実習がうるさくて疲れる。今回の実習は、誰かを被験者にして、上腕の拮抗する筋、上腕二頭筋と上腕三頭筋の筋電図を記録するという内容だ。ダンベルを持って運動させたときの筋電図が、拮抗筋なのに同時に活動しているというのを観察させ、その意義を考察しなさいというわけだ。
友人を被験者にして、互いに記録するというような実習は、大騒ぎになり、うるさくて、騒音計で測定すると
80 dB 付近をメータの針は動くのだ。つまりパチンコ屋並なのだ。この騒音に疲れるので、時々実習室から出て静かな廊下などに行かないと耐えられない。
肘を屈曲させるのは上腕二頭筋で、肘を伸展させるのが上腕三頭筋なので、この2つの筋は拮抗関係にあるわけだ。大抵のブログやサイトには、例えば肘を「屈曲させるときは屈筋である上腕二頭筋が主働筋となり、伸筋で拮抗筋である上腕三頭筋は弛緩する」なんて書いてあるが、実際はそんなことはないのだ。
もし、一方の筋が収縮し拮抗関係にある筋が弛緩するというのが普通の運動だと、マリオネット(操り人形)のような運動になってしまう。1年生(とは限らないけど*)だから、拮抗筋の働きは逆だから活動も逆と思っているので、この誤解を解くのが1つの目的なんだよね。
それしにしてもうるさい。
* 例えば、関東神経生理検査技術研究会というコメディカルの人々のサイトと思われる、臨床検査技師とか理学療法士、作業療法士とかのプロの方々でも、拮抗筋の一方が活動すると他方は弛緩すると記述している。
この図は上記の研究会のサイトにあった筋電図の例だが、上腕二頭筋が活動しているとき上腕三頭筋にわずかな活動が認められる。逆のときもそうだ。図の右端の部分は筋が全く活動していないときなので、わずかに活動しているのがわかるだろう。大学時代、まともに生理学を教わらなかったか、固定観念を覆すような経験が、あったはずなのに、覆されなかったのですね。
[ 追記 ] 2017.10.27 当初以下にあったパチンコ・サイトのブロックについては別記事にしました