ヌードルメーカーを購入して、十割蕎麦をつくったりしたのは前に書いた。
添付の麺の作り方は、メーカー側が何回も実験した結果だろうから問題ないはず。
だからその通りやればいいのに、レシピにない方法(粉の割合と水の量)でやるから失敗する。
1)八二蕎麦:蕎麦粉80g、強力粉120g、塩3g、水80g(加水率40%)、撹拌5分、1.6mm角麺 2人前 レシピ通り。問題なし。手で打つより遥かに楽。
2)十割蕎麦:蕎麦粉200g、塩3g、水100g(加水率50%)、撹拌5分、1.6mm角麺 すぐゆでて食べるには問題なし。冷凍保存できない。ぶつぶつに切れちゃう。麺がくっつきやすいので打ち粉をまぶす方がいい。
3)十割蕎麦その2:蕎麦粉200g、粉末グルテン10g、塩3g、水80g(加水率40%)、撹拌5分、1.6mm角麺 2人前 すぐゆでて食べるには問題なし。冷蔵保存の翌日は冷凍保存の2)ほどではないがやっぱりきれちゃう。グルテン粉末の効果は不明。
左;作成当日、右;冷蔵保存の翌日。色が違うのはホワイトバランスのせい。
4)冷麺:強力粉100g、片栗粉100g、ふくらし粉(重曹の代わり)2g、塩5g、水100g(加水率50%)、撹拌5分、2mm丸麺 2人前 失敗:水が多すぎて撹拌時にすでに大きな塊になってしまって麺にならない。強引に押し出すと出てくる麺が互いにくっついちゃう。
5)冷麺:強力粉100g、片栗粉100g、ふくらし粉(重曹の代わり)2g、塩5g、水75g(加水率38%)、撹拌5分、2mm丸麺 2人前 なんとか食べられる。市販のように半透明になってない。もう少し加水率を下げるべきだろう。
3)に懲りて打ち粉がいっぱい
6)二八蕎麦:蕎麦粉160g、強力粉40g、塩3g、水90g(加水率45%)、撹拌5分、1.6mm角麺 2人前 失敗:水が多すぎて撹拌時にすでに大きな塊になってしまって麺にならない。強引に押し出すと出てくる麺が互いにくっついちゃう。加水率35%くらいにすべきだ。機械を止め、塊を手でちぎって細かくし、小麦粉を加えてぼろぼろにして再度練って製麺した。食べられた。
7)二八蕎麦:蕎麦粉200g、強力粉50g、塩3g、水85g(加水率34%)、撹拌5分、1.6mm角麺 作成してすぐ食べると、蕎麦の香りがしておいしい。冷蔵して翌日、切れることなく食べられるが香りが飛んでいた。蕎麦はこの辺が無難だな。
8)中華麺:強力粉250g、炭酸カリウム2g、塩2g、全卵を水に溶いて90g(加水率36%)、撹拌5分、2mm丸麺 2人前 レシピ通りなので問題ない。冷蔵して翌日(今日)食べる予定。1.6mm角麺で作るべきだった。つけ麺みたいな太い麺になった。ゆがいても途中で切れることはない。もちもちだが管理者の好みの中華麺ではない。打ち粉を十分にしてポリ袋に入れ手で押しつぶすようなことをすると縮れ麺になるという話だが実行したことがない。
9)中華麺:強力粉250g、炭酸カリウム3g、塩2g、全卵を水に溶いて90g(加水率36%)、撹拌5分、1.6mm角麺 2人前 卵は溶いて水を加え、ステンレスの網(ざる)で濾過して白身の塊がないようにする。塩は粉に混ぜる、炭酸カリウムは水に溶かす(溶けなかったけどそのまま流した)。レシピ通りで問題ない。中華麺はこれで決まりだな。抹茶入りの緑の中華麺なんてつくらないだろ?市販の中華麺の太麺と細麺の中間くらい。市販の麺より切れやすい。結論として普通の中華麺でいいのなら市販の麺のほうがいい。博多豚骨ラーメンは作れない。
10)パスタ:デュラムセモリナ200g、塩3g、水80g(加水率40%)、撹拌7分、1.6mm角麺 2人前 レシピ通り。おいしくできましたよ。結果はこっち。生と乾燥させたのを比較すると、生のほうがもちもち感があることだな。どちらがいいかは好みの問題だ。
加水率というのは粉全量の重さに対する水の量(重さ)で、科学的な水の含有量=総量に対する水の量 ではない。作るときに便利だから、この業界では普通に使う言葉だ。つまり加える水の量は、捏ねている状態を見ながら行うのでこういう表現の方がいいのだ。
レシピにない麺作り
この機械を使って製麺するときの問題は、加水率を調節する方法がないことだ。5分の撹拌終了時に
のように、ぼろぼろになってないと製麺できない。
この状況が手打ちでこねた結果のように一つの塊になるような状況では、そもそもスクリュー部分に送り込めないし、強引に突っ込んで押し出しても、出てくる麺同士がくっついちゃって成功しない。つまり、大きな塊になるような水分量ではだめなのである。この水分量を調節するのがコツだな。
マニュアルには撹拌を開始したら水をゆっくり注げとかいてあるが、撹拌開始後3分程度で状況を見て、さらに水を加えるかどうかを判断する というのがいいのではないかと思う。この時点で水が多すぎたら、機械を止め、粉を加える、少ないようだったら水を加える という操作にするのがよさそうだ。
まだ加水率が低すぎて失敗した例がないので、この方法がいいかどうかはわからない。
撹拌された状態の、どれがいいのかを判断するのは、レシピ通り作って撹拌5分後の状態をよく観察して覚えるしかない。
別の方法として、この機械の最大の特徴は圧力で押し出すところだけだから、水を加えるところまで、手で行うのだ。ぼろぼろの状態にしたら、撹拌時間を5分(これ以下に設定できなから)にして、まだ材料を入れず、空運転し、残り1分以内になったら、一時停止させて、材料をいれて再スタートさせるという方法がある。
最後の方は、スクリューは逆に回転し、スクリュー部分に残った材料を一旦外に出して、外に残った部分と一緒にして、再度スクリュー部分に押し込むという動作を繰り返す。したっがって最後の部分は、ノズルからでてくるのが
よれよれになったりする。空気が間にはさまって、またここで切れちゃう部分もあり、再度押し出して出てきた麺は短いわけだ。こういう部分と機械に残る材料の量を合わせると、結構な量になるわけで、貧乏人である管理者は戸惑うことになるのだ。
たとえば2人前つくるとき、出てきた麺を途中で切るのはいいが、ちょうど半分にするのは大変だ。ヌードルメーカをある高さに置き、出てきた麺の先端が床に着いたら切るという方法が有るが、ヌードルメーカの高さを決めるのがむずかしい。そこで、最初から2分して、麺が出尽くすまで2つの容器に分けちゃえばいいのだ。
回収する容器は縁の立ったボールのほうがいいかもしれない。この写真は二八蕎麦を打ち粉を振りかけながら分けているところ。