講義で、全員に、前に座っている学生の背中を、距離を変えた2本の指で押して、何本の指で押されたかを答えさせるというのを実施した。学生はわいわい騒いでやるのだ。そんで、二点弁別閾の意味を説明したのだ。
さらに、有名な第一次体性感覚野の絵を見せ(配布資料にもある)、
講義の最後に配布資料もノートも見て良い10分で解ける試験を実施したのだ。
二点弁別閾とは
1.皮膚が2回刺激されたとき2回と区別できる最大時間差
2.皮膚が2回刺激されたとき2回と区別できる最小時間差
3.皮膚の2点を押したとき2点と区別できる最大の距離
4.皮膚の2点を押したとき2点と区別できる最小の距離
96名の1年生で4と正解したのは77%だ。3を選択するのが結構多い。こいう論理的な文章を理解できないのだろう。
第一次感覚野の感覚情報を処理するニューロンの数は
1.該当する体の各部分の面積に比例している
2.該当する体の各部分の面積に反比例している
3.顔面からの情報を処理するものが多い
4.手と足とでは足の情報処理する方が多い
正解の3を選択したのは66%だ。かなりインパクトのある絵だと思うのだが、面白い絵で終わってしまって、意味を理解できないようだ。ニューロンの数が多いんだよと口頭で当然説明しているのにだ。
カエルの神経を電気刺激する実験で、伝導速度を求めるのは、まあ、いいだろうけど、刺激電極の極性を逆にしたり、記録金属電極を加熱して、これに触れている神経部分を壊したとき活動電位の波形がどうなるか などという実験は、教科書に書かれていないから解説書を作成したわけだが、その解説書を読んでも理解できず、レポートはさんざんなものになるのだ。読めないのね。
講義で説明し、文書で説明しても理解されないというのだ。どうしたらいいのか。きっと説明者、解説者がだめなんだから、交代するしかないんだろうな。お客様にご理解願えないのは説明が悪いからだからな。