回転性眼振

EOG; electrooculography 電気眼球図記録というのがある。眼球は角膜側がプラス、網膜側がマイナスに常に帯電している。左右の目尻に電極を貼り付け、その電位差を測定すると、視線がまっすぐ正面だと電位差はないが、眼球が右に回転すると右側の電極の電位がプラスに、左に回転すると右側の電極の電位はマイナスになる。つまりこの電位を測定すると眼球がどちらに回転しているかが測定できるのだ。カメレオンじゃないから人間はほとんどの場合左右の眼球は同じ方向に回転するからね。これを EOG と言って臨床でもめまいの診断などに使われる。簡単な装置で記録できるので生理学実習に最適なのだ。
このEOG記録実習の一つに回転性眼振を記録するのがある。体がぐるぐる回ったとき「目が回る」わけだが、実際には目玉が回転しているわけではないのは当たりまえだろう。では実際はどんな運動をしているのか観察してもらうわけだ。
回転イスの上に座り何回か回転させて急に回転をとめたとき、眼球運動がどうなっているかである。EOGは電気現象なので電極と記録器までリード線で繋ぐ必要がある。被験者が回転するわけで、リード線は回転にともないよじれちゃうわけだ。本来はswivelとかいう回転してもかまわない接続道具を用意すべきなんだろうが、回転数もせいぜい10回だし、時計回り、反時計回りを行うわけで、ケーブルが十分長ければよれるだけで問題はない。

この写真のように記録するわけだ。どういうわけか、ケーブルがよれるのではなく、被験者の首のまわりに巻き付いて苦しいというグループがでてきた。何考えているんだろ?
実習をやると、とんでもないのが必ず出てくるんだよね。
電極を顔の皮膚に貼るわけで、電極と皮膚の間に化粧品など何かよけいな汚れなどがあったりするとうまく記録できない。したがって、実習の前日に、明日の実習では顔に電極を貼るから、電極と皮膚の間に何かあるとうまく記録できないから「すっぴん」で臨むことと連絡したのだ。メーリスには担任の先生も登録してある。担任の先生には「すっぴん」とは楽しいですね受けたけど。そしたら皮膚のアトピーがあるので塗り薬を塗った学生が、そのまま電極を貼り付けたりしているのだ。

「回転性眼振」への2件のフィードバック

  1. もう10年以上前のことですが、朝起きた時に、眩暈というか世の中がグルグル回っている状態だったことがあります。もちろん立ち上がることも出来ず、救急車を呼んで、とある大学付属病院に行きました。朝の診察前に到着しましたが、目を回しているくらいでは緊急度が低く、少し待たされて診察開始一番で診察してもらいました。
    その後のことをさほど覚えていないので、恐らく1、2時間で眩暈は収まったのでしょう。その後通院もして、様々な検査を受けましたが、原因不明でした。因みに、診察してくださった先生は、「めまい」が専門、と看護師さんか誰かから教えてもらいました。
    家内から、「黒目がグルグル回っていたよ。本当に目って回るんだ。」と言われたことを思い出しました。

  2. 結果として何もなかったのはなによりですね。「黒目がグルグル回っていたよ。本当に目って回るんだ。」のときはつらいですよね。立つこともできないし、吐き気はするし。ま、回っているのではなく振動していたんでしょうね。上左下右上左….と視線が円を描くような症状はないと思いますが、めまいの専門家がいるので聞いたら報告します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です