Western blottingの結果は、論文に掲載するためには不必要な部分はカットする。原図は昔は銀写真であったが、最近はスキャナで取り込むのがあたりまえ、つまりデジタル情報なわけだ。だからPhotoshopで加工することになる。
で、魔が差すと都合のいいように改ざん出来ちゃうのだ。印刷物とかpdfになると、もう切り貼りの跡はよほどしつこく見ないとわからない。peer reviewer だって捏造されていないかどうかはチェックしないし、できない。peer reviewer は論文の論理とかに注意が行くので、よもや画像が捏造されているとは思わない。
これは、捏造が問題となった論文のpdf をダウンロードしてある図の一部の画像を画面キャプチャして調べてみたものだ。
この図を見て、同じバンドがどこかにあるなどは、すぐには分からないだろう。しかし、2階調化して見ると
どうだろ?赤丸の中の四角い突起が似ているとすぐ気がつく。よくみるとこの2つのバンドは他の部分もほとんど同じだ。
トーンカーブでトーンを変化させ、さらに調べると
原図の下の列の左から2番目、はその左右のバンドとの境目が不自然だ。他のバンドの境目に縦に走る線がないのにここだけはある。一番上の列の左から2つ目を切り取るとき、その左のバンドの一部も含んでしまったようだ。
電気泳動のバンドなんか、似通ったものができるのだから、こういうことをやっちゃうんだろうな。
こっちは、また別の人物の捏造
右半分を切り取り上下反転し、ちょっと左右を引き延ばし並べてみると同一データというのがわかる。
Western blotting のデータなんか、使えないものを含めていっぱいあるだろうが、なにも同一のものから切り貼りすることはないだろうに。