皆さんは大学での講義(座学)中なにしていた?

拙ブログ管理人は、これまで常勤・非常勤という立場で複数の大学等で講義をしてきた。現在はどうなっているかわからないが、20年以上前の国立大学医学部は1学年の定員が100名前後で、講義に出席しているのは3,4割だった。出席などもちろん記録しない。医学部に限らず当たり前だったように思う。常に出席する学生と、常に欠席する学生とがいたわけだ。当方の学生時代は後者だったのだ。だから成績簿はカフカ全集だったのだ。

科目によって異なるが、医学部は教員スタッフが多いので1教員が通年の30回、あるいは半期の15回全部の講義を担当することはあまりなく、交代したり専門分野の非常勤講師が担当したりすることになる。非常勤で教えに行くと、受講する学生がs少ないので、責任教員が非常勤の先生に恐縮しておわびすることになるのがしばしばあることだった。非常勤の先生がそれなりに有名だと教室が該当学年の学生以外がいて満員になったりする。いわゆるオムニバスの講義では、あまり講義をする機会のない臨床の講師の教員が学生が少いと怒ったりしたこともある。毎年、講義するわけではないときは、1回の講義のために、臨床業務の合間に準備するわけで、教室に来たら20人しかいないなんてことになると、怒るのもよくわかる。

出欠を記録するのに、拙ブログ管理人がかつて勤務してい大学では、学生名簿が事務室にあって、講義のときこれを持参して、講義中、学生が自分の欄にサインするという手順を一時期やっていた。これで出欠の記録を取るわけだ。1科目を複数の教員が担当するので、この出欠簿は講義終了時に事務に返却する。しかし、だれも出欠をカウントしない。そんなことをする人手がないのだ。問題児が出てきたとき、初めてそいつがどのくらい講義にでていたかを調べるわけだ。代返が簡単でチェックなどしない。代返もしてくれないことのほうが問題だった。

要するに、授業に出てこなくてもいいけど試験は通ってちょうだいねというスタンスであった。昔も今も、どの大学でも学則で1/3以上の欠席には単位を与えないことになっている。古くからある国立大学では、今は知らないが、昔は有名無実の規則であった。

それに比べ中小大学では文科省の監督が厳しく、大学がいい加減にやっているということが知られているので、出欠をきちんと記録しなければならない。中小私立大学は文科省に睨まれたら存続の危機になるからね。日大はでかいからいいかもしれないが、それでも国からの補助金がないと大変だ。

高校のように講義の前に、学生一人ずつ名前を読んで出欠をとっていたりしたら時間がもったいない。学生証はフェリカのカードになっているから、読み取り機を各教室に備えて出欠の記録を取る大学が多いと思う。これだと人手を必要とせず、予め設定してあれば自動的にカウントされるわけだ。

このシステムでは、一人の学生が複数の学生の学生証を持ってきて記録することになるわけだ。学生は輪番で行ったりしている。教員だってわかっているから、時々、そのような学生をみつけてとっちめることになる。学部長のお説教ですな。

現在当方が勤務している大学はそんな設備がない。金がないのだ。でも出欠の記録を確実にとらないと文科省に怒られる。出欠は大学が用意した市販のシステムに教員が毎回入力する。しょうがないから教員が毎回出欠を毎回とるわけだ。新型コロナウイルスのため、教室ドアが換気のため開放されていて、他の先生の講義の様子がわかることがある。口頭で学生名を読み上げて出欠を撮っている教員もいる。当方は、名簿を回覧してサインしてもらうことにしている。1クラスの人数が少ないのでこれでいい。講義終了時、小テストを実施するので学生はすぐ席を離れない。このとき頭をカウントするのだ。必ず代返で友人のサインもする学生が出てくるわけで、頭をカウントして一致しないと、名前を読み上げて確認するのだ。1回これを実施すると、当方の講義では代返はできないというのが、ほかのクラスにも伝わって、代返することはなくなる。

こんなことまでして出欠を記録しないといけないのは当方の大学が中小の大学だからだ。だから、学生は、聞きたくもない講義に出席しないといけないことになる。記録をとっているので欠席数が多いと試験も受けられず単位の取得ができない。文系の大学と異なり資格を取得する大学なのでほとんどの科目が必須科目で、落とすとほぼ確実に留年になる。

いやいや出席せざるを得ない講義では、学生さんは何をする?あなたは何をしていた?

①最後尾2列の学生さんはスマホをいじっている。上に述べたように教室のドアが開放されているので、廊下を通ると、最後尾の学生が講義中にスマホをいじっているのがよく見える。

②寝る。午後1番の講義は、学生さんはバタバタ倒れている

③内職する。ほかの講義で出された課題を書いている。最近はレポートはワープロで仕上げて提出が多いので、ノートパソコンを使って講義中にレポートを書く学生はまだいない。手書きで埋めるような課題を書いている。

④前後左右の友人とおしゃべり

当方の講義では②は妨げることはできない。①③④はわかるので「ほら、そこのお兄ちゃん、おねーちゃん、講義に興味がないのなら、寝てなさい、他の人の邪魔するな」と該当学生を指差して注意する。これを2回位すると、②以外はほとんどない。

寝ている学生を起こすべく、簡単なデモ実験をする動画を見せると、一斉に顔をあげて注目するのだが、終わると一斉に頭が落ちる。興味がないのだろう。当方は落語を演じているわけではないから、あきらめている。

ところが、昨日は、前から2列目に座っていた学生が、講義のために予め配布した資料を机の上に広げることもなく、文庫本を講義の始めから最後まで読んでいるのだ。もちろん、講義中に関係のない本を読んでいる学生はこれまでにもいたが、そのようが学生はずっと後ろの方の席についていた。今回は、目の前の2列目にいるのだ。何が目的で大学にきているのが 理解できない。興味がないのはわかるが、それなら後ろの方に座っていて、当方の目に入らないでほしい。興味がない、しかし出席しないと単位がとれない、だから来ているというわけだ。知らない情報がでてきて、しかも資格試験に必要な情報なんだから、ちょっとでも聞いておいたほうが、後に国家試験勉強をするときに知らない単語がでてきて、勉強し直すよりはるかにましだと思うわけで、またそのように伝えているわけなのにね。講義中、注意することもなく、終了時に、何故に大学に来ているの?と聞いたけど返事がなかった。それでいいの?といったらいいとのことでした。聞きたくないやつは出てけなど言うことはないけれど、気分がいいわけではない。せめて後ろの方に座っていてほしい。

講義、寝る、スマホ で検索したらこんな記事があった。つまらない講義で時間がもったいない、暇つぶしに邪魔にならないようにスマホであそびましょ、内職しましょという記事だ。馬鹿じゃないの。出席しなければいいのさ。単位放棄すればいいのさ。

授業中の「スマホ使用禁止」は教師の怠慢だなんていう記事もある。教員たるもの学生の興味を引くためのパフォーマンスが大事だという主張だ。御冗談を。落語家じゃないんだからね。スマホが大事なら講義など出席しなければいいのさ。プレゼンの方法が大事だという意見はわからないわけではないが、内容の方が大事さ。わかりにくい授業だってありなのさ。わかりやすいだけが講義の価値ではないのさ。