3年前から、今週のアホ学生といって、毎回の講義の最初のスライドに、ドジった学生の学籍番号・氏名・顔写真を示している。どんなドジかというと;
90分講義の最後の10分は、その講義のポイントとなる点を中心にした小テストを実施している。10問4肢選択だ。マークシートだ。マークシートといってもA4普通紙で実施できるように、スキャナとソフトを購入して行っているのだ。当初は、マークシートでなかったので回答用紙を学籍番号順に並べるのがたいへんだったのだ。今は30分もあればスキャンして各問題の正解率を知ることができるようになっている。その講義のポイントを示すテストなわけで、配布資料、ノート、教科書を見て回答していいのだ。つまり、これらの問題を解ければ期末試験が大体できるという親切な計らいなのだ。満点続出と思いきや、満点は多くて数名なのが情けない。
このマークシートには当然ながら、氏名を記入し、学籍番号もマークするわけだ。毎回、この学籍番号を正しくマークしてくれない学生がでてくる。口頭で注意してもなかなか直らない。学籍番号をきちんとマークしてくれないと、マークシートにした意味がない。採点に時間がかかってしょうがない。国家試験あるいは模試などすべてマークシートなわけで、受験番号を間違えてマークすると採点してくれない。だから1年生のときからきちんとマークするように習慣付ける必要がある。
つまり、回答用紙に学籍番号をマークしていない、氏名が書いてないドジ学生を次回の講義で「今週のアホ学生」といって顔写真付きで晒すのだ。
アカハラ、パワハラと言われるかもしれないが、覚悟の上だ。
最初の1年目は前期の途中から”今週のアホ学生方式”にしたのが、最終の30回目の講義の小テストでもマークミスは絶滅できなかった。多いときは約100名の講義で10名近くがミスなのだ。18回中5回マークミスをしたというチャンピオンを名指しで最後の講義の冒頭でスライドで示した。大受けだった。
次の年度では29回目まではいたが、最終回の30回目には0になった。この年のチャンピオンは年間3回の学生だった。このチャンピオンの氏名を公開した。
本年度は、前期に数回繰り返したら、学籍番号、氏名にミスのある回答用紙はなくなった。効果絶大と思いきや、後期になってぽつぽつ出てくるようになった。大抵1、2名だ。最初の年に比べて長足の進歩だ。最大3回のチャンピオンができた。公開した。
でこの ”今週のアホ学生” 方式を学生がどう思っているかについてアンケートをとった。アカハラ・パワハラと訴えられたらかなわないからな。97名である。
さって、1/3の学生さんは止めてくれ、1/3はやっていい。半分の学生は必要性を認めているという結論だな。アカハラ・パワハラと訴えられる可能性は低いな。個別の学生をしつこく注意するわけではないし1回だけではないからな。自由記載のコメントには;
◉ アホ学生は続けて欲しい。アホ学生に自分がなってしまったのでマークミスなどをかなり気をつけるようになりました。
◉ 今週のアホ学生は緊張がたかまり、ミスしてはならないという意識が残った。ただし顔写真は止めて学籍番号氏名だけでいい。
◉ アホ学生は良いプレッシャーにもなり、かつ楽しめた。これからも止めることなく続けて欲しい。
◉ 今週のアホ学生という制度のおかげで、良い緊張感を持って講義を受けられた。
さて、来年度はどうしよう?前期は一切注意しないでどうなるか、秋学期は「アホ学生」制度を実施する、かな。