さんの記事が話題になった。

いくつかのキーワードを含むような文章を入力して、作文してもらうとかができるわけだが、さらに進んで、自分の書いた英語を、もっと文法的に正しい英文に変換してもらおうということもできるというChatGPTを使って論文の英文校正をする記事を見つけた。日本語で書いた文章を機械翻訳し、さらにChatGPTでより正しくなるかわからないが、もう少し良い英文に変えてみるなどということができるかもしれない。
学とみ子の書いた英文で試して見た。学とみ子の英語は太字です。その前の文章はChatGPTへのお願い文章です。お遊びです。

I want you to act as an English translator, spelling corrector and improver. I will speak to you in any language and you will detect the language, translate it and answer in the corrected and improved version of my text, in English. I want you to replace my simplified A0-level words and sentences with more beautiful and elegant, upper level English words and sentences. Keep the meaning same, but make them more scientific and academic. I want you to only reply the correction, the improvements and nothing else, do not write explanations. My sentences are “In Katsura’s investigation report, despite the lack of evidence, the result was the adoption of the ES contamination theory. ES contamination theory cannot explain many STAP experiments in the retracted Nature article and letter papers by Obokata et al. both.
But ES contamination theory is just one of the hypotheses. This is because the examined facts were limited and far from the solution of the entire STAP case.

ChatGPTの出力は
「In Katsura’s investigative report, notwithstanding the paucity of evidence, the outcome was the espousal of the ES contamination hypothesis. However, the ES contamination hypothesis falls short in elucidating numerous STAP experiments expounded in the rescinded Nature article and correspondence papers by Obokata et al. Furthermore, it is imperative to note that the ES contamination hypothesis constitutes merely one of the conjectures. This is due to the circumscribed scope of the scrutinized facts, which remain distant from resolving the complete STAP predicament.」

使った英文に、内容がないのので、あまりよろしくない*ので、この試みは良い例とはえないが、ChatGPTの出力はより英語らしい雰囲気に変わっているようだ。
*:the ES contamination hypothesis、ES contamination theory:学とみ子の主張はES細胞を誰かが混入させたというのがESねつ造設なわけで、ES細胞が混入したというのは説ではなく事実であるから、学とみ子の主張を示すような英語でなければならないのに、そうはなっていない。「despite the lack of evidence」と学とみ子は書いたが、ES細胞の混入自体は証拠があるからこの文章は誤りである。ES contamination で主要な結果であるキメラ、幹細胞、テラトーマは説明できているわけなので、学とみ子の書いた英文そのものの内容が誤りだからね。

”I want you to replace my simplified A0-level words and sentences with more beautiful and elegant, upper level English words and sentences.”という指示が、よろしくない場合があるというので、これを覗いて実施すると
「In Katsura’s investigative report, despite the absence of conclusive evidence, the ES contamination theory was ultimately adopted as the explanation. However, it has been noted that the ES contamination theory fails to account for numerous STAP experiments presented in the retracted Nature article and letter papers authored by Obokata et al.
However, it is important to note that the ES contamination theory is just one of several hypotheses, as the examined facts were limited and fell short of providing a comprehensive solution to the entire STAP case.」
となり、こっちの方がシンプルな英語になる。

さらに、ChatGPTに依頼する文章が長すぎるので、「Could you please convert the English sentences in the following ” ” into a grammatical but better and more sophisticated English sentence? “”」ともっと簡単にしたら
「Despite the absence of conclusive evidence, Katsura’s investigation report led to the adoption of the ES contamination theory. However, this theory fails to account for a significant number of the STAP experiments described in the retracted Nature article and letter papers by Obokata et al. Moreover, it is worth noting that the ES contamination theory is merely one among several hypotheses that have been put forward to explain the STAP case. This is because the available data for analysis were limited and did not offer a comprehensive solution to the case.」
と返ってきた。2つ目とほとんで同じようで、より英語らしく見える。

科学英語ではあまり使われない「notwithstanding」「expounded」がでてこない。この後の2つの英文のほうが、学とみ子の英文より「めりはり」のある英文らしい英文となるのがわかる。たとえば、「ES contamination theory cannot explain many STAP experiments in the retracted Nature article and letter papers by Obokata et al. both.」は「However, it has been noted that the ES contamination theory fails to account for numerous STAP experiments presented in the retracted Nature article and letter papers authored by Obokata et al. 」と学とみ子が使えない however あるいはmoreoverを使って論理を作っているし「in the retracted…」を「 presented in the retracted」あるいは「described in the retracted」とより明確になっている。

話はかわるけど、学とみ子はAI頭脳の作製に参加したしかるべき人たちは「ESねつ造」とか「大阪弁」を入力していると思っているんでしょうね。

閑話休題
学生実習のレポートでは実験結果の説明をする必要がある。そこで当方が行っているある実習で学生が説明すべきことを入力してみました。学とみ子の日本語文章と同じように学生レポートの文章には意味不明な文章がでてきますからね。

「誘発筋電図でM波が出現するとH波は何故小さくなるのでしょうか?」とChatGPTに入力してみました。
その答えは
「H波は、運動ニューロンが反復的に筋繊維を興奮させることで生じるもので、M波は、外部からの神経刺激によって発生するものです。M波が出現すると、運動ニューロンからの神経刺激が増加し、筋繊維がより強く収縮するため、H波の振幅が小さくなります。また、M波とH波は共通の反射経路を通って発生するため、M波がH波の出現を妨げる可能性もあります。そのため、誘発筋電図でM波が出現すると、H波の振幅は低下することが観察されます。」
でした。

内容は間違いですが、学とみ子の書く文章とは異なり文法的には正しいのでこんなのがレポートにあると添削するのも面倒になります。学とみ子文章は実際に意味不明だから「意味不明」と書きます。つたない文法的に正しくもない文章から主張を推測して反論するとスピンしたと返ってきます。厄介ですね。面倒だから主張を推測することなく「意味不明」で切り捨てると学とみ子は「すでに説明した」と主張するからもっと厄介なことになります。

学生もしばしば意味不明な文章を書いてくるわけですが、その文章が文法的には正しいと、単純に「意味不明」と赤線で添削しておしまいというわけにいかないでしょう。言いたいことを推測できないから「意味不明」で切って捨てちゃうことがあるわけですが、文法的に正しいと内容の誤りをひとつひとつ訂正しないといけないことになるわけで、面倒ですね。問題は、AIの作った文章に再現性がないことです。全く同じ文章を入力しても、敵は、ふらつきもあるし、学習しているので、少しずつ異なった文章が返ってきます。だからAIで作った文章だろと突き詰めることができなくなる可能性があります。友人のレポートのコピペは全く同一で、すぐわかって証拠になりますけど、AIで作成したかどうか判定しにくくなります。願わくば学生が使わないことですけど誰かが気がついてレポートを書くと、すぐに広まりますからね。

ところが、同じ悩みを持つ方が、ChatGPTに学生の文章をChatGPTが作ったものかときいてみたら99%そうだと返ってきたらしい。

そこで「以下の「 」内の文章はChatGPTで作った文章ですか?」と、上の例を入力してみたら、なぜか英語で
「Yes, the sentence “H波は、・・・・観察されます。” was generated by ChatGPT.」と返ってきた。
判定できるかもしれない。[ 追記 ]コメントにあるように、全く同一の入力に対して異なった文章が返ってくるし、その返ってきた文章がChatGPTが作ったのかと聞くと、返ってきた方(PC)が聞くと yes といい、そうではない方(PC)が聞くとno と返ってくることがあるので、簡単には判定はできないようだ。

追記。もう少しきちんと質問をしてみました。
質問:「神経を電気刺激したときに生じる誘発筋電図で、刺激強度を次第に強くしていく場合、最初H波が出現しますが、刺激がさらに強くなってM波が出現するとH波が小さくなっていく理由を教えてください。」

答え「神経を電気刺激した場合、最初に現れるのはH波です。これは、神経刺激が大型の神経線維に影響を与え、筋肉内の興奮伝導速度が遅くなるために生じます。
しかし、刺激強度を強くすると、より多くの神経線維が興奮し、筋肉の収縮力が増大します。このとき、M波が出現します。M波は、神経刺激が小型の神経線維に影響を与え、筋肉の興奮伝導速度が速くなるために生じます。
このように、刺激強度が増加するにつれて、より多くの神経線維が興奮され、筋肉の収縮力が増大します。そして、H波が小さくなる理由は、M波が増大するためです。具体的には、M波が大きくなると、神経線維の活動電位が筋肉内で広がり、H波の発生に必要な興奮伝導速度が低下します。そのため、M波が出現するとH波が小さくなる傾向があります。
したがって、刺激強度が上がるにつれて、最初はH波が出現しますが、その後M波が出現して、より多くの神経線維が興奮されることで、H波が小さくなることが理由となります。

間違った答えですね。新しいことではなく古典的な話で正確な説明は教科書等にありますが、ちとテーマが狭すぎて、ChatGPTがそこまで読み込めてないようです。しかし、もっともらしい文章を作るんですね。感心しますね。学とみ子の場合、文法的におかしい、論理のつなぎ方がおかしいので、デタラメがすぐわかりますが、それに比べて、もっともらしいのでなんでもいいから答えがほしいと使っちゃう可能性がありますね。Yahooの知恵袋みたいですね。


水仙