独裁政権の崩壊は

ロシアのプーチンによるウクライナ侵略がほとんどの国から批判されているわけだ。21世紀にもなって中世同様の軍隊による領地拡大が行われるとは誰もが想定していなかったわけで、プーチンがヒットラーに何故成長してしまったのかは誰もわからない。プーチンのKBG時代のソ連、東ドイツでの挫折が根にあるとか言われているけれど、誰もわからないわけで、落とし所が予想できないわけだ。プーチンのロシアのような独裁国家、あるいは自由のない国はまだまだいくらでもある。

Freedum House の世界各国の自由度という地図を見ると、

メルカトール地図なので見た目の面積と実際の広さは異なるが、それでも世界の半分位は NOT FREE な国なのがわかる。カーソルをあわせクリックするとPolitical Rights政治的権利とCivil Liberties市民の自由度が数字で表示される。総合で100/100なのは北欧三国で、日本は96、米国は83、英国は93、と評価されている。ロシアは19、中国は一桁の9 である。意外にも日本の評価が欧州の各国に比べて高く評価されている。

これまでソ連の崩壊にともなってその衛星国であった国々が自由化されたわけだが、独裁国家が民主化された・されていない例を、適当に取り上げると:

独裁政権とその崩壊原因
国名 独裁者 崩壊原因 結果
ドイツ ヒットラー 連合国との戦争 民主的な国
日本 東条英機・軍部 連合国との戦争 民主的な国
チュニジア ベン・アリー 自滅・ジャスミン革命 民主的な国
リビア カダフィ大佐 内戦・混乱 混乱中
シリア アサド
イラク フセイン 米国との戦争 半分位民主化?
ソ連 スターリン他 自滅・民主化しかし混乱 別の独裁者
ロシア プーチン
北朝鮮 金日成
中国 毛沢東他
ミャンマー ミン・アウン・フライン
ベラルーシ ルカシェンコ
ルーマニア チャウシェスク 自力・ルーマニア革命 民主的な国
ブルガリア ジフコク 自力・ 民主的な国
ハンガリー 共産党 自力 民主的な国

になる。目についたのをざっと取り上げただけだからいい加減な表である。

独裁政治が崩れる理由が外国からの圧力による例はドイツ、日本、イラク位で、国内部からの民主化運動・内戦等による場合が多い。勿論、市民運動には欧米からの援助があったことは考えられるがそれだけでは独裁政権はひっくり返らないだろう。

ロシアのウクライナ侵略を止める、プーチンを退陣させるのは、国外からの力、つまり第三次世界大戦、は米国が動かないだろうから無理で、なんとかロシア国内で民主化されないとだめだろう。しかし、ロシアでは民主化(ペレストロイカ)が行われた時(1980年代)は国内がメチャクチャになってしまったわけで、その記憶がまだ残っていて、この国内混乱を終止させたのがプーチンであると評価されているのなら、民主化の道は遠いだろう。

ということが正しい解釈なら、ロシアがウクライナから撤退するのは、ウクライナに傀儡政権ができた時(撤退したとはいいがたいが表面的には)か、アフガンのときのソ連と同様に春季泥濘でプーチンの戦車が動けなくなり、ゲリラに悩まされて諦めるのを待つしかないのでしょうかね。しかし、ソ連のアフガン撤退はゴルバチョフの時ですから、プーチンは同じように撤退しないでしょうね。

時間稼ぎをして、経済制裁でロシアの経済が崩壊し、市民運動が発生するという楽観的な観測が当たると、ロシア国民は辛いけど、ウクライナ国民に比べればなんてことはないわけで、これしか期待できないのでしょうかね。

プーチンの周囲はこれだけ独裁が続いたから、よいしょする人間しかいないだろう。学とみ子の場合はよいしょするのがOoboeなのだが、よいしょも不完全で学とみ子の説には従わないようだ。

日本からは、直接の軍事的援助はできないからなんらかの経済的な形でウクライナを応援するしかないですね。当方の知るある大学が知名度を上げたがっているので、ウクライナからの留学生を無条件で入学させるというようなことを言えばいいかもしれないが、現状ではスケールが小さい大学なんで無理ですね。

河津桜です