コメント欄以外から突っ込めというヤジをいただきました。例のSTAPのブログは突っ込みどころ満載なんですが、漫才が商売じゃないし、新学期が始まって忙しくなりつつあるので、遠慮して一つだけ加えてみました。
管理人のジジイは英語ができるわけではない(というかできない部類に入る)のですが;
The character of STAP stem cells was quite similar to both ES cells and iPS cells.
という英文は学生さんのよくやる初歩的ミスですね。「ESやiPS細胞の ”それ that of ” とよく似ている」としないといけないのですが、日本語だと「Aさんの性格はBさんとよく似ている」で通じてしまうのでこれをを英訳にしちゃった結果ですね。日本語でも正確には「Aさんの性格はBさんのそれ(性格)とよく似ている」ですけど。
様々な項目について比較するとよく似ていると主張したいと思うので、複数にしたほうがよくて;
Characteristics of STAP stem cells were quite similar to those of ES cells and iPS cells.
のほうがいいかと愚考します。characteristics に定冠詞を付けるかどうかはよくわからないというのが管理者の情けないところで、多分いらないでしょ。ちなみにGoogle翻訳を実行すると問題の英語は
STAP幹細胞の特性の両方が、細胞やiPS細胞のESにかなり類似していました。
となり、both が書いた人の意図通りに訳されませんね。ジジイの英語は
STAP幹細胞の特性は、ES細胞やiPS細胞のものと非常に類似していました。
となりました。
でこれらの日本語を同じくGoogle翻訳で英語にすると、STAPブログ作者のは
Both of the characteristics of the STAP stem cells, was quite similar to ES cells and iPS cells.
となり、both が主語になっちゃっているのがわかります。ジジイのほうは
Characteristics of the STAP stem cells, were very similar to those of ES cells and iPS cells.
となりました。 cells の後の , (カンマ)はいらないと思うけどね。
自動翻訳はなかなかうまくいかないのですが、日本語を英語に翻訳して、その英語を日本語に翻訳すると、翻訳された英語のどこがわるいのか、日本語なので抽出できることがしばしばあります。
この文脈ではtheは要らないと思います。
もし、この文の前にSTAP幹細胞の特徴について論じた文があって、それがESやiPSと似ていた、と書きたいなら、theを付けた方が自然です。
「これこれの特徴があるんだ。『その』特徴は、ESやiPSと似てるんだ」って感じだと思います。
とか偉そうに書いていますが、私が論文の草稿を書いてボスに見てもらうと、いまだに真っ赤にして返されます。冠詞なんか、ことごとく間違えてるんじゃないかと思うくらい直されます。日々、精進です。
毎月2万字くらい英訳してるけど、和文英訳してると英語が下手になってくる。
それに翻訳する以前に、「これはあかんやろ」という文章も出てくるし。
例えば救急マニュアルを海外拠点向けに送りたいとかいう原稿で「骨折の症状;顔面蒼白、全身に冷汗が出て、」とか書いてあると、もうダメ。
「黒人の顔面蒼白って見たことあるの?、シンガポールで冷や汗が区別できるか?」となる。
くだんのページも英文の技巧以前に、「ちゃんと現場を踏んでいるのか?」ということではないかな。
顔面蒼白ってチアノーゼでは?
(『ブラックジャック』より得た知識)
冷汗は、パースピレーションかな〜。