Haruko Obokata, Masayuki Yamato, Satoshi Tsuneda & Teruo Okano, Reproducible subcutaneous transplantation of cell sheets into recipient mice, Nature Protocols 6, 1053–1059 (2011) が25 February 2016に撤回された。5年後だ。なんでいまさら?
Figure 5a の4番目のグラフと Figure 5b の最初のグラフが同じ、エラーバーが同じであるということが指摘され、 大和、常田、岡野は生データを示すことができず、データの信頼性がなく再現性もないからである。小保方に連絡したが返事がない とのことだ。この騒ぎがあって、遡って誰かが調べ、問題にしたんだろうな。
東京女子医大で行った実験で、常田は小保方の指導教員だから、岡野は大和の上司だから名前があるだけで、大和の指導下で小保方がデータを取得するという体制だよね。このときから必要に応じてグラフを適当に作っちゃうという行為・指導が行われていたわけだ。
STAP論文のデータの捏造は若山氏が教唆したからだという説は、怪しくなった。若山氏に会う前から捏造していたんだからな。
「グラフを適当に作ってはいけないという指導が行われていなかった」の対偶?
ノバルティスの治験論文もエラーバーから捏造がばれてましたね(すべて高さが同じ)。
科学者をめざす方は、将来査読者になるかもしれないのだから「グラフの捏造を見破るスキル」が求められるかも。
「大学院学生にグラフを捏造してはいけない」と指導したことはないです。大学院に入る前の、小学生からの常識ですからね。データを作ってきた学生に会ったことは、今までなかったですね。
仮説のような結果にならないと、学生がまとめてきたことはしょっちゅうですけどね。
学生が持ってきたグラフのエラーバーがおかしいというのを指摘したことはあります。エクセルでの計算ミス/表示ミスですね。エクセルはエラーバーの値のセルを正しく指定しないと、エラーバーがみんな同じ大きさになっちゃうからね。
学生が実験結果を持ってくるとき、最初のうちは、生データをすべて持ってこさせます。同じ実験をくりかすことが多いので、すべての生データを、必要なら縮小コピーして、模造紙に並べて貼り付けさせます。壁にこの模造紙を貼って、議論するのです。測定が正しく行われているかとか、平均的な大きさ、パターンのデータはどれか、ゴミがどれか等々、検討するわけですね。
細胞の数を勘定しているグラフのようですが、興味を持ってながめました(門外漢です)。グラフの並べ方をa,bで縦方向に配置するほうが見やすいように感じました。時間軸にhとdを混在させるのは、地方地方の方言があるものと驚きました。疑惑をもたれたグラフは、たしかによく似ている。