IPCC(気候変動に関する政府間パネル) 第5次評価報告書(AR5)のV.AR5における「可能性」の表現から、一部の表示のみ変更すると
英語 | 和訳 | 発生確率 % |
Virtually certain | ほぼ確実 | 99~100 |
Extremely likely | 可能性が極めて高い | 95~100 |
Very likely | 可能性が非常に高い | 90~100 |
Likely | 可能性が高い | 66~100 |
More likely than not | どちらかといえば | 50~100 |
About as likely as not | どちらも同程度 | 33~66 |
Unlikely | 可能性が低い | 0~33 |
Very unlikely | 可能性が非常に低い | 0~10 |
Extremely unlikely | 可能性が極めて低い | 0~5 |
Exceptionally unlikely | ほぼあり得ない | 0~1 |
というのが環境省の決めた表現である。気候についての「「可能性」とは、不確実性を定量的に表現する用語であり、観測、モデル結果の統計的解析や専門家の判断に基づいて確率的に表現される」ということで、これが科学のすべての分野にあてはまるかどうかは議論になるところだけど、参考になる。
医学・生物学で、有意確率が 5% 未満だったとき、「有意の差があった」と表現することが多いけれど、これを「可能性が極めて高い・低い」「Extremely likely・unlikely」と表現して論文に書いたら、レフリーからクレームがつくだろうな。
人文科学系の論文では、probable, possible が微妙に使い分けられたりしてますな。
邪馬台国論争のひどかった頃は、相手のロジックは高確率の形容詞で「あり得ない」と決めつけ、持論は「示唆するものではないだろうか」とぼかすってありさまで辟易しながら英訳してましたな。