「論文捏造」カテゴリーアーカイブ

モンスター

どうやら、いく先々で、そのボスを食いつぶしていくモンスターだったのだ。
早稲田大学の常田教授は(「あの日」の著者が来なかったら、その指導方法がいいかげんのままかもしれないが問題にもならず)ペナルティを受けたし、東京女子医大の大和教授は、あの騒ぎの時、病気になって(これは「あの日」の著者の責任ではないけれど)、その後回復したらしくなんとか研究所の所長に昇進したようだが、「博多なう」の一言以後、一切発言はない・できない。その後渡米しバーバードの病院の麻酔科のVacanti教授は;
Dana Goodyear The Stress Test Rivalries, intrigue, and fraud in the world of stem-cell research The New Yorker, FEBRUARY 29, 2016. から

But, by the time the news cycle finished, Vacanti’s fears had been realized. He had vanished from Obokata’s narrative. Nature’s news site carried a recording of her talking about how she had come up with STAP. Like Archimedes, she described her eureka moment as having taken place in the bathtub, when she started to wonder if mammalian cells responded to stress by producing stem cells. “I tried everything I could think of,” she says. “Squeezing cells through a pipette, starving cells, and so on.” Martin Vacanti called his brother. “Chuck, have you listened to her description of the eureka moment?” he said. Chuck hadn’t. “She gave the same description I give about the sporelike cells,” Martin said. She was using his eureka moment.

(小保方が日本でリケジョともてはやされることになってから)次のステップに移った時、Vacantiの(無視されるのではないかという)恐れは現実になってきた。小保方は、アルキメデスが金の王冠に銀がどのくらい混入しているかという問題を風呂に浸かった時思いついた(eureka moment)かのように、哺乳類でもストレスで体細胞が幹細胞に変わりうるのではないかと、自分の考えのように言い出したのだ。Vacantiの弟のMartinは「兄貴(ChuckとはVacantiのこと)、eureka moment のこと小保方に話したのか?」と尋ねた。小保方はVacantiのeureka momentをそのまま使ったのだ。(途中略、意訳です)。
と、発想まで剽窃されちゃって(とこの記事のインタビューに答えている)、

At the end of July, Vacanti invited me to Boston. Because of the embarrassment around STAP, he had taken a sabbatical from his chairmanship, and would soon retire from his position. His lab would eventually run out of money, and then close. But his faith in the basic principles of STAP was unshakable. “I will go to my grave still being absolutely certain that it’s correct,” he said.

7月末にVacantiは私(Dana Goodyear)をボストンに招いて言った。このSTAP騒動があるので、サバティカル(休暇)をとるが、そのうち(the anesthesiology department at Brigham and Women’s Hospital)を退職する。資金がないから研究室は実質的に閉鎖になるだろう。STAP細胞は絶対的に正しいという信念を墓まで持っていくつもりだ。(意訳)
とVacanti教授は研究室ともどもつぶれてしまった。
そして、その次に行った当時理研の若山教授はご存知の通り、山梨大学に転任したけど、移動先の本来は研究所所長になるべきところが、研究所長を下された(降りた?)し、「あの日」では陰謀の主犯がごとく言われているし、笹井氏にいたっては、最悪にも自殺だよ。
つまり、師事していく先々で、師と仰ぐ人を食いつぶしているモンスターだったのだ。くわばら、くわばら。
[ 追記 ] 2016.2.28
東大の加藤研究室ではボスが強権的で捏造を教唆したとされている。小保方の場合も理研で若山氏の、「こんなグラフを作れ」という指示が捏造の教唆だ、今度の東京女子医大の大和氏の指導で作られたグラフも、指導者からの教唆に決まっている、こういうことは生命科学分野では当然のように行われているのだと主張する輩がいる
加藤研究室では複数の部下が捏造したのに対し、今の所、若山研究室や大和研究室の他の学生らに、捏造の指摘はない。指摘されているのは小保方が関係したものだけだ。
推測は勝手だが、これだけのデータで生命科学分野で捏造教唆がごく普通に、どこでも行われているというのは無理筋で、小保方に帰すのが自然ですな。

plagiarism was common

THE NEW YORKER  FEBRUARY 29, 2016 The Stress Test  Rivalries, intrigue, and fraud in the world of stem-cell research.   DANA GOODYEAR から

In her book, Obokata says that she was hurrying to finish her thesis before the deadline, and accidentally bound and submitted a draft rather than the final version. But Vacanti says that when he confronted her about the plagiarism she said that it was common at Waseda, and that a faculty member had told her that no one reads the theses anyway.

彼女の本(『あの日」)では、本人(小保方)は締め切り前に論文を完了するために大急ぎで、そして誤って製本し、最終版でなくドラフトを提出したと述べています。しかしVacantiが言うには、剽窃について彼女に問い合わせると、彼女はそれが早稲田で普通であって、ある教員は、とにかく誰も論文を読まないからと言っているという返事だった。
すごいね。自分の博論に剽窃があるという認識があったことを意味しているのだ。提出論文が草稿でも誰も読まないという認識があったのだ。

チャンピオン・データの流用

「博論を自分で書いた研究者が博論のチャンピオンデータを他の論文への使い回し(流用)をすることなど、ありえない」と書いたけど、同じ意見の450. Apfel(ななこ) 2016年02月19日 11:06という初々しかたもいるけど、そんなの不正の証拠になるかと言っている方もいる。
531. 愚民 2016年02月20日 09:18:自分の常識の枠内に他者を当て嵌めるのは、研究者の視点としてはちょっと残念」とか、「640. J・ワトソン 2016年02月18日 14:26:自分の経験談など語ってもなんの説得力もありません」というわけだ。
そりゃ、単なるケアレスミスで、不正の証拠ではないかもしれない。しかし、自分の経験を他に当てはめて、ありえないと言って、どこがおかしい?不正の証拠だと人を説得するわけではないよ。でも他のこともあることを考えると不正と思われてもしょがないよね。1つあるいは2つの同じ主張の論文にある複数の疑惑が単純なミスとはいえないでしょ。
こんなありえないことをしたので、おったまげているのさ。
でもね、それなりに一生懸命努力して取ったはずのデータを他に流用するということは、やった実験を理解していないといわれてもしょうがないよね。勝手に概念を作って、異なった条件の実験をコンセプトが同じだからいいのだとするわけにはいかない。様々な違う条件でもできたから、新しい概念ができるのであって。自分で勝手に作っちゃだめなのさ。
ひとの発言に対する批判は、発言した場でコメントすべきなんだけど、それぞれ違うとこなので、自分のブログに書くわけだ。
ワトソンさんの活躍しているブログは、彼らに都合の悪いコメントをするとすぐアク禁になってしまうからね。そんなところに反論なんかできないのさ。もう一つの方もアク禁の基準がいまいちわからないけどね。

チャンピオン・データ

チャンピオン・データという言葉がある。同じような実験を行い、多くのデータがあるとき、自分の主張を最もよく反映する生データのことである。
ゴミ、ノイズがない、電気泳動レーンがまっすぐだ、1枚のゲルシートで表したら格好がいいのだが、そのように再度電気泳動することができないから、たまたまレーンが好都合に並んでいる、コントラストが比較すべき図と同じだ、目的のバンドがくっきりでている…などなどの基準を満たす本人の思う綺麗な生データというのはなかなか採取できないことが多い。そこで、主張にぴったりあった綺麗な写真などの生データをチャンピオン・データと呼ぶのだ。正しいかどうかとは別で、本人の主張に最もよく合致したと思う綺麗な図のことだ。
管理者が学生のころ、こういう言葉はなかったし、管理者の分野では電気泳動は主たる方法ではなかった。それでも、論文や発表のスタイルは、まず写真やペンレコーダの生データを提示し、そのどこの部分をどのように測定したかを示し、複数の測定結果をまとめたグラフで提示するのが普通だ。つまり定性的と定量的な結果の表示が基本であったし、いまでもそうだ。最初に提示する生データがばっちいと同業者に信用してもらえない。だから綺麗なデータを取ることに懸命になるわけだ。
生データとして綺麗な最も反応の大きかった生データがチャンピオンデータになるわけで、typical result として提示してしまうのだ。「反応だよ!」と強調したいから当然の行為だ。しかしこれは間違いなのだ。平均的な大きさの反応を示した生データがtypicalなのであって、最も反応の大きな綺麗なデータがtypicalなのではないのだ。でもチャンピオンデータを示したいわけで、この図のlegends にtypical result と書いてしまうのだ。
捏造で問題になって撤回された論文で、筆頭著者は博士論文で使った写真を流用した。「骨髄ー機械的刺激」だったのを「脾臓ー酸刺激」の結果として論文にしてしまったのだ。なぜかというと、彼女にとって、博士論文の図はチャンピオン・データだったからだ。だから、博士を終了した後のポスドクとして仕事をしているとき、研究室内セミナー等で議論するとき、この写真をパワポに仕込んだりしていたんだろう。当然ですな。写真をこういう結果を得た事があるとか、同じような結果が得られるだろうとか、プレゼン資料として使うのになんの問題もない。チャンピオン・データなので人に見せたいしね。
博士課程で得たチャンピオンデータは、いつ、どうやって、どのマウスから得たという付帯事項はしっかり頭にあるのが当然だ。取得できて嬉しかったわけで、実験ノートなんか見ることなしに記憶されている。だから他の実験結果として提示することなどありえないのだ。30年たったら忘れちゃうけど3年では完全に覚えている。これが自分で博士論文を書いたことのある基礎医学の研究者の共通認識だろう。だから11jigen氏が2014年2月14日に博士論文の図と一致していると指摘した時、管理者がそうだったように、ほとんどの博士論文を書いたことのある人は、これでSTAPはおしまいと思ったにちがいない。案の定、ぞろぞろ疑惑がでてきた。本人は、本当の図があるとか、ネットで指摘される前に本物と入れ替えることを申請したとか、パワポのファイルが混乱してしまった、執筆サポータが変わったとき、そのままになってしまった、などぐちぐち言い訳するが、ありえないことなのだ。
本人の頭の中で、パワポで説明しているうちに、新たな実験の結果になってしまったんだろ。「あの日」によると、よそ様に指摘されて、パニックになったようですな。本人は嘘をついていたという自覚はなく、本当だと思っていたのが、よそ様の指摘で思い出したからですな。どうして大学院時代のチャンピオン・データが新しい実験のデータに変換されてしまったのかは、推定はされているけど、本人も含めだれにもわからないでしょ。本人が意図して行ったとは思いたくないけど、結果が全てなんだから、なぜ流用されたかの理由にかかわらず、捏造とされてもしょうがない。この図だけでなく、他にもあるからね。
何年か前、ある論文の査読をしたとき、対照実験の生データが、同じ著者のすでに発表されている論文の図と同一であったのを見つけたことがある。査読は自分の専門分野の論文を査読するわけで、投稿した著者のこれまでの論文は手元にあり、すでに読んでいるからわかったのだ。対照、つまりなにも処置をしていないときの結果なので、異なった処置を行った論文で共通に使っても構わないかもしれない。しかし、別の論文だし、そうは書いてないし、legendsの記載も違うので、指摘したのだ。投稿者にとって、一番綺麗な図、チャンピオン・データだったんだよね。リバイスされた論文では、別の、多分本来の対照実験結果に変わっていたからacceptとしたのだ。この著者は管理者に感謝すべきだが、当然、管理者は匿名なので感謝されていない。リバイスされた論文を再度査読したときも、感謝の言葉はなかったな。これは対照実験なので、まだいいけど、例えば、発表された論文に薬Aの結果という図があって、全く同じ図が薬Bの結果として別の論文に表示されたら大変だ。捏造といわれてもしょうがない。
大昔の話なんだけど、ある日本人研究者が海外の研究室で実験していて、学会で口頭発表して、その発表が要旨として図とともに印刷されたのね。そしたら、隣の別の研究者からその図は俺のデータだというクレームがついた事がある。言い訳は、データが同じキャビネットにあったから、自分のデータと思って使っただって。同じようなパターンの図になるけど、全く違う実験の結果だよ。
[ 追記 ]
このブログを書き終わって、他のブログをみていたら「汚いデータ」という柳田充弘先生のブログが紹介されていた(408. Apfel 2016年02月18日 11:50)。ま、この場合は「汚い」といっても、それは、データとして汚いのではないから、このブログの綺麗なチャンピオン・データの逆のことではない。

改めて桂委員会の報告書を読んで

理研の研究論文に関する調査報告書(平成 26 年 12 月 25 日)を改めて読んでみたけど

6)Article Fig.3b について(22p)
小保方氏からオリジナルデータが提出されなかったため、不一致の認定を行うことは
できず、研究不正とは認められない。
8)Article Extended Data Fig.5f および Article Extended Data Fig.8k について(23p)
小保方氏からオリジナルデータが提出されなかったため、不適切な操作が行われたか
どうかの確認はできず、研究不正とは認められない。
9)Article Fig.2b、3d、3g、Extended Data Fig.1a、Extended Data Fig.6d について
エラーバーが不自然である点(23p)
パソコンに入っていると思われるオリジナルデータの提出を小保方氏に求めたが、提出されなかった。確認がとれないため研究不正とは認められない。
10)Letter Extended Data Fig.5g、Letter Fig.3c-d について(23p)
オリジナルデータを調査することはできなかった。研究不正とは認められない。

と甘いんだよね。オリジナルデータを出さないと不正でなくなっちゃうのか。「不正か否かの判断は保留する」とかにしてほしいね。

年譜

筆頭著者の年譜を作ってみた。下のようなエクセルの表だ。
20160209 ChronologicalTableObokata
20160210Chronological_Table_Obokata  (2016年2月10日版)
20160211Chronological_Table_Obokata-1 (2016年2月11日版)
20160228Chronological_Table_Obokata-2[wpdm_file id=5] (2016年2月28日版)
[ 追記 ] 2016.7.2  Download  Manager を導入したのですぐ落とせるでしょう。
-2 では細胞株一覧を理研の報告書の表をコピーして別シートにしました。
一研究者・教育者の意見にコメントしている869. 在米ポスドク 2016年02月08日 12:00さんが作成した時系列に加筆しただけだ。オリジナリティはない。青字赤字が加筆したところだけど、ネットをうろうろで、十分チェックしていないよ。
さよなら、じっけんしつ 脱・動物実験ブロ も参照させてもらいました。動物実験を管理者は否定していませんけどね。
ソースを併記してあるけど、ソースを含めて自己責任で。
適宜

5万部ー読まれた鼻毛が5万本….ではない

初刷り5万部で10%の印税の約束で、定価(税抜き)千四百円だから700万円というのが、コンビニで立ち読みした週刊誌の記事だ。で、15?20?万部に増刷とも書いてあって現にアマゾンのベストセラーになっている。
20160204 obokata_amazon

読んでもないのに批判するなというのが擁護派のご意見なので、この図のトップにちゃんと購入したことを示しておきます。ただし、まともに読んでないのは先の記事でかきました。いやになっちゃったからですね。指摘された不正-ES細胞を混ぜたとか、本人が認めている細胞増殖曲線やメチル化についての捏造-への反論・説明がないからですな。そこを探して斜め読みしたんですけど、なにもない。ES細胞のテラトーマなんかご本人が作成したんでしょうが。渡米中に誰かが作ったて書いてある。もう、読んでもしょうがないから、友人に貸しちゃった。もう手元にない。若山氏への責任転嫁しか書いてないもんね。

これで研究者人生は終わっちゃったんだけど、その対価が少なくとも700万円、ひょとしたら4倍の2800万円、31歳で退職金2000万円以上は上出来だよな。今後、研究者として誰も雇用してくれないから、役に立ちそうにない博士論文の修正より、小説書いた方がいいという選択は結果として正解だったんだ。研究以外の場所で70歳まで働くとして、まだ40年は働けるわけで、別の仕事は理研の給与よりはるかに低いだろうけどこのままおとなしく、周囲に迷惑をかけずに生きていけばいいんじゃないの。ボランティア人生なんか優雅かもね。

買うなという意見もあったけど…

読みもしないのに、推測するなという批判があったけど、そして買うなという意見もあったけどAmazonで発注したのが、昨日届いたので読んでしまったのだ。「あの日」小保方晴子著。
第1章 研究者の夢 でもう、つまづいちゃって、最後まで読むのがいやになるところだったよ。(7ページ)。

中学校での成績は、全国模試での成績を見ても首都圏での最難関の国立大学付属高校等への合格は確実だと思われていた。ところが周囲の人々の期待を裏切り、たまたま滑り止めに受けた高校以外に合格できず、強い挫折を経験した。 略  滑り止めの高校に入ったおかげで、評定平均点だけは高い数値を維持できていたため、指定校の推薦入試を希望していた。

あー、高校の同級生怒り狂うよな。「あんたらと違い私の頭は、お茶大付属高なみにいいのよ」といっているんだからな。でそのあと、

将来の進路を考えている頃、いつも頭をよぎったのは、小児リュウマチを患った親友との思い出だった。医師の道も考えたが…略…広く人類に貢献できるような研究をすることを夢に描き応用化学科への進学を希望していた。

で「早稲田の応用化学でAO入試があるのを知って応募し、合格した。入学したらラクロスに打ち込んだ」とかいてある。
嘘でしょ。早稲田の応用化学にAO入試があるから、応募したのであって、広く人類に貢献できるような研究が目的だったわけではないでしょ。AO入試に応募する学生は、もっぱら受験勉強をしたくない奴らというのが、経験からの結論ですな。違う学生がいないというわけじゃないけどね。安易な道を、誤りであっても選択する性格だからな。だれでも安易な道を選ぶけど、それを崇高な理由に正当化する人はあまりいないもんね。
志望先を決めるのに、病気の親友が動機で、医師というのは誰でもが納得するだろう。医学部に受かりそうもないとすると看護師とか薬学師だよね。普通は。でさらに、臨床検査技師、理学療法士…なんがが選ばれる進路先だよね。病気の親友から思い浮かぶ進路先が工学部系の応用化学てのは、この人だけだな。応用化学だって人類に貢献していないわけではないが、工学部だからな。人類に貢献する研究を行うのだったら理学部とか基礎科学分野だろうな。で入学し4年になるとき卒研の指導先を同級生が盛んに調査しているのに、そんなのやらない、卒研配属先が決まっても、ラクロスをやって疲れてセミナーに参加したなんてどこに研究志向があるんだよ。研究志向の学生さんは3年生とかで研究室に潜り込むんだよね。
このあと続く部分は、本人と関係者しかわからないことなので読む意味がない。著者のいうことが正しいかどうかは関係者の証言がなければわからんからな。読んで損した。
73ページに、例の草稿が博士論文になった件がちょっぴり書いてある。「審査会で指摘された箇所を修正し印刷して製本所に持って行った。下書きから提出したもの、仕上げたものまでなんどもプリントアウトしていて、最終バージョンでないものを間違えて製本所に持って行って事務に提出された」のだそうで、「提出された」ではなく「提出した」が正しい表現だろう。本人がやったんじゃないと言いたいのだろうか?ま、揚げ足取りかもしれないけど、不祥事は他人のせいとする行動背景がなんとなく見えているとするのは、穿ち過ぎか。
ま、それでも製本所に2部しかもっていかなかったわけだが、草稿が2部、そのときに印刷されてそろっているというのはあり得ない。あの国会図書館にあるのは、もはや取り消された「博士論文」だ。草稿だったら、自分自身が使うもので、人に見せるものではないから、印刷しても1部だけだろうが。そして、手元には赤字とかで加筆されているものだろうが。なんで草稿をまた2部も印刷するんだよ。修正論文なんかなかったんだよな。
このあとは、若山氏の豹変とかが書いてあって、私がいかに悲劇の主人公であるかが書いてあるだけだ。
178ページには;

テラトーマの図については、博士論文に使用した写真であることを記憶していないはずはないという理由だった。強い抑鬱状態と思考力・記憶力の低下という症状が具体的に書かれた診断書を提出していた上に、あんなに意識が朦朧とした状態で、しかも3年以上も前の博士論文執筆当時の出来事を聴取されたことを「記憶していなかったはずはない」と決めつけられ、不正判定の理由として採用されたことに悲しみを超えた絶望を覚えた。

へ?意識朦朧していたんじゃないぜ、博士論文の図を投稿論文に使ったのは。「悲しみを超えた絶望を覚えた」こういうフレーズを書くのがうまいんだよね。
理研が発表した「STAP現象の検証結果」で否定されているのに、再現実験でSTAP細胞ができたと主張しているよ。この主張がどうして理研の意見と異なるかの説明はないよ。
若山研では、図表を仮置きして論文を作るのが常態化していると書いてあるが、自分の博士論文が、よそ様の作成した写真を仮置き(本置き?)しているじゃん。若山研で仕事をする前だぜ。
ま、本人の主張だけが書いてあるのだから、反論したってしょうがないけどね。私小説を批判しても意味がない。

擁護派の分裂

試験も終わり、成績も報告し、再試問題もつくって、とりあえず一服ですな。再試問題は、二十行程度で記述させる問題を30問あらかじめ提示し、その中から5問出すということにしている。30回講義があるわけで、30問というのは通年の講義全部復習しないといけないわけだ。で二十行で記述させても10名程度の答案を公平に読むのは難しくない。完全に記述だと、てにおは 主語 述語 接続詞なんかがデタラメで、なにを記述しているのかわからなくなっちゃうんで、実は、穴埋め問題にするとかにするのだ。本試験より再試のほうが、問題作成が容易で難問になる。当然ですな。
というわけで、時間ができたので、ネットをウロチョロ。
で東スポ(平成28年1月29日)ですら「手記出版 暴走 素顔」なんていうヘッダーでトップページに掲載されている「ある日」(講談社)についてだ。
まだ読んでいないのだが、ネット情報によると、記載内容では、この本の著者は、捏造したのはW氏で自分ではないと捏造自体は認めているようだ。
小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会の2016年01月28日の記事のコメントで擁護派の発言は;

30. 南青山 2016年01月28日 11:18
25. あさん
>小保方もようやく捏造だと認めた訳か。捏造派完全勝利。擁護派かわいそう(笑)
その通り。それも若山氏の手によって、として。
20. J・ワトソン 2016年01月28日 10:29
でもなあ、STAP=ESは証明されていないと思いますけどね。どうなんだろう???
55 〜〜62  でもめてる。

あさん とはいわゆる小保方批判派(捏造派)で 南青山 というのが擁護派だ。擁護派でもJ.ワトソンは、ES細胞ではなくSTAP細胞があるという主張だ。擁護派が分裂した。面白くなりそ。

はめられた

2件の「はめられた」がでてきた。
1つは週刊文春がスクープしたとされる甘利明経済再生担当大臣への現金授与が政治資金収支報告書にない件だ。甘利氏の地元の市議は「わなにはめられたんじゃないか」と話す。 どうやら怪しげな企業が右翼とかと絡んで、都市再生機構(UR)の工事のトラブル仲裁を依頼したときに礼金のようだ。「はめられた」と主張するのはおかしい。政治家に依頼するほうだって、契約書を交わすわけじゃないんだから、依頼したことを記録するのが当然だろうし、いわんや右翼だったら、恐喝のいいネタだもんね。政治家なんて敵ばかりなんだから、菓子折りの箱に山吹き色のものが敷かれているのが当たり前だという認識がない方がおかしい。口利きの謝礼だったら、個人所得にするとか、政治資金収支報告書に書けばそれでいいだろうが。裏金としての現金が欲しかったにちがいない。しっかりもらったんだけど、その見返りをきちんと、依頼者が納得するようにできなかったのでは。あるいは脅迫されたのを拒否したのでは?
もう一つはSATAP細胞論文筆頭著者の手記だ。まだ読んでないから、TVやネット情報だけど、こっちも、元上司にはめられたと書いてあるらしい(朝のTBS TVで言ってた)。んでどうやらこの手記の初めに「最後になりますが 、どんな状況にあっても 「私の先生 」でいてくれた 、相澤慎一先生 、笹井芳樹先生 、丹羽仁史先生に心よりの尊敬と感謝を捧げます 。」と書いてあるらしい。とすると、元上司とはW氏しかいない。W氏はどういう動機があって筆頭著者をはめる必要があるんだろうか?論文になる前に、国立大学の研究所所長(教授)に就任しているんだぜ。はっきりいって駅弁大学の農学部卒が生命科学分野の国立大学の教授・研究所所長というのは大出世だ。いまさら筆頭著者をはめて何の得がある??データの捏造を筆頭著者に示唆したとかいう奴がいるけど、データの捏造を、子飼いの弟子でもないポスドクに指示したら、自分の身があぶないじゃん。権力の及ぶ自分の研究室の大学院学生にだったら捏造の示唆はありえるけど、他所からきた金持ちポスドクに捏造しろなんていったら、大変だ。これまでの成果がパーじゃん。折角の教授のポストがぶっ飛ぶ。
こっちは、筆頭著者のいいがかりだな。自分の悪行を悪行とは思ってないので、世間から批判されたのは「自分に責任があるわけではない、他の人・上司にあるのだ。」と自分自身を守るために責任転嫁するしかないだろ。自殺をほのめかすような部分が手記にあるらしい(未確認)けど、自殺する玉じゃないな。責任を自分で取らない・他人に押し付けて、これまで生きてきたんだろうな。
[ 追記 ] 2016.1.30
読まないで推測だけで書いているという批判があったが、読んだ人の感想だって同じだ「 そして、さまざまな言い訳も、「結局他人のせい」にしている。」(琥珀色の戯言)。読んで、上記の推測が違ったら、ここに書くよ。