STAP現象再現の論文?

Takumi Takeuchi,1 Akiko Tonooka,2 Yumiko Okuno,1 Mami Hattori-Kato,1 and Koji Mikami1, Oct4B, CD90, and CD73 are upregulated in bladder tissue following electro-resection of the bladder, J Stem Cells Regen Med. 2016; 12(1): 10–15. という論文がでた。
Introduction の冒頭に「In 2014, Obokata et al., reported …… pluripotency (STAP).」とあるので擁護する方々が大喜びのようだ。勿論、この後に誰も再現できなかったけれどアイデアには検討する価値があるとするわけだ。序の文章だからね。
膀胱がん患者で、内視鏡手術である経尿道的膀胱腫瘍電気切除術(transurethral electro resection of bladder tumor:TUR-Bt)によりがんの部分を取り除いた後、再度手術部位から組織(がんは含まれていない)を切り取り、免疫組織化学染色を行ったら8例中4例でOct4B(Oct4Aのほうが多能性を示すものでOct4Bはちがうらしい)を発現する細胞が、すべてで間葉系間質細胞(MSCs )を示すCD90と CD73を発現する細胞があり、白血球由来であることを示すCD45を発現する細胞はなかった、という結果です。
膀胱に与えた電気刺激が間葉系間質細胞を集め活性化し膀胱修復に参加したのであろう、というのが考察です。
Not pluripotent stem cells, but the more downstream MSCs may be mainly involved in tissue repair of the bladder. 多能性幹細胞ができたわけではなく、それより分化した間葉系間質細胞が膀胱修復に関与しているのだろう」という結論です。
つまりSTAP現象の再現でもなんでもないです。引用していないけど Multilineage-differentiateing Stress Enduring (Muse)細胞に近いのではないでしょうか?
ちなみにSTAP細胞の引用は例のNatureの論文ではなく、再現できなかったよというAlejandro De Los Angeles,…..& Q. Daley, Failure to replicate the STAP cell phenomenon, Nature 525, E6–E9 (24 September 2015) doi:10.1038 の方です。これからみても、この論文の著者等はSTAP現象の再現だなんて思っていないでしょうね。例のNatureや博士論文では電気刺激はなかったはずだし。
なんでSTAP細胞を序にもってきたんでしょ?MUSE細胞のほうがよかったのでは?でもMUSE細胞と同じかと言われちゃうから引用しなかったのかな?

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