塩素イオン

とある教科書の翻訳の一部を担当しているのだ。原著の版が改訂されたので、変更部分を翻訳して出版社に送ったので、出版社から校正刷りが来たわけだ。んで、翻訳のおかしい所、誤字脱字等には、編集者が ? マークを付けているわけだ。もうこの教科書は何回も版の更新をしているわけで、これまで何の問題がなかったのに、今度の編集者から ? が付いてきたところがある。
Cl- は塩素イオンと思っていたわけだが最近は違う。塩化物イオン なのだ。同様に、OH- は水酸化イオンではなく水酸化物イオンだし、 COOH- はカルボキシル基ではなくカルボキシ基なのだ。高校の教科書が何年か前から変更になっているのだ。こういうところに ? が付いているので、??? とこっちが思ったわけね。編集者が若くなったからだね。学術的には高校の教科書が正しい。
だからヤフー知恵袋には、若者が、「塩素イオンてなに?」と質問しているわけね。
大学1年生を主に教えているわけだが、わかんね・知らないよ、先生それ何?という質問がないな。彼らは、全く新しい別物と思って聞いているんだろうか?でも、配布するプリントもスライドも Cl- だよ。重炭酸イオンなんて言ったらだめなんだな。医学は保守的だから昔の呼び方のままなんだよね。
神経線維、筋線維は高校の生物の教科書では繊維を使うのね。こっちは学術的には線維が正しいのね。これは生物の入試問題を作成していたから知っていた。化学の問題は作成していないから知らなかったのだ。
もう、ジジイは引退しかないな。とほほ。

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