パターンで教えると理解されるのか?というタイトルでしたが、本文と乖離しているので「イラストで教えると理解されるのか?」に変更しました。すんません。
食用ガエルの坐骨神経を単離し、電気刺激して神経線維の活動電位を記録するというのは医学関係の学部では定番の実習だ。カエルをさばいて坐骨神経を取り出すまでは大騒ぎなのだ。その後、刺激ー記録するための装置(電極となる銀線がはしご状にならんでいる箱)に切り出した神経を載せてから、刺激装置と記録装置に配線するわけだ。刺激はプラスマイナスの2本、記録はプラスマイナスとアースの3本が必要になる。勿論、文書で書いてもわからないから、図示するわけだ。
赤、黒、緑のミノムシクリップで電極である針金(銀線)をつまむわけだが、この図のパターンのように接続しなさいと言ったら、できないのだ。端から順番にこの図のようにそれそれの色のクリップで銀線を挟むことがなかなかできない。この絵は模式図でクリップでつまむ部分はこの絵の通りになってないところがあることもある。この3色のクリップの意味がわかってないこともある。絵の通りできても、その銀線の上に神経が乗っかってないなんてことになるのだ。絵で示せば分かるというわけではないのがわかる。意味がわかっている場合は絵でわかるが、そうでないとなかなか教えるのも難しい。
イラストで示すと理解されやすいと、一般には信じられていて、最近の教科書は絵が一杯だ。しかし文字列を読んで意味を理解して欲しいもんだ。「勉強の仕方」という新入生に教える講義がある(大学なのに信じられないのだが、ま、それは別においておいて)。この授業を割り当てられている管理者が教えるのは、教科書の本文から、絵を見ない・隠して、イラストを描く、逆に、イラストから本文を記述する、これを行えば理解できるよ、と伝えているのだが、実施してないよね。
これは、ずばり、今の子供たちにとって、幼少期からの“作る遊び”が足りないのではないでしょうか。
私が子供のときは、プラモデルを説明書を見ながら作ったり、“釣り”をするにしても、針と糸で一から自分で仕掛けを作って、釣り上げた魚を食べられるもの、食べられないものとに選り分けて自分で料理して食べてました。そのような環境がありましたので、一般的な魚の種類がわからないなどということはなかったですし、まして、“切り身”が泳いでるなんて・・・発想は浮かんでもきません(笑)
当然、一人でそういうことをやってるわけでもなく、友人どうしで一緒に、ああだ、こうだ言いながら、作ったりしていて、ごく自然に説明する力も身に付いていたような気がします。
大学で・・・そういうことを教えなければならない状況に今、直面しているということでしょうね。
料理のレシピを見ても作れない(そもそも食材すらわかっていない)、AV機器の接続すらできない、懐中電灯の電池交換もできない・・・といったような人を最近よく見かけます・・・
神経は半導体でしょうから、電気信号を伝える構成としては、難しそうに感じます。面白そうな実験です。
原稿の本文から挿絵を作るのはウチの商売ですがな。
また、文意を絵にする能力というのは語学上でも役にたちますね。原文を文法やら単語をこねくりまわして翻訳するよりも、文意を絵に思い浮かべてそれを英訳するほうが手っ取り早い。
これが会話になると「英語聞き取り→和訳→和文で返答を考える→英訳→英語で話す」なんてやってたら当然会話が成立しない。
次善の策として「英語聞き取り→絵→絵のリアクション→英語で話す」とすると、なんとか会話が成立するし、ジェスチャアも自然に身についてくると思います。
なるほどね。
イラストを描けないという学生がいるので、flow chart で描く方法でもいいよん、といってもできないかった。いままで、経験したことがないからね。小中学校で、文章のみならず、イラストで説明するという訓練があってもいいですな。
偏差値が60もない大学だと結構難しいのです。
神経は半導体に置き換えられないので単純には比較できないです。この実習は結構内容が濃く、プラス−マイナスの電極間に電流を流して刺激するわけですが、プラスとマイナスどっちの電極側から神経は興奮するの?記録電極もプラスマイナスがあるわけですが、プラスとマイナスの電極の上の神経軸索をそれぞれ興奮が伝導(正確には興奮部位が移動)していくとき記録される波形はどうなるの?などと考えてもらわないといけない項目があるのですが、毎年レポートを見ても、どこまで理解できているか。かといって、レベルを下げたくないのです。
「クリップの位置を変えると、波形は変わる」。そんな行為から、なんらかの結論を導く。勉強ですね。緑(アース)の説明も難しそうだ。