ウエーバー・フェヒナーの法則という感覚生理学/心理学の法則がある。弁別閾は初期値に依存するという法則だ。弁別域とは量が変化したと感じる量の変化分の大きさ、初期値とは最初の量の大きさである。バケツに水を入れて保持しておき、少しずつ水を加えていき重くなったと感じるときの加えた水の重さは、最初にバケツに入っていた水が少ないと小さいが、最初の水の量が多いと大きな値になるということだ。
これを講義で実験するために、スクリーンで黒い四角をみせておき、次第に四角の明るさを変化させ、どの時点で明るくなったかを言わせた。次に白い四角を見せておき次第に明るくしていくのだ。パソコンのモニターではウエーバー・フェヒナーの法則に則った結果がでたのだ。
この図で0とある四角を1枚のスライドで表示しておき、1〜10の四角を各スライドで表示したのだ。10%の白(灰色)から16%の白まで順次みせていき、いつ明るくなったかを判定させるのだ。同じ明るさのもある。
もう一つは90%の明るさの白四角を見せておき、96%の明るさまで変化させたとき、いつ明るくなったかを判定させたのだ。
教室でプロジェクタで実施したら、黒いほうから明るくするのは問題なかったが、明るい方は、プロジェクタの白が90%白ですでに飽和したためか、教室全体が暗いからか、明るさの変化を検知できなかった。失敗だ。やっぱり現場で確認しないとだめだ。
学生さんが退屈しないように、工夫はしているのだが、なかなかデモは難しい。