研究ごっこ

富山大学人文学部中国言語分化研究室の大野圭介教授という方の「研究ごっこQ&A」というページを、擁護の方々に捧げたい。中国古典文学の専門家の方がアマチュアの研究者の研究ごっこについて論じているページですが、アマチュアの研究ごっこをされている方=擁護の方と置き換えるとぴったしです。

「学者はタコ型火星人はいないという説を狂信している。一つの立場に固執して他の説を頭ごなしに退けるのは間違いだ。タコ型火星人は実在するという説もちゃんと見直せ」

というアマチュアの研究ごっこさんの主張は 学なんちゃら や 南青山 のそれだし、

自称「研究家」はアカデミズムの側から批判されることが癇にさわるらしく、激昂して何とか揚げ足を取ってやろうとしつこく食い下がることが多いのです。プロの学者は自称「研究家」のそうした習性を知り抜いていますから、少しでも「研究ごっこ」のにおいのする「研究」は初めから相手にしないのです。

は 元PTA会長さん や ryoubu-0123 が該当しそうだし、

もし掲示板などで「研究ごっこ」を宣伝する書き込みをする人がいた場合は、相手にせず無視するか、皮肉や当てこすりで軽く笑い飛ばすくらいの対応にとどめておくのがいいでしょう。真面目に批判しても、果てしない揚げ足の取り合いに巻き込まれる可能性大です。ウェブ上で「研究ごっこ」サイトを見つけた時も、直接批判するのは避けて、某匿名掲示板に紹介するくらいにしておくのが賢明です。とにかくまともな議論は成り立たない相手ですから、真っ向から相手にしないことです。

というわけでここが「某匿名掲示板」になっているんですね。”掲示板”を提供するのは光栄ですな。

多くの自称「研究家」は、こうした努力をほとんどしていません。原典や専門書を読めず、啓蒙書を数冊読んでわかったつもりになっているような人がたくさんいます。原典の読みが誤っていることを指摘されれば、読み方を訓練することに努力せず、プロの揚げ足を取って罵倒することに懸命になります。

はOpenブログの南堂なんちやら(しかし、古いな)にぴったしですね。

「研究ごっこ」への4件のフィードバック

  1. ため息先生
    ご紹介のサイトは、STAP不正とは全く別で作成されたものですのに、なんと同じ状況なのでしょう。
    「研究ごっこ」けだし名言です。
    この数年で、複数の方々の書き込みから学習(!)させていただいたお陰でしょうか、全ての項目でクスクス笑いながらも「あるある」とうなづけました。
    こちらを覗いても、読んでもらいたい方ほど、お勧めのサイトを見ないのではと思えるので、特に読んでもらいたい項目を一つだけここに転載させて頂きます。
    (ああ!全てコピペしたいです)
    問 天動説を否定したコペルニクスもガリレイも、大陸移動説を唱えたウェゲナーも、初めは無視され、異端扱いされました。今は「研究ごっこ」と否定されていても、将来には広く支持されるようになる「研究」もないとは言えないのではありませんか?
    答 前略
    コペルニクスもガリレイもウェゲナーも、「きっちり訓練を受けて、努力を積んできた学者」であったことを忘れてはなりません。彼らはちゃんと必要な努力を積んできたからこそ、天才的な業績を残せたのです。プロの学者の努力を軽蔑しながら「コペルニクスも笑われた」などと言っても、何の説得力もありません。
    (中略)
    コペルニクスらの学説は、異端視されたとはいっても学問のルールにのっとっていたからこそ、後になって認められたのです。それに対して学問のルールを踏み外している「研究ごっこ」をまともに評価しようとする奇特な学者が現れることは、恐らく期待できないでしょう。
    (後略)

  2. ため息先生
    ご紹介のサイトの見解も理解はできるのですが、近年のネット環境においては、そう簡単に無視してれば終わりといえるかどうか、心配な部分もありますね。 (本来はまともなはずの研究者がビジネスジャーナルの出鱈目記事を真に受けて朝日と喧嘩してしまった例もあるし)
    すでにご存知とは思いますが、ご参考まで。
    日経サイエンス  2017年7月号
    「陰謀論を増幅 ネットの共鳴箱効果」
    W. クアトロチョッキ(伊IMTルッカ高等研究所)
    いまや誰でもネット上に自分の意見を自由に書き込み,仲間と共有することができる。調べものをするのにも便利だが,一方で明らかな誤情報やデマ,陰謀論,中傷がネットにあふれているのも周知の通りだ。ウェブは「集合知」をもたらす期待がある一方で,誤情報が増殖する一種のエコーチェンバー(共鳴箱)を生んでいる。著者らはソーシャルメディアに人々が残した痕跡を解析することで,この効果を調べた。その結果,ソーシャルメディアのユーザーは,その情報が自分の既存の見解を裏づけるものである限り,誤情報であっても喜んで受け入れることがわかった。この“たちの悪いバイアス”を正す簡単な解決策は残念ながらなさそうだ。

  3. >Zephyrusさん
    この記事を私も読みました。
    ただ傍観してていいのかとも思いますが、どこまでコミットしたらいいのか正直いってわからないところがあります。
    共鳴箱に風穴を開けることができればいいのですが、難しいですね。
    学なんちゃらのブログは承認制で、意見が反映されそうにないし、既に一研究者…では小生をアク禁にすると宣言していますし、有志のなんちゃらブログでも排除されるし、南堂のブログでは(議論する場ではないけれども)アク禁にされてますしね。自由に発言できる自分のブログを細々と運営するくらいしかできそうにないですね。
    このブログは一人だけ検閲されてますが、他の方は自由ですので、どんどんご意見を発してください。

  4. >Zephyrus さん
    ご紹介の『日経サイエンス  2017年7月号
    「陰謀論を増幅 ネットの共鳴箱効果」
    W. クアトロチョッキ(伊IMTルッカ高等研究所)』は、私も読みました(書店に日経サイエンスが置いていなかったので、わざわざ注文取り寄せして)
    感想は…そりゃそうなんでしょうけど…どうすれば良いんですか(・ω・)ポカーンという感じでしたが。
    Voodoo Science: The Road from Foolishness to Frau is a book published in 2000 by physics professor Robert L. Park(翻訳版は『わたしたちはなぜ「科学」にだまされるのか―ニセ科学の本性を暴く』というタイトルで出版)という“似非科学”についての書籍ですが、こちらの方も今回の一件では研究不正によって研究者が何故騙されるのかを考えるにあたり参考になるかと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です