熱中症になったときの処置として、水風呂に入れる という話がある。
労作性熱中症(Exertional Heatstroke)ー運動が原因の熱中症ーと非労作性熱中症(Passive Heatstroke)ー高齢者に多く高温の屋内で運動もしていないのになってしまうーの2つに分類されるのだが、どうやら労作性熱中症では氷水に体ごと浸すのがいいようだ。
これまで、熱中症に対して体ごと湯船等で氷水に浸すのは、冷たい水が皮膚に触れると体温調節の反射により、皮膚血管が収縮するので放熱に不利だから効果がないと学生に教えてきたところだ。どこかの教科書で読んだからと思っているが、その由来はもうわからなくなってしまった。この話はもっとものように思えるので採用してきた。冷やせばいいのだが氷水に漬けてはまずいというのは逆説的で学生さんの注意を引くであろうということもある。
熱中症は体の中心部の温度(核心温)が高くなり、神経系を含めた臓器に障害が発生することで、まず症状として表れるのは神経系の障害だ。対策はできるだけ早く核心温を正常値まで下げることだ。
大量の発汗で循環血液量が減少すると、体は中心部の神経系を始めとする臓器の血流を維持するように動作し、皮膚血流が減ってしまう。これが放熱を妨げる原因である。だから循環血液量を増やせばいい。神経障害がなければ水分を経口補給できるが意識がなく飲む事ができない場合は輸液することになる。輸液は普通の人はできないから、救急車が来る前に、一般人のできることは体温を下げることである。
体の核心部の温度を下げる方法は、循環する血液の温度を下げればいいわけで、そのためには体表面に近い太い血管がある部分、脇の下、鼠径部、首等にアイスパックを当てるのがいい。環境省の熱中予防情報サイトの熱中症の対処方法(応急処置)にある通りだ。氷を張った水風呂に入れろとは書いてない。
ところがリスク対策.com のメニハアオバヤマホトトギス…塩と水…~熱中症対策の基本~によると氷水に浸せとある。救急医療専門の医者の方(鶴和幹浩さん)の記事で専門医なので正しいのだろう。
論文を探すと
Casa DJ1, McDermott BP, Lee EC, Yeargin SW, Armstrong LE, Maresh CM. Cold water immersion: the gold standard for exertional heatstroke treatment.Exerc Sport Sci Rev. 2007 Jul;35(3):141-9. では労作性熱中症では冷たい水に浸すのがいいとある。レビューでabstractしか読めない。
Bouchama A1, Dehbi M, Chaves-Carballo E. Cooling and hemodynamic management in heatstroke: practical recommendations. Crit Care. 2007;11(3):R54. は文献検索研究で、若者、軍人、運動選手の労作性熱中症には 氷水に漬けるのがいいとある。
McDermott BP1, Casa DJ, Ganio MS, Lopez RM, Yeargin SW, Armstrong LE, Maresh CM. Acute whole-body cooling for exercise-induced hyperthermia: a systematic review. J Athl Train. 2009 Jan-Feb;44(1):84-93. doi: 10.4085/1062-6050-44.1.84. でも運動による高体温には氷水に浸すのが最も効果的であるとしている。
というわけで、高温下での運動で熱中症になった若者は、氷水のバスタブにぶち込めばいいようだ。
昨日、今日のように高温が続くときの高齢者がクーラーがあっても使わないとかで屋内で熱中症になったときも、同様に氷水の風呂に漬けていいのかはわからない。高齢者だから若者と違い冷やし過ぎたとき別の障害が発生するかもしれない。体温(直腸温とかでないとまずい)を測るのも難しい。鼓膜温を測定するのがいいけど、そのへんに転がっている物ではないからね。
[ 追記 ] 2018.7.19
鼓膜温を測定する耳式体温計は2,3千円くらいからあり、そんなに高価な物ではないようだ。ただし、測定の度に値が違うとか、脇の下で測定するレガシーな体温計と値が違うとか、いろいろクレームがあるようだ。取説に脇の下より高めの値が表示される(当然です)とあるのに。実際には測定のコツみたいのがあるのでは?
「雑感」カテゴリーアーカイブ
Walking dead
あぢ あぢ
皆さん、この猛暑の中、生きています?
毎朝、ビールを美味しくするために 8 ~ 11 km 遊歩道を歩いているのだが、今朝はひどかった。朝6時過ぎですでに気温30度近い。遊歩道のほとんどは木陰になっているのだが、一部は石畳で木陰もないところがある。今朝は風も吹いていなかった。
公園の水飲み場で水を補給しつつ歩いたのだが、行程の最後では walking dead というかゾンビというか、汗だらけのよれよれジジイであった。
明日はどうしようか?
[ 追記 ] 2018.7.18
朝6時、すでに28度を超えていた。科学誌印刷業者さんのお言葉にさからって昨日の半分だけ歩いてきました。汗だらけのよれよれジジイに変化はないようです。
雨だ!!、猛暑だ!!
気象庁が大雨だ!!と特別記者会見をやったけど、洪水が発生し予想された場所が水没し、逃げ遅れて多数の方が命を落とした。
今度は、この週末3連休は猛暑だとの特別記者会見だ。洪水は、まさか自分の住んでいるところはということで逃げ遅れちゃったわけだが、今度は暑い!!のだ。どこに逃げろというのだろうか。避難所なんてないぞ。猛暑のハザードマップはどの市町村でも用意していないだろうな。別に気象庁に聞いているわけではないけどね。
なんか、地球の自転が止まってNew Yorkが氷だらけの街になる、小惑星が衝突するから全人類はあきらめろ、でも英雄がいて小惑星を破壊したなんていうSF映画みたいな状況だ。
3連休で自宅にいると、仕事場の冷房環境が使えないわけで、来月の電気代の請求書がどうなる?クーラーが使えるからまだましだが停電になったらどうなる?今年の夏の高校野球は電力が持つのだろうか?
ま、なんとかなるだろと、ハザードマップを無視した方々とちっとも変わらない。これでいいのか?
これだけ警戒情報があったのに
2018年7月7日19時現在、NHKニュースによると、今回の大雨で、九州から関西にかけて44人死亡、50人安否不明だそうです。
大雨の降らなかった地域に住んでいて、のほほんとしていたから言いたいことを言っていると言われてもしょうがない(言うが3つもある。英訳がむずかしそ)けど、気象庁からこれだけ数十年に一回あるかないかの大雨だと注意がしつこく発表されたことはなかったのではないかと思うところです。結果をみると天気予報の精度が上がったのがよくわかります。
雨雲の予想をみると、今後何時間も雨だといわれていて、事実そのとおりなのに、家が水をかぶったというのはしょうがないにしてもなぜこんなに人的被害が大きいのでしょうか。
昔とちがって、ダムや河川の堤防の整備がすすみ、雨で自分の住んでいる地域が水没するなどという経験は一生に一回あるかないかのような状況になっているので、いくら警戒しろといわれても、実際問題としてどのように警戒していいのかわからないこともあり、なにも実行できず、気が付いたら床上まで水が来てしまったということなんでしょうかね。気象庁が「これまで経験したことのない大雨」というのは正しかったわけですね。
避難所に避難しろという情報があっても、そんなことはあるまいと思うんでしょうね。管理人でも、洪水の被害にあったことはないので、今、仮に避難勧告があっても動かないかもしれません。自分なりに判断して、そしてその判断は楽観的で、洪水に襲われたらまさかと思っていたと言うのが目に見えています。
適切な情報があっても、役にたたなかったというのは残念ですな。避難訓練とか実際に体をうごかすことする必要があるわけですが、洪水の経験のない地区で洪水の避難訓練しても参加者がいるのが期待できないですね。
職場や集合住宅だと、年1階の火災避難訓練があるところで、火災は十分ありうることなので参加するところですが、洪水や地震だと訓練は参加する方が少ないでしょうね。
知人で、職を得て、引っ越し、アパートの2階に住んでいたんだけど、朝、起きたら1階が水浸し、車が水没というのを経験した方がいました。全く警戒などしてなかったと言っていました。お見舞金を送った覚えがあります。
どっちを応援する?
ポーランドに負けたとき、セネガルが勝てば、日本2位通過だからセネガル頑張れ…
ポーランド先制… やばい セネガル頑張れ。
コロンビアが先制、今度はファウルの数で日本が優位、だからコロンビア頑張れ…
ネットの同時配信は1分くらい遅い。コロンビアの得点はフジTVのアナウンスのほうが早かった。
あー、日本が時間稼ぎかよ。コロンビアの勝ちにかけたんだな。ポーランドもやる気がない。
日本の試合が終わったら、すぐNHKに切り替えだ。
終わった。こっちは追加が4分、あと1分。終わった。イエローカードの数かよ。
ま、結果オーライか。 今度は川島が頑張った。 次は、イングランドかベルギーか。どっちもどっちだ。3時からのゲームまで起きていられない。寝る。起きたら、どっちか決まっているだろうから、決勝トーナメントの当日は何食べるか考えよう。フィッシュアンドチップスはいやだな。
ズラジ
対ポーランド戦だ。
科学誌印刷業者さんがコロンビアコーヒーをガバガバ呑んだのでコロンビアに勝ったということで、セネガル戦ではピーナッツかタコを、ともにセネガルの主要輸出品目なので、食べるとかという話になり、管理人はたこピラフを食べたのだが、セネガルのタコではなく同じアフリカではあるがモーリタニア産だったからか、引き分けになってしまった。
今日、夜の対ポーランド戦はどうするということになり、joさんはポーランド風水餃子ーピエロギーの代わりににギョウザを食べるとおっしゃるので、ほかにポーランド料理はないかと探したのだ。
ネットによくあるポーランド料理には煮込んだ物が多い。寒い農業国だからなのか。ポーランド独自の食材というのはあまりない。ドイツ、ハンガリー、ロシアに影響されたものが多いようだ。
ポーランド系アメリカ人の義母から教わったという牛肉&ベーコンの煮込み、ズラチ、なるものを見つけた。今日は夏日でアチアチで煮込み料理という雰囲気ではないのだが、ビール片手に作って食べてみる。簡単な料理だ。こういう煮込みは失敗がない。早めに帰宅し、飲んで食って一寝入りして11時からだ。今日は朝3時からのブラジルvsセルビアを見ていたから眠いのだ。
玉ねぎみじん切りを包むというのがオリジナルだが、みじん切りだとこぼれちゃうと思うので、スライスして包んでみた。
表面を焼いて、赤ワインと水とコンソメスープを加え弱火で30分煮詰める。
食ったぞ、おいしかったぞ、ビールもうまいぞ、勝てよ日本!!。
しかし、TVニュースも開始時間を秒読みで表示だ。すごいね。
ZAPを繰り返すのだが…ヒットしない
ワールド・カップ ロシア2018のグループリーグの第3戦は同一グループの2試合が同時にキックオフになる。決勝トーナメントに出られるかどうかが決まるゲームになることが多いので、時間差をつけて2つのゲームを開始したとき、前の試合の結果がわかってしまうと、後の試合に出るチームの立場が微妙になるからだ。日本時間の23時と27時だ。昨晩から今朝にかけてはグループAとBだ。グループAは決勝トーナメントに出るのがロシアとウルグアイに決まってしまったので、面白くない。グループBは27時からだったのだが、スペインとポルトガルがひょっとすると敗退してしまう可能性があり、両方見たい。2台のTVで見ればいいのだが、当然1つの部屋には1台しかなく、別の部屋から移動させなければならない。このためだけに移動するのは面倒だから、1台だけでリモコンのボタンで何回も切り替えるのだが、切り替えるとどちらのゲームもゴールが決まった直後になってしまって、いらつく。
28日の日本のゲームは、同時進行のセネガルvsコロンビアをNHKが同時配信するようなので、2台目のTVでなくこちらをノートの画面でみることにすればいい。
ちと小さいし、画質もよくないけど、何が起こっているかを見るだけでからいいだろ。日本が負けそうになったら、になるけれどもね。ネットではLIVEというけど、何十秒か遅れるだろう。TVだってデジタルになったので、何秒か遅れているからね(ニュースの初めの画面に秒針の付いたアナログ時計をデザインとして使わなくなった理由だ)。
LIVE のことをReal Time で見ることができるとよく言うけれど、何年か前に、英語科目の米国人担当教員のパソコンのネット接続を手伝ったとき、Real Timeとはなんだ?と聞かれたことがある。そもそも情報処理分野で使われ始めた言葉のようで、英語の先生のように文系でネットとかに疎いと、新語だからか知らなかったようだ。No delay のことだと説明したら納得してくれた。日本語では同時にとか訳すんだろうけど、simultaneousとは違うと思う。
しかし、コロンビアvsポーランドを見たけれど、コロンビアて、強いね。相手が10人だったとはいえ、日本はよく勝ったと思うよ。
ポーランドは2敗すると3戦目には勝つらしい。やばいじゃん。
déjà vu
7年前に見た光景が…
阪大 はやし@as_goma6時間前 らしい。
こちらも阪大らしい。akumi Kawasetsu @takumi_k_jpn 6時間前。
上川瀬名さんのTwitteer によると有料のMEGA地震予測メルマガ(350円/月)の2018年6月13日号の予測は
だそうで、これだけ日本の多くの部域が予測されているのに、今回の地震は予測区域以外だ。予想は不可能なんですな。
もしもし、mよmさんよ…じゃなくて亀さんよ
Walking をやり始めたと、前に書いた。ロウソクを長くするためではなく、ビールを美味しく飲むためだ。今朝も歩いたのだ。遊歩道の途中には両側を石やコンクリートで覆われた溝のようになっているところがある。
ここに、こんな物がころがっていた。
そ、
通称、mじゃなくてミドリガメです。T. s. elegans ミシシッピアカミミガメ (Red-eared slider)ですね。環境省によると特定外来種にはまだなっていない要注意外来生物のようです。
最初の写真の右側奥に池があるので、そこからのこのこ出てきて、この崖の上からコケてup side down になったんだろ。すぐアカミミガメであることがわかった。多分、近所の元ガキが縁日で買ってきたミドリガメを放したんだろう。
さて、外来性生物なので、このまま放置はまずいのでは?と思ったわけだ。どこかで処理してもらう必要があると思ったわけだ。しかし、甲羅の大きさは20 cm 近くあり、手で持って walking を続ける訳にはいかない。甲羅に取っ手なんか付いていないからね。袋のようなものがないと持てない。この遊歩道は、m とちがって倫理感のある方が利用するので、レジ袋など落ちていない。ゴミが落ちてないのだ。しかし、この先の公園になっているところに公衆トイレがあり、そこにはゴミ箱がある。ゴミ箱の中にはきっとレジ袋があるだろう、あるいは犬の散歩をさせている方は必ずゴミ袋を持っているので、余分な袋があったら分けてもらえるのでは と考えたのだ。
だから、とりあえず、このまま放置して、1 km位先の公園のゴミ箱でレジ袋を見つけ、戻ってきて、まだいたら袋に突っ込んで持ち歩くことにしたのだ。その間、誰かが持って行っちゃったら、それはそれでいいということにした。通学時間でもあるので、中学生が自転車で何人も通る。walking やjogging している方もいるからね。自転車乗りは多分、気が付かないだろう。後者は気がつくはずだが、この間に通る方はそんなに多くはなく、10名に満たないだろう。
というわけで、犬を連れている人とはすれ違うことがなかったので、公園のゴミ箱を漁って、コンビニのレジ袋を見つけ、戻ってきたのだ。拾ったら処理をどうしたらいいのかわからないしぃ、面倒だから、誰かが拾ってくれること、あるいは、どっかに逃げちゃっていることを期待しつつ…
まだ、いたのだ。しかも2匹!!
んが。上の黄色いのが27 cm のスニーカーです。大きさがわかるでしょ。
コンビニのレジ袋は小さく、2匹入れたたら、破けそう。そこで、もう一箇所の通過地点の別の公園のゴミ箱で、再度レジ袋を漁り、幸い少し大きいレジ袋があったのでこれに詰めて持ち歩いた。どこまで??
この遊歩道沿いに KOBAN があるのだ。朝一だけど、おまわりさんいるかなぁ?ここにとりあえず持ち込んで相談だ。
おまわりさん:「拾得物になるのかな?本署の生活課に聞くから待って…」
管理人:「ひきとれないよ、外来生物だから、元に戻すのはまずいんじゃない?」
おまわりさん:「拾得物だと、落とし主が名乗りでるのを待つしかないな…」
おまわりさん:「落とし物ではないのはわかるけど、でも1%でも落とし物の可能性があるとすると、保管しないと…」
おまわりさん:「生活課では、拾得物として取り扱えないと言っている。市役所かなぁ?市役所はまだやってないな」
管理人:「爬虫類だから、処理するには安楽死にしないと。カエル以下だったら踏み潰しても動物愛護法に抵触しないけどね。」
おまわりさん:「もうちょっと検討するから、ちと持ち帰ってちょうだい。市役所と相談してすぐ連絡するからね」
で、自宅に戻り、シャワーを浴びて、今日は遅刻だな。まいっか。と電話を待っていたら、おまわりさんから電話で、「まだどうやって処理していいかわからないけど、生活課と相談した結果、おまわりさんの方であずかることになったので、取りに行きます。」ということになった。
管理者が KOBAN に持っていきましたよ。今は、 KOBAN のバケツの中です。
おまわりさん、余計な仕事を作って、すみませんでした。
しかし、ネットでみても、こういう外来種を拾った・捕まえたとき、どうしたらいいのか定番はないようだ。
(1)自分で飼う
(2)ペット屋、動物園で引き取ってもらう
(3)iZOOで引き取ってもらう。
(1)はできない、(2)の引き取ってもらえるペット屋なんかあるんか?近くに動物園なんて無いぞ。(3)伊豆の河津まで行けるかよ。
というわけで、おまわりさんも、管理人も困るわけですな。
食べている方がいた。このページが秀悦だ。唐揚げがいいらしいが、手間が掛かりそうだ。
駆除ガイドがおもしろい。いろんなことが書いてある。安楽死は冷凍することのようです。その後、腐葉土と一緒にして肥料にするようですな。近くにこのような組織があれば、ですね。
鉛筆溶接器と熱電対プローブ
熱電対の温度計とは、2種の金属線(普通よくあるのはKタイプでAlumel線と Chromel 線)が接触すると温度に依存した起電力が生じることを利用した温度計である。
熱電対温度計は自作するのが簡単なのだが。問題はセンサーの形状である。2種の金属が接する部分をどうやって作るかである。センサーは様々なものが市販されているが、オーブンに入れたまま使えるローストビーフ用の温度計がなかなかない。多くは肉に刺すパイプが太く、なおかつオーブンの中に入れておけない。肉に刺すので細いパイプ状のセンサーがいいが、細いとすぐ曲げちゃう。外径 2 mm 以上あるとこんな太いの肉にさしていいのかよ(いいのだけど)とつい思っちゃう。
すでに完璧なローストビーフを作るための方法は確立している。ローストビーフのレシピはあちこちにあって、肉の温度を何度にしたらレアとかウエルダンとか書いてあるが、曖昧だ。オーブンを開けて温度計を刺すのはいいが、温度計を刺して抜いてオーブンに再び入れるなんてことはしたくない。温度が高くなりすぎたらコチコチになっちゃったりするからね。肉の大きさにかかわらずきれいに作る方法を確立したのだ。そのためにはオーブンの蓋を閉じて肉の中心部の温度変化を連続的に知る必要があるのだ。
これまで使っていたステンレスチューブで作ったプローブは、中にしこんだ熱電対線がステンレスパイプに接触したりするらしく、時々誤動作するので、新規に作成することにした。
外径 1.4 mm のステンレスパイプのプローブを作ることにした。この中に入れる細い熱電対ワイヤーがあるからでもある。
2種類の金属線を接触というが、単に撚っただけでは接触不良になるからだめで、ハンダ付けでも二種の金属が直接触れることなく間にハンダがあるのなら原理的には問題ないが、現実に作れない。溶接が一番である。しかし、市販の溶接機はそもそも極細ワイヤーを溶接するようにはできていない。極細ワイヤーなんだから溶接するのに電力は必要としないのだ。そこで、かつてはその辺にころがっていた抵抗等で作ったのだが、配線は空中にあり、
極めて不安定ということで、あらためて鉛筆溶接機を作成した。全く同じ回路だが 10 Ωの抵抗部分を複数の抵抗にしてしっかり固定したのだ。
危険だから、良い子はまねしないように。
3.4 A のスライダックと抵抗を直列に並べたものだけだ。10 Ω 2 ケ、5 Ω 1 ケ、1 Ω 2 ケの抵抗を直列に並べ、接続部分にコネクタ付けただけで、抵抗値をバナナチップをコネクタ(写真の赤丸)に刺すことで選ぶことができるだけだ。抵抗は発熱するからワット数の大きなもの(少なくとも10 W位)が必要だ。そのへんにころがっていたのを適当に使ってみた。
スライダックの2次電圧と抵抗の大きさだけで流れる電流を調節する。抵抗値が低いから連続して電流を流してはいけない。鉛筆の芯を尖らせて、この鉛筆の芯を金属に接触させたときに発生する熱で溶接するわけだ。
緑のミノムシクリップで溶接する線の溶接する端とは反対側の端を掴み、黄色線ー赤ミノムシクリップで鉛筆の芯を掴み、反対側の芯は鉛筆削りで尖らせてここでアーク放電ー発熱させて使う。
コネクタ付き熱電対500円を手に入れた。以下2枚の写真は秋月電子のページから。
この線の太さは0.3 mm で、先端が溶接されている。
この溶接部分を切り離し、長さを変えて段違いにしておいて、0.075 mm 径のAlumel, Chromel テフロンコーティング線を溶接するわけだ。テフロンコーティングの0.075 mm 径のAlumel, Chromelのペアの線は腰が弱いから、ステンレスチューブに入れにくい。そこで内径0.5 mm、外径 0.8 mm のポリエチレンチューブ(SP31)があったのでこの中に2本の線を通し、ステンレスチューブ(外径1.4 mm、内径 1.0 mm)に通すことにする。このポリエチレンチューブに2本の線を通すコツは、2本の線の被覆を剥がし、撚って、配線用の撚り線をばらして1本だけ取り出した銅線にはんだ付けする。ばらした撚り線の1本は十分細いからポリエチレンチューブに簡単に通すことができ、通して引っ張れば2本のテフロンコーティング線をポリエチレンチューブに通すことができる。はんだ付けした部分はとりあえず引っ張るための線を取り除き、はんだ付けしたままにしておく。
ポリエチレンチューブがステンレスチューブの中にあることになる・ポリエチレンチューブだから熱に弱い。熱で溶けても、中の線はテフロンでコーティングされているから問題ないはず。もっと高温になって燃えちゃったらこまるけど、ローストビーフのオーブンの温度ではどうなるかわからない。
パソコンのUSBに接続する顕微鏡と称するおもちゃで撮影したのが下の図で
右下から出てきたのが鉛筆の芯の先端だ。この写真では細い線を巻きつけてあるが、結局、あまり意味がない。鉛筆の先端を太い方の線に近づけアーク放電が生じるようにすると太い線が溶けるからその溶けたときに細い方の線をくっ付けるのがいい。
このように径の異なるワイヤーを溶接するのは難しい。細い方が容易に溶けて溶断してしまうからだ。細い方も太い方も溶けてほしいわけだ。何回か練習すればできるだろう。溶接されたところは極わずかな部分になるので、この溶接部分に力が加わるとすぐきれてしまう。両方のケーブルをテープ等で止めてうごかないようにしておいてから溶接する。太い線のコネクタ部分をミノムシクリップで掴み、太い線と鉛筆芯の間で電流を流して溶接する。
2本の細い方のワイヤーの逆側はハンダ付けしてあるから、ミノムシクリップで掴み、テスターで抵抗を測定する。線が細いとテスターのミノムシクリップで掴めないからだ。溶接できたようだったら、すこし細い線を動かして、テスターで抵抗値が変わらないことを確認し、硬化の早い接着剤ですぐ固定するのがいいだろう。
この場合は30Vで 10 Ωの抵抗を介して溶接した。ビノキュラの下で行わないと小さずぎて見えない。
下図のは上が 0.3 mm と 0.075 mm の線(赤と黄色)を溶接しエポキシ接着剤で固定したところだ(下写真の上)。
細い線の反対側は撚って銅線にはんだ付けしてあるから、これを切り取り、被覆を剥き、線を撚って短く切って、鉛筆の芯の先端を撚った部分に接触させ溶接した。太い線のコネクタをミノムシクリップでつかんで電流を流す。この場合20Vで20 Ωの抵抗を介した。こっちのほうは簡単にできる。上の図の下の部分だ。
外径1.4 mm 、長さ100 mmのステンレスチューブの中に挿入して使うわけだ。チューブの先端は注射針のように削って、鉛フリーのハンダで先端を塞ぐ。根本は外径 2.0 mm、内径 1.5 mmのステンレスパイプをはんだ付けし、6 mm のステンレス棒を旋盤で中が空洞になるようにし、さらに外径 2.0 mm、内径 1.5 mmのステンレスパイプが通るように穴あけ加工して、細い線と太い線の接続部がこの中にはいるようにした。中にはセラミック接着剤を充填した。また抵抗のリード線を6 mmのステンレスチューブにはんだ付けしてこの線を曲げて太い方の線を固定し、ひっぱったとき抜けないようにした。
太い方の青い線の被覆は熱に弱そうなのでガラス線維を織り込んで作ったチューブ(ガラスチューブ内径 2mm)を被せた。
市販製品 のK熱電対(シース型・コネクタ付き)に相当する。4千円だ。買ったほうが安い。
ThermoProデジタルオーブン調理用温度計 バーベキューコンロサーモメーター 肉 天ぷら 揚げ物 食品用 塩麹 燻製など温度のチェックのため キッチン料理用のタイマー アラーム機能があり 耐熱TP-06 はプローブをオーブンの中にいれて温度を測定できる。2000円位だ。安くていいだろう。ただし、プローブの太さがわからない。外径 2 mm 以上あるのでは?このプローブが太いと、肉に刺すときためらっちゃう。細いほうが精神衛生上好ましいが、耐久性がなくなっちゃう。しかし、安いからいいのでは?いろいろ機能があるようだが、その機能は使わない。温度がわかればいい。