レポートの学生の論理

血圧測定の実習を実施した。レポートの考察が相変わらずだ。

「クラスの男女の血圧を比較した結果、男子の血圧のほうが高かった。これは成人男性の血圧は成人女性のそれより8〜10 mmHg 高い(文献1)からだ。」

こういう考察を平気で書く学生が多い。教えたのだが、理解できていない。これじゃ「圧が高いのは圧が高いからだ」と言っていることになる。こういう非論理的文章を平気で書くのをどうやって直したらいいのだろうか?

考察の文章は、「なぜならば」、「したがって」、「しかし」、「一方]、「もし何々とすれば」等で文章を構成する、これらの接続詞を使うとそれなりの文章になると教えたのだが……

手首に装着する電子血圧計の位置を、頭の高さと心臓の高さと腰の高さ、3つの位置で使ったらどうなる?という課題で、結果の説明は、「頭の位置にすると血液の流れが悪く、腰の位置では血液の流れがいいから、頭では測定値が低く、腰では高くなる」という説明も多い。

どうやら、圧=流速 X 抵抗 のオームの法則を十分理解していない。どれが原因でとれが結果なのか考えていないようだ。3つのパラメータがこのような関係にある、だからどれか1つが変化すると残りのどれかが変化しないと世の中成り立たないという認識/理解がないのだ。SF映画・漫画はこのような物理の法則を無視しているから意外な事が生じて面白いのだ。

こういう投稿をするからなかなかレポートの採点が進まないのだ。画一的なレポートなので、すぐ採点に飽きちゃうのだ。